Death StrandingのTypographyを取り扱おうとして失敗する

Death Strandingには(特徴的な)3つの(亜種を含めれば4つ)の書体がある。
1. (ネオン管の様な？)Round Stencil(これにはゲーム内にsvgとして存在するものと※図1、テクスチャ(画像)上にしか存在しないもの※図2の2種類ある)
2. Bank Gothic + MIL-STD-2161C風の角張ったゴシック体※図3
3. 上記の書体をRoundにした感じの(Eurostile Roundの様な？)丸ゴシック体※図4

図1

図2

図3

図4

Death Strandingで一番目にし尚且つ記憶に残る書体がRound Stencilだろう。この書体の源流は恐らくアポロの誘導コンピュータApollo Guidance Computer(AGC)のモジュール等に使用されている書体(※図5)だろう。この書体はAGC DSKY ASSEMBLYのキーに使われている(※図6)Gorton Condensed(図面1006387を参照)に基づいていると思われる。
　Gortonというのは書体名ではなくパンタグラフを用いた彫刻機を作っていたメーカーの名前であり、同社は様々な彫刻用文字を作っている。たとえばExtra Condensed Gothic,Inclined Gothic,etc...である。その中の一つにGorton Normal、その亜種にGorton Condensedがあり同社のカタログのGorton Normalの解説文には「当社の最もPopularな書体」とある。このGorton書体は当時の航空機(注1)や機械類に多用された。

「Death Strandingの」はずだったのに機械彫刻文字の話になってしまった…

図5

図6

注1
アメリカ軍用機についてはMS33558(題名：Numeral and Letters, Aircraft Instrument Dial, Standard Form of)を使用していたようだがNASAはND1002019にあるように「character(書体)は(GothicやFuturaなどの)serif無し(sans serif)で大文字でなければならない。数字はアラビア数字でなければならない。」とあるだけで軍用機のように計器内の文字と計器の外側にある文字を同一のMS33558で書く(MIL-M-18012Bによれば代わりとして使用できる書体(※表1)があるのだが・・・)ようなことはしていない。NASAはスイッチ類はGorton、計器内外の説明文字等はFuturaで書いてある。

(表1) MIL-M-18012BによればMS33558の代わりとして使用できるものは以下の通り
(a) Fonts for engraving:
(1) Gorton extended
(2) Groton normal
(3) Gorton condensed

(b) Fonts for printing and other reproduction methods:
(1) Airport semibold
(2) Futura demibold
(3) Vogue medium
(4) Lining Gothic No. 66
(5) Alternate Gothic No. 3

その他の画像

1902年のGorton社の書体見本。この頃は書体名は無かった。

キーボードで使用されるGorton

街で使用されるGorton

おすすめのフォント

Routed Gothic Font
https://webonastick.com/fonts/routed-gothic/
このフォントのライセンスはSIL OFL-1.1になっています。
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すべてRouted Gothicで組んだ