つむぎ

音楽と詩

つむぎ

音楽と詩

最近の記事

歌詞に書けない

約三年引きずったあいつの話。 最近になってわかったのは、歌にもしたくないほど最低な恋だったってこと。 ここでだけ、今夜だけ、本音を吐く。 「愛がなんだ」って言いたかった。 どうしたってそばに居ようとしてた。 ずっと、憧れてたんだと思う。 あいつは何でも持ってた。 お金も、人脈も、容量も良かったし、気遣い上手で、だから女の子の扱いにも慣れてた。 赤いシャドーの後ろに跨ったら、きっとどこにでも行けるんだろうなって思ってた。 遊んでるくせに、私には手を出してこないから、特別だ

    • 普通の人だったら、

      「アイツがバンドマンじゃなかったら、絶対好きになってなかったよ」って言われた。 確かに、彼がバンドをしてなかったら出会えていなかったかもしれない。 でもそうじゃないんだよ。 きっと違う形だったとしても、どこかで出会えたなら私は彼を好きになった。 彼はいつも"普通の人"になれない想いを叫んでいた。 それがバンドマンじゃないことは、何となくわかっていた。 普通なんてないのに、みんなどこか少しずつ変なのに、普通じゃないって思うこと、言われることが私にもあったから。 私も孤独

      • 昨日、前の恋人に会った。

        昨日偶然、前の恋人に会った。 ちょっとだけこの世界に疲れたみたいな肩を寄せあって、あの頃を思い出していた。 なんと言うか、彼との思い出はドライフラワーみたいで、はなから褪せてるから枯れないみたいな、そんな感じ。 ずっと変な人だと思ってた。 私の手首にキスをして、血の着いた白い服もちゃんと綺麗に洗い流してくれたり。 太ったなんて言った日はいつもより大切に抱いてくれたり。 だけどそんな変な優しさに、ずっと救われていた。 放課後になれば東門で落ち合って、今日も辛かったなんて言

        • バンドを始めるっていう、

          不純すぎる動機で、私はバンドを始める。 深夜に募った想いが溢れ出した時にギターを持ったのが事の始まりだった。 4ピースのバンド。 田舎住まいで友達がいない私が無理にメンバーを集めたので、年齢層も地元も性格もバラバラな4人が集まった。 2分の不安と8分の好奇心を抱えて空を見上げる毎日。 売れても、売れなくても、どっちみち刺激的なわけだから私からしたら好都合なのだ。 私が作る曲はノンフィクションで、だからちゃんと届いて欲しい人がいるわけで、その人に届けば本望だな、と。 同じ想

        歌詞に書けない

          3.1

          こんなに淋しい気持ちになるのは久しぶりだった。 3年が学校に来なくなって、まるで彼等がいない日常を私に分からせるような日々が続いた。 時は刻一刻と残酷な音を鳴らして、遂にその日がやってきた。 今日は卒業式。 色々あって、出られなかった。 学校の隣にある公園に私はいた。 泣きながら、悴んだ手でコードを押えて、体育館まで響かせる気持ちで歌っていた。 不甲斐なくて、辛くて、寂しくて、痛くて。 もうただ、泣くしか無かった。 歌う以外、何も出来なかった。 退場の合図があって、出

          とても現実的な猥談

          お前が、お前があの人ならよかったのに。 眠っている間に手を握られたいのも、 その横で鼻歌を歌って欲しいのも、 「我慢できなくなった」って耳元で囁かれたいのも、 全部、全部あの人なんだよ。 最悪な朝。 今日も生きた。

          とても現実的な猥談

          恋心の行方

          折角のライブハウスの中で、 立ち尽くしたまま動けなくなった。 音楽でさえも、今の私には触れられず、 有り得ない速さで動く心臓を大爆音が揺らしていた。 震える手で必死に抱え込むチョコを、 熱を帯びる私が溶かしてしまわないか、 それだけが、ただ心配だった。 結局渡しそびれてしまって、 態々溶かすような真似をする必要はなかったのだけれど。 ライブ終わり、近くのコンビニに駆け込んだ。 ハイライトメンソール2つ。 ひとつにはメッセージを書いた。 "メンソール"という響きにな

          恋心の行方

          女の子の葛藤

          もう直ぐバレンタインですね。 その日が近づくに連れて頭を占領する誰かが、 そんな大切な人が皆さんにはいますか? 今日、真っ先に頭に浮かんだ想い人の為に、 チョコレートを買いに出掛けました。 まだ話したことも無いので、流石に手作りは不味いかなと思い、市販のコーナーで足を止めました。 何種類もある洒落たチョコたちを眺めて、久しぶりに乙女心というものを思い出した気がします。 コンパクトなサイズが可愛らしくていいな だけど安っぽくならないものがいいな そんな事を考えながら同じ

          女の子の葛藤

          書くこと

          苦しくて、寂しくて。 ボロボロの私はもう、書くことしか出来なかった。 だけだった。 最近、 「小説家にでもなりたいの?」 と小馬鹿にされた。 私は決して、もの書きに成りたい訳じゃない。 ただ、溜まった不幸を昇華する方法が これ以外に思いつかなかった。 誰にだって、君にだってあるだろう。 誰にも話せないほどの闇が。 SNSには載せられない幸福が。 そんな何かが溢れ出しそうになった時、 私は言葉を紡ぐ。 何となく、私自身と対話している気でいる。 起、承、転、までは事

          書くこと

          嘘、

          他の子と楽しそうに離さないで。 他の子を頭の片隅にも置いておかないで。 私が会いに行ったところで、 話せたところで、 貴方にとってはただのファンでしかなくて。 「ありがとう」って微笑むことも分かってて。 私にとっての貴方はこんなにも大きいのに、 貴方にとっての私が同じ存在じゃないことが、 物凄く寂しい。 表面上の優しさなんか求めてない。 貴方と目が合ったことに自信を持てたなら。 貴方の記憶容量全部、音楽と私だけだったなら。 貴方を想って枕を濡らす夜を、貴方は知らな

          私に必要だったのは、映画の後の温もりだけかもしれない。

          時に、有り得ない程の温もりがこの世には存在する。 些細な優しさが積み重なった時。 または、最低な時の無償の優しさ。 私は、そんな温もりをあげられる優しい人間になりたかった。そう育てられてきた。 だけど、優しい人間は損をする。それに付け加えて私は、凄く弱虫だった。 "みんなに優しくする"というのは、どうしようも無い奴にも見返りを求めずひたすらに優しく向き合うという事に他ならない。 お人好しだった私は、腹をナイフで抉られているのにも関わらず、抱きしめ続けた。 優しくあれば

          私に必要だったのは、映画の後の温もりだけかもしれない。

          「街の上で」感想

          ずっと観たかった映画があって、だけどずっと忙しなくて。隙間時間でドラマやらアニメやらは観るものの、長丁場の映画だけはずっと手を出せずにいた。 だって、映画を見る時くらい、部屋を真っ暗にして、何にも邪魔されずに、その世界に没頭したいじゃないか。 最近某ウイルスに感染して、時が来た。 「街の上で」 ずっと観たかった映画。 古着屋の主人公の平凡な下北沢での日常を描いた物語。その感想をここに記しておく。 映画を観た後に、余韻に浸りながら頂く煙草が好きで、その至福のひとときに感

          「街の上で」感想

          私の神様

          「尾崎世界観」 私の、神様について。 私がまだ、真っ直ぐで泣き虫な少女だった頃、あれこれあって、人間不信(気味)になってしまった。 そんな私を救ってくれたのが、クリープハイプの曲だった。 "音楽に救われた"と言っても間違いでは無いのだが、どちらかと言うと、歌詞が刺さった。 ただひたすらに、寄り添うような歌詞。 同じ経験を背負って泣いている曲とも、そんな人達を励ます為の曲とも違う。 私の中のグチャグチャを、ただ肯定してくれるような曲だと思った。 癖のある歌声に何度も救

          初めまして

          どうも、初めまして。 好きなバンドマンのnoteを読むためにアカウントを作りました。 折角だからこちらでも投稿しようと思います。 いつも書いてるファンシーな物語や猥談よりも、どちらかと言えば現実に近いものを。限りなくノンフィクションで。 あとは、日記や本編用のmemoにしようかと思ってます。 と言いつつ、気分で載せると思います。 因みに、他で宣伝するつもりは無いです。

          初めまして