4歳娘に「お片付け」の本音を語った話。
娘みーちゃん(4歳)はお片付けがきらい。
「ほいくえんではするけどおうちではしない」らしい。
どこかで見たけれど、そもそも「お片付け」というやつは幼児にはハードルが高いとか。抽象的で、手数が多くて、いやになっちゃうらしい。
かくいう私も高校生あたりまで汚部屋の住人だった。
だから小さい完璧にお片付けするべきなんては思ってない。思ってないけどさ、「部屋を整理整頓すると暮らしが楽になるよ~一般にそれがステキとされてるよ~そしてそれはおかあさんの仕事じゃなくてあなたの仕事だよ~」というお題目は、みーちゃんの脳みその1ページに付箋として貼り付けておきたいなぁ。そしたら、彼氏だとかお友達を部屋に呼ぶ年頃には、自分で考えてなんとかするだろう。
そんなわけで私は、全部じゃなくても、1ブロックでもみーちゃんにお片付けをしてもらうようにはしてる。
だけどみーちゃん、1ブロックすら片付ける気にならない日だってあるわけで。
そんなある日の話。
「さ!一緒にお片付けしよっか~」
「いやだ!」
…にべもないな。
この1パターンを数回くりかえしたのち、親子ふたりは、万年床(になってしまった)にごろんと転がった。
「なんで片付けしないの?」
「めんどくさいの。おかあさんがやって」
私はこれをきいて口をつぐんだ。
どう切り替えしたらいい?厳しく叱る?けれどこの手の話で声を荒げたところでよい方向に行ったためしはない。「おかあさんはいじわるばっかいう!」と感情をたかぶらせて終わり。それを繰り返したところで片付けを好きになるわけない。優しくなだめる?それでやるようになるみーちゃんではない。みーちゃんは大人の言う通りに動くのは好きではない。
ちょっと迷ったあと、私は口を開けた。
どストレートに本音を言ってみることにした。
「お母さんだってめんどくさいよ」
「おかあさんだって片付けすきじゃないよ」
「大人」を脱ぎ捨ててざっくばらんに。
理屈の後ろにいる、「こどもな自分」をひっぱりだして話す。
「…」
さらに大人げなく。みーちゃんと同じ足場にたつつもりで。こういうとき、きょうだいだったらなんていうかな。
「あ、じゃあ、お母さんが片付けたカードもらっちゃってもいい?」
「だめだよ」
「だっておかあさんが片付けたんだもん。おもちゃはそれを管理した人のものでしょ?」
「…」
押し問答はしばらく続いた。
まぁ、今日は無理そうだな…諦めてわたしが片付けよう。よっこらしょと立ちか上がってカードを掴んだとき。
「おかあさんはこっちやって。わたしはこれやる」
みーちゃんは立ち上がって、散らばったカードを片付け始めたのだった。
(おやおや…?)
めちゃ褒めたら、調子がでてきたのか別のおもちゃも片付け始めた。
「すごいねぇ!キレイになったよ!」
まんざらでもなさそうなみーちゃんだった。
こどもの心にちゃんと響く理由づけって難しいなぁと思う。
「次に遊ぶときどこいったか分からなくなっちゃうでしょ?だから片付けたほうがいいよ」
って言ってもみーちゃんにはあんまり響かない様子。なんとなく、上からモノを言われてる感じがしたのかなぁ。
「大人だから」を脱ぎ捨てて、たまには生身の本音を語ってみるのも、そう悪くないのかもね。