『退職勧奨を前向きに受け入れない』のは『上司の指示に従わないという従業員の不足点』というロジックについて

退職勧奨の際、会議の最初の方で『私を会社に残すことは出来ないのはすでに会社内で既定』である旨を告げられ、役員から『退職勧奨を受け入れるか』と問われ続け、私からは『退職には同意できない・退職勧奨には応じられない』旨を返し続ける流れとなった。

その中で、私に同意をさせるために役員は様々な発言をし、時には憤慨した。それらについて、退職強要・パワーハラスメント的な問題は無論あるが、ここではコンサルティングに携わる者として悲しかったことを記載したい。

それが、『あなたの最大の不足点は上司の指示に前向きに従わないこと』であり『今、退職勧奨を前向きに受入れないこともその現れ』であるという発言だ。

このロジックは
・自分には「上司の指示に従わないという不足点がある」と認める→役員のいうとおりこの会社にふさわしくない(退職を受け入れるべき)
・その不足点はないと主張する→そのためには退職勧奨を前向きに検討してみせなければならない
というものである。

なお、会議後、退職勧奨に同席していた人事(コンプライアンス窓口担当でもある)に対し、『あれは魔女狩りのロジックである』とロジックに疑義を呈したが、人事からは『PIP・退職勧奨は適法・適切に行っている』という回答であった。

私は、ロジカルシンキングはコンサルティングに携わる者の武器の一つだと思っている。
そしてうちの会社は世界的なコンサルティング企業であり、従業員はロジカルシンキングを磨き続けている。

正直なところ、ロジカルシンキングを磨き続けてきた役員にしては、今回のは稚拙なロジックだと思っている。
だが、何よりも、ロジカルシンキングを誇るコンサルティング企業の役員が、従業員を破滅に追い込むためにこのようなロジックを使用しているのが悲しい。

武器を持つ者は、正しく使う義務があるのではないだろうか。
ロジカルシンキングのスキルも、人を破滅に追い込むためではなく、誰かを、または企業、社会をよくするするために使うべきではないだろうか。

うちの会社はコンプラ遵守を唱えている。
であれば、社会的責任として、ロジカルシンキングという武器は幸せのために使って欲しい。

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