答えがいくつも存在する不思議ー赤ちゃんのお世話
子育てが始まって驚きの連続だ。
これはそんな中の1つ。
同じ話題のはずだよね?
「ちょっとだけ体重が増えすぎかもしれませんね」
助産師さんは言った。
娘は生まれたばかり。
2週間健診でのことだった。
確かに、娘がなかなか泣きやまないものだから私は授乳・ミルクをどんどん増やしていた。
あれは、あげすぎだったのか。
(泣いたらミルクあげるんじゃないの‥?)
?は巡っていたけれどなんとなく口に出せず。
とりあえず言われたこと覚えて帰らないと、と気持ちを切り替えた。
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家に帰って、みんなどうやってるんだろうと疑問になってネットで検索してみた。
「赤ちゃんが泣いたらお腹空いてるから授乳でOK」
「泣いてもお腹がすいてるとは限らない。授乳しすぎもよくないからあやしてね」
結局どっちやねん。
同じ授乳の話のはずなのに、真逆のことを言っている人が普通に存在している。なぜに?
1年子育てを経験した今は、私もこういうことにだいぶ慣れた。
赤ちゃんの生態に基づきこういうやり方がベターという医学的な定説はありつつも、それはそれとして、赤ちゃんのお世話にはそれ以外の変数もくっついてくる。
・赤ちゃんの性格、体質
(すぐ寝てくれる、寝ない、意思の強さ)
・親の性格、体力
(泣き声が気になる、気にならない、
抱っこ立ちっぱなしが苦になる、ならない)
・住宅事情
(隣家に泣き声が聞こえてしまう)
・ソーシャルサポートの強度
etc..etc
親子の組み合わせの数だ、けできること・できないこと、許容量は変わり。
それぞれの親子が最適解を探して奮闘した結果、同じ「赤ちゃんの授乳」の話なのにまったく逆の答えがごくごく普通に存在しうる、という不思議ができあがったんだ、と分かってきた。
1+1=2じゃない大変さと幸せ
私も最初は「こっちがきっと正解!」と肩肘はってみたりもした。
けれど正解だと思ったやり方を、私自身がやり通せないシーンがでてきた。
正解て何だ。
いかつかった肩はしゅーんとしぼんだ。
1+1=
学校ではこれを「2」と答える訓練を受けた。ただひとつの正解を導き出せるのがいいこと。それ以外は減点。
なのに育児は「2」とは限らない。
2のこともあるだろうし、0かもしれないし、いっそ答えを書かないこともあるかもしれない。「2のはずなんだけどなぁ」と悩んだり、「0の私はおかしいのかな?」ともんもんしたり。
周囲と同じになれないって、大変だ。
けれど私は、「2」と答えなくていい幸せもあるかもしれないなぁ。そうも思うようにもなった。
ぱっと見の事実だけで判断することの危険を、子育てした1年にたくさん学んだ。
泣き止まない赤ちゃんをずっと相手するのって、こんなにきついんだ、とか。
赤ちゃんを育てながら買い物するって、こんなに大変なんだ、とか。
1+1=の後ろに色んな事情がある。
そう謙虚に思えるようになった気がする。
たまたまその場に居合わせた他人に優しくなったと思う。
それは、自分の呼吸も楽にした。
私は今まで苦しかったんだなぁ。
はじめて気がついた。
まぁ集団で生活するには指針は必要。
医学的な事実も大事。
とはいえ、生身で生きてたら色々あるから、ねぇ。
バランス。バランス。
※新米ママの苦闘ストーリーはこちら。