【認知バイアス例】あなたの上司がどうであったかはどうでもいい。上手くコミュニケーション取れないのはあなた自身に問題があるからだという役員の指摘

認知バイアスの本を読んでいると、思い浮かぶ場面が多々ある。
多くは昨年のパワハラ・PIP・退職勧奨に関する出来事だ。

勿論、私自身も認知バイアスにかかっていると思っている。
例えば、『確証バイアス』(自分の仮説や信念と一致する情報ばかりに注目し、それ以外の情報を無視しやすい)だ。
上述の『認知バイアスの本を読んでいて、思い浮かぶ場面』というのも、私の仮説や感情に都合がよいものを選んでいることは否定できない。

その上で。
私は、認知バイアスについて考えたことを記していきたい。
それは『何故、あのような対応をされたのか』の疑問に対する回答の備忘録であり、自分に対しての戒めのためでもある。
現在は休職しているが、就業中は私にも部下がいた。
そのため、いつか復職した時に自分の認知バイアスに少しでも気が付けるようにという目的も含め、記していきたい。

前置きが長くなったが、掲題の件である。
私はPIPにて、『上司からのFeedbackを前向きに受入れない』等の不足点があると役員に指摘されていた。
それに対して、『私が上司に反論した時のやりとりはこれこれであった』『上司も感情的になっていた』『クライアントのことを考えると、上司の指示は従いかねるものであった』等の説明をした。
それに対して、役員から言われたのが、タイトルの言葉である。

その時には、『パワハラにも黙って耐えろというのか』とPIPの理不尽さと恐怖しか感じなかったが、『行為者‐観察者バイアス』を知り、「あ!!」と思った。

行為者‐観察者バイアス

『自分の行動の原因を考えるときには、状況や環境などの外的要因を考慮し、他者の行動の原因を考えるときには性格や努力などの内的要因を重視しやすい』(引用元:文系のための東大の先生が教えるバイアスの心理学)

役員と私のやりとりを振り返って見ると以下となる。
私:原因は上司の指示がクライアントのためになっていなかったからだ。(外的要因)
 上司も感情的になっていた。(内的要因と同時に外的要因を強調)
役員:上司がどうであったか(外的要因)はどうでもいい。問題はあなたの能力にある。(内的要因)

私も役員も、見事に行為者‐観察者バイアスに当てはまるのだ。
(さらに言えば、役員には確証バイアス(一度低い評価を付けられてPIP対象になっているという状況に基づき、それに沿った点に意識が向いてしまう)等も働いていたかもしれない)

無論、バイアスがあるから観察者(指導する側)が外的要因を考慮せず、本人の内的要因を責めていい事にはならない。もしパワハラされている部下に対してそれをしてしまった場合には、加害者を看過し、加担することにもなる。

自戒

自分が部下に対して『(外的要因ではなく)それはあなた自身の問題だ』と言うことがあったら、本当にそうなのか、本人から見てもそう感じられるのか、自分はバイアスにかかっていないか自問する必要がある。

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