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【エスキス解説】一級建築士製図試験_S4を実際に解いていく

皆さん。こんにちわ。

Kaede Architectのなかむラテです。

今回のコラムは前回に引き続き、10/13(日)に行われる一級建築士製図試験の課題解説になります。

前回、前々回と【動画解説】をしていたのですが、かなり長い動画になってしまっていたので、今回は単純にコラムで、「合格者のエスキス中の頭の中」をお伝えできれば良いかと思います。

【解説動画】は、実際にエスキスを解きながら、頭の中で考えていることを声に出しています。

他人のエスキスを見ることはないと思いますので、動画でエスキス解説を見たい方は、下記よりご覧ください。

▼オリジナルS1【エスキス解説動画】

▼オリジナルS3【エスキス解説動画】

また、「早くて正確なエスキス法」についてのコラムも書いておりますので、気になる方はそちらもお読みください。

▼【早くて正確なエスキス法】

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それでは本題に入ります。

今回解説する課題はこちらです。

【オリジナルS4】

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是非最後までお読みください。

【オリジナルS4課題の特徴】

まず初めにこの課題をやってみて、私が感じた課題の特徴や注意点を書いてみようと思います。

①床面積のオーバーに注意

まずはここです。課題をやってみて、床面積をオーナーしてしまったという方もいるのではないでしょうか?むしろそれを狙った課題です!

この課題では、

【容積率についてちゃんと理解しているのか】

が問われています。

正直言って、「床面積オーバー」はランク4になり一発不合格になる可能性が高いです。最要注意ポイントと言っても過言ではありません。

まず容積率を自分で導き出さなければならないことです。

用途地域的に容積率が200%ですが、前面道路が4mと細い道路としか面していません。普段から設計をしている方であれば、すぐに気付けるかと思いますが、

「準住居地域」の容積率を算出する必要があります。問題用紙にヒントが書いてあったので、計算式を間違えることはないかと思いますが、

(準住居)4/10×4m×100=160%

になります。つまりこの課題では、敷地面積1716平米の160%が床面積の限界になるので、

1716×1.6=2745.6平米

建物の床面積はこれを超えないようにしなければなりません。

【MAXヴォリュームと床面積を意識して計画できるか】

更に今回は、敷地内に駐車場が求められておらず、建蔽率も90%に設定されていることから、「空地が極端に少なくなる」ことになります。

MAXヴォリュームを記載すると、敷地(52m×33m)に対して(48×28m)になります。そうなると、MAX1316平米となり、計画しやすそうですが、

この平面のまま計画してしまうと「床面積オーバーになる」、、、というところまで、考えられるとランク4は避けられます。

容積率の記載が求められている以上、【容積率の算定方法】を問われる可能性も十二分に考えられますので、今一度注意してください。

設計の基本でもあるので、ここで間違えるということは、「一級建築士になる資格なし」と判断される場合もあります。

②ゾーニングの課題である

この課題が「容積率」に対して、問われている課題であるということは理解できたかと思います。

計画においても常に「床面積オーバー」を意識しながら計画をしていく必要があります。

いつもの課題のように、階振り分けを行なってバランスの良い面積振り分けができたとしても、「ゾーニングをしてみると、平面ボリュームを大きくしないと1階が入らない」ということに気づく必要があります。

特に、展示部門は、企画展示室200平米常設展示が80平米で2室(ここがいやらしい。2室ということは2室とも外部に面しないと無窓居室になる)、ホワイエが100平米有料ゾーンとして必要になっています。

つまりは無料ゾーンと完全に分ける形で、460平米の空間を取らないといけないということになります。

しかもサブエントランスの位置までしてされているので・・・これを「6G法」でゾーニングしてみると、

スパン数を増やさないと入らない!!

ということになるかと思います。

そうなると平面ヴォリュームが敷地いっぱいになり、面積を意識しながら計画していかないと、床面積を超えてしまう。となるわけです。

この課題では「階振り分けだけでなく、どのような居室があるかによって、ヴォリュームを決めなければならない」という課題だったと感じました。

どうすればよかったの?

それは、このコラムの最後に「プランニングで面積調整をしていくテクニック」について書いていますので、是非お読みください。

《オリジナルS4-エスキス解説》

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【条件整理編】

①コンセプト立案

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