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アンチワーク哲学 初級者テストができていた【アンチワーク哲学】

少し前に、彦八さんがAIでアンチワーク哲学のテストをつくってくれた。感謝。

みているとなんだか学生時代に戻った気分にあれて、なんかおもしろい。あとけっこうクオリティも高かった。

ちなみに学習素材は『14歳からのアンチワーク哲学』だけらしい。それだけでこれだけつくれるらしい。びっくりである。

※僕はAIは労働を代替しないし、過大評価されていると考えているが、テクノフォビアではないし、使えるものは使う。なので、こうして新しいテクノロジーを活用して、支援していただけることは嬉しいのだ。

せっかくつくっていただいたので、ちょっと見ていきたい。


問1. アンチワーク哲学において、労働はどのように定義されているか?

A. 生産的な活動
B. 他者より強制される不愉快な営み
C. 自己実現のための手段
D. 社会に必要不可欠な仕事

答え. B

これは1問目に相応しい良問。労働をどう定義するかはアンチワーク哲学における中心問題なのだから。、一見A、C、Dも正解っぽいが「アンチワーク哲学においてどう定義するか?」なら、この回答には異論はない。いい質問だ。


問2. アンチワーク哲学では、人間の本質的な欲望の対象は何だと考えられているか?

A. お金
B. 権力
C. 変化
D. 永遠の命

答え. C

これもいい問題。お金や権力といったものも人間は欲望するが、根本的には変化を起こすことが人間の行動原理であると、アンチワーク哲学では考えられている。これは現代において支配的な利己的遺伝子論的な性悪説を否定しつつも、逆張りとして性悪説を唱えるでもなく、「変化を欲望する」という根本的な人間理解を提供する。これもアンチワーク哲学の根幹となる理論の一つである。


問3. アンチワーク哲学が目指す理想の社会はどのようなものか?

A. 資本主義が発展した社会
B. 共産主義が実現した社会
C. 労働のない社会
D. 機械が支配する社会

答え. C

これも悪くない。だが、微妙に異論がある。たしかに目指すのは労働のない社会だが、実を言うと共産主義が実現した社会(国家が廃絶され必要に応じて与えられ、能力に応じて貢献する社会)は、労働なき世界に限りなく近いからだ。もちろん共産主義とは共産党一党独裁というプロセスを経由するという点で決定的に方針が異なるわけだが、最終到達点は実は似通っている。

またDの機械が支配する社会は「AIやロボットが発展し人々が生産活動から解放された社会」といった引っ掛けを用意しておくとよりいい。労働なき世界というスローガンはそのような勘違いを招きやすいが、そうではないのだ。


問4. アンチワーク哲学では、現代の教育はどのような目的になっていると考えられているか?

A. 全員が大学に行くため
B. 競争に勝つため
C. より多くの科目を学ぶため
D. 学歴を得るため

答え. B

これも悪くない。だが厳密に言えば「D. 学歴を得るため」も正解と言えそうだ。アンチワーク哲学では「学歴という肩書の獲得競争」といった捉え方をしているのだから。


問5. アンチワーク哲学では、無意味な仕事を何と呼んでいるか?

A. ブルーカラーワーク
B. ホワイトカラーワーク
C. ブルシット・ジョブ
D. デッドエンドワーク

答え. C

これはあまりいい問題とは言えない。ブルシット・ジョブはアンチワーク哲学の用語ではないし、いまいち質問の意図が見えてこない。修正するなら、「アンチワーク哲学では、特にどのような仕事がなくなっても問題ないと考えられているか?」といったところだろうか。


問6. アンチワーク哲学が考える資本主義社会における「お金持ち」の特徴は何か?

A. 貢献度が高い
B. 運が良い
C. 政治活動が上手い
D. 努力家

答え. C

これは少し曖昧さが残る問題である。実際、収入には運や努力、貢献度の要素も絡んでいると思われる。「収入にもっとも影響を与える要素はなんだと考えられるか?」といったあたりが妥当だろうか(といっても、「政治活動」はお金を集める行為なので、「政治活動の上手さが収入に影響を与える」とはほとんどトートロジーなわけだが)。


問7. アンチワーク哲学では、環境問題の解決策として何を提案しているか?

A. 電気自動車を導入すること
B. ペットボトルをリサイクルすること
C. 食べ残しを減らすこと
D. ベーシックインカムを導入すること

答え. D

これはいい問題。ちょっと、補足説明が必要そうだけれども。


問8. アンチワーク哲学が主張する「貨幣の価値」の本質は何か?

A. 商品の価値を表すもの
B. 交換の媒体
C. 富の蓄積手段
D. 他者を貢献させる力

答え. D

これもいい問題。「力」を「権力」と書いた方がもっといい。


問9. アンチワーク哲学では、なぜ人々は労働を嫌うようになったと考えられているか?

A. 労働が辛いから
B. 労働が退屈だから
C. 強制されるから
D. 報酬が少ないから

答え. C

これも意図としては悪くない問題だ。だが、そもそも労働=強制と定義している以上、Cはほぼ説明になっていないし、「労働が辛いから」「労働が退屈だから」も、回答としては妥当だ。なので、「現代において人間が生産活動を嫌う傾向にある理由はなんだと考えられるか?」といった質問の方がより的確だろう。


問10. アンチワーク哲学が提唱する「力への意志」とは何を指すか?

A. 他者を支配しようとする欲望
B. 変化を起こす能力を増大させるエネルギー
C. 競争に勝とうとする意欲
D. 権力を得ようとする野心

答え. B

これは良い問題。ニーチェファンには怒られるだろうが、いい問題だ。


問11. アンチワーク哲学では、人間の本質的な特徴として何が挙げられているか?

A. 利己的であること
B. 合理的であること
C. 助け合いを好むこと
D. 競争を好むこと

答え. C

これは検討の余地ありだ。人は利己的でもあるし、合理的でもあるし、競争を好む側面もある。アンチワーク哲学では助け合いを好むという側面を強調して語っているが、それは利己的な側面ばかりがフォーカスされる現代の常識に対して、よりフラットな視点を導入しようとしているからであり、完全な性善説を唱えているわけではない。「助け合いや貢献はなぜ生じると考えられるか? A.正義感 B.道徳の追求 C.ルールやマナーの順守 D.欲望の追求」といった問いの方が、よりアンチワーク哲学の意図が伝わると思われる。


問12. アンチワーク哲学では、「政治活動」をどのように定義しているか?

A. 選挙活動
B. 政党活動
C. 金を得るための活動
D. 社会運動

答え. C

これは定義問題なので異論なしである。いい問題だ。


問13. アンチワーク哲学では、「経済活動」の例として何が挙げられているか?

A. 広告
B. 営業
C. 株式投資
D. 農業

答え. D

これもいい問題である。いい。


問14. アンチワーク哲学が考える、現代社会の主な問題点は何か?

A. 教育が不十分
B. 技術革新が遅い
C. 芸術が軽視されている
D. 無意味な労働が蔓延している

答え. D

悪くない。が、Dはブルシット・ジョブのみを問題視しているような印象があるので、労働全般を批判するアンチワーク哲学の解釈とは微妙に外れる気がする。


問15. アンチワーク哲学では、「アンダーマイニング効果」とは何を指すか?

A. 報酬によって内発的動機づけが損なわれること
B. 過度の競争による弊害
C. 資本主義の限界
D. 環境破壊の加速

答え. A

これはアンチワーク哲学の用語でもないので、その点は訂正する必要があるものの、いい。


問16. アンチワーク哲学では、人間が本来持っている「貢献欲」をどのように捉えているか?

A. 存在しないもの
B. 抑圧されているもの
C. 教育によって培われるもの
D. 資本主義によって歪められたもの

答え. B

これもいい問題。ただし、Cの側面も否定しているわけではないし、Dの側面もあると思われる。ので若干改善の余地はありそうだ。


問17. アンチワーク哲学が提唱する「ベーシックインカム」とは何か?

A. 最低賃金制度
B. 福祉制度の一種
C. 全国民に一定額を支給する制度
D. negative income taxの一種

答え. C

これはちょっと悪問である。福祉制度の一種でもあるのだし、そもそもBIの定義を問う意図が分かりづらい。「ベーシックインカム導入の狙いはなにか? 答え.支配からの解放」といった質問の方がよさそうだ。


問18. アンチワーク哲学では、「お金」をどのようなものだと考えているか?

A. 富の尺度
B. 幸福の源泉
C. 社会の潤滑油
D. 人を貢献させるための強制の手段

答え. D

問8と被っているが、いい問題である。が、潤滑油でもあるし、富の尺度でもあってその点を否定しているわけでもないので、ちょっと工夫して問題をつくった方がよさそうだ。



問19. アンチワーク哲学では、狩猟採集時代の労働をどのように評価しているか?

A. 単純作業は労働ではない
B. 余暇と労働の区別がない
C. 効率的ではない
D. 現代の労働より苦痛が少ない

答え. B

Dも正答であるような気もするが、狙いは悪くない問題だ。


問20. アンチワーク哲学が主張しているのは、人々の行動を主に何が動機づけていると考えられているか?

A. 自発的な欲望
B. 社会的な承認
C. 金銭的報酬
D. 法律と規則

答え. A

狙いは悪くないが、微調整が必要だろう。「人間の行動原理の根幹はなにであると考えられるか? A.自発的に欲望を追求すること」といった形の方が、より的確だろう。


これにてテストのテストは完了である。

多少辛口評価したところもあるが、本一冊だけでこれだけの問題集をつくれるなら、すごい。人間が最後にみて微調整するだけで普通にいいテストがつくれそうだ。ちゃんとしたやつをつくってみようかしら(アンチワーク哲学は別にテストして覚えてもらう必要はないのだけれどネタとして)。ちなみに中級編もあるので、また近いうちに紹介したい。

ディスコ―ドのコミュニティでは、たまにこういう遊び心溢れたの貢献活動が発生している。こういうおもしろい出来事を目撃したい方は、ぜひ参加してもらえると嬉しい。

あらためて、つくってくれた彦八さんに感謝!

1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!