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こどもに野菜を食べてほしくてトマトを育ててみる

野菜嫌い克服をめざして

娘みーちゃん(もうすぐ3歳)はだいの偏食さん。
うどん焼きそば、ごはん、ナゲット、しらす、チーズは食べるけれど、野菜をちっとも食べてくれない。お母さんである私は、保育園の先生に面談で「みーちゃんはお家で食べてますか?」と聞かれてアセっている。
いちおう離乳食はすりおろしの野菜をたくさん食べてもらったのになぁ…

まぁそれはさておき。
みーちゃんは意志が強いので、「たべなさいっ」とぴしゃりと叱っても余計意固地になって食べない。だからみーちゃん自身に納得して食べてもらうのがい一番だ。
どうしたらみーちゃんは納得してくれるかな?と考えていたとき、生協の紙カタログにプチトマトの苗と栽培土が掲載されているのを見つけた。
これだぁ!お世話したトマトが大きくなって実をつけたら、興味がでてくるんではなかろうか。
私はソッコー注文した。

しかし我が家にやってきてくれたプチトマトさんに、さまざまな受難が降りかかった。

プチトマトの受難

①おかあさんが苗を放置

その日、私は慌ただしく仕事をこなしていた。
受け取ったトマトは段ボールに梱包されていて、私は「トマト来た!」と思って玄関脇のベビーカーと一緒に置いておき、バタバタと仕事に戻った。
「こんどのお休みに植えよう!」
ちなみにお休みは4日後。トマトは種じゃなくて苗で来てるのだからすぐ植えないとなのに。
2日後の朝、みーちゃんを保育園に送ったあとでコーヒーをしばいていたときにふっとその事実を思いだし、血の気が引いた。
慌てて段ボールから出して植え付けをしたのだった。

かわいそうにぐったりするトマト…

暗がりで水をあげず2日放置されたトマトのかなしみはいかばかりか。おかあさんは祈る思いでせっせと水をあげたのだった。
しかしトマトは強かった。数日後がこちら。

すくっと立った!

茎がしゃんと立って、もうすごくホッとした。

しかしトマトに次なる受難が襲いかかる…

②みーちゃんがエルボーをかます

トマトはベランダにでる窓下に置いていた。
そしたらみーちゃんが、私と一緒にベランダにでたときに、窓下にあるたたきを渡ろうとして…
トマトにエルボーをかました!
ぺきょ!折れる茎!
「わー!」つい叫ぶおかあさん。

大ケガをおうトマト…

応急手当でマスキングテープを茎に巻いて固定した。
それを横目にみーちゃんはまたたたきで遊ぼうとしている。
おかあさんはみーちゃんに向き直り、さいきん一番の真剣さで伝えた。
「みーちゃん、トマトさんにまたぶつかったら
 おかあさん本気で怒るから、やめてほしいな」

これで分かってくれただろうか…そう考えたとき、
その一段上をみーちゃんは行った。

「ここにいちゃダメ!」
と冷静にトマトを横にずらすジェスチャー。

ぐぅっ!確かに人が通る窓の下に置いておいたら事故のもと。みーちゃんの分析力にぐうの音もでない。
おかあさんは大人しくトマトの配置を奥へ移動させたのだった。

その後のトマト

さすがに暗がりに放置され、エルボーをかまされて茎が折れてしまったら、もうダメかもしれない…
おかあさんはしくしく心のなかで泣いた。

しかしそれでもトマトは強かった。

トマト強い!

立派に葉を茂らせ、順調に茎を太くしていく。
ちなみに折れた茎じゃなくて他の枝が太くなって茎になった。
無事プチトマトがかわいらしい実をつけてくれることを願うばかりだ。

番外編

別角度で、絵本から食に親しんでもらおうと、
私も小さい頃読んでいたこちらの絵本を買ってみた。

ピーマンがバイキンをやっつけるお話。
これを読んだあとでスーパーでみーちゃんに聞いてみた。
「あ、ピーマンマンがいるよ、食べてみる?」
「いや」
「ピーマンマン食べなかったらバイキンさん
 お腹のなかで痛いいたいするよ?」
 みーちゃんは首を横に振った。
「…なにがいや?」
 みーちゃんはちょっと複雑そうに言った。

「だって、たべられないよ」

たべたくない、じゃなくてたべられない。
それを聞いてうーんと唸ってしまった。
みーちゃんも、食べられなくて困ってるのかもしれない。
難しい。