愛なんて知らない

自分がいない
自分を忘れた

記憶がないわけではない
何もかも一生懸命だったことは覚えている

けれどそれが
何にもならなかったことが悔しい

今ではぼんやりと
ただ空を見つめている時間がある


人のために何かをするというのは
自己満足でしかないのだろうか

感情が表せない
言葉が出てこない

何が悪いのかも分からない

私に無限の体力と気力
そして財力があればと考えてしまう

そして私は愛のない人間らしい
愛を知らないから
私なりに考えて行動してきたつもりだが
愛を知っている人間とは
やはり根本が違うのだろうか…

私は偽物だったのか
安っぽい偽造品のようだ


私の悩みなどくだらない戯言だろうが
これでも血の滲むような努力
過去にはしてきたのだと伝えたい
守りたかったものがあった
愛していたんだよと


別に誰かに知ってほしいわけでもない
ただ書いて書いて
自分の内を整理したいだけなのだから

それでも迷う
何がいけないなかったのか
私はこのまま生きていていいのだろうか

外で人の流れに紛れていても
自分のことが浮遊霊のように感じる

千と千尋の神隠しで
そんなシーンがあったような

千尋が湯婆婆の姉のところへ向かうシーン
列車の中の乗客はみな透けていて
それぞれその時を生きている

もしかしたら 
過去の残像だったのかもしれない


軸を失った私は
過去の残像になりつつある

体が透けていく


そんな私の姿は
どんなふうに映っているのだろう

必要とされなくなったら自分を消したい
その他大勢に取り込まれる前に
自然の中に溶けてしまいたい


誰の重荷にもなりたくない
私はあの深い森の奥へ

寂しさや焦りなど感じていても
何にもならない

私の愛情なんぞ
単なるお節介でしかないのだから

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