祝!『労働なき世界』出版&著者解説&あれこれ
「おめでとうございます!あなたの本が出版されました」というメールが来てからはや7日。長かった。ようやくAmazonで買えるようになった。
(Amazonの仕様では本当は5日らしいのだけれど、たぶん向こうのミスでこんなに時間がかかった。クレームを入れて返事が来る前にしれっと購入可能になっていたわけだが、なんなのだろうか・・・)
※その経緯はこちら
ペーパーバックとKindle、頑張って両方作った。初めはPDF入稿のペーパーバック前提で作っていたので、その内容をWordなどのテキストデータ入稿のKindleでやるとぐちゃぐちゃになったので、レイアウト調整に試行錯誤したものの、とりあえずどちらも出せた。個人的にはペーパーバックの方が上手くできてるんじゃないかと思う。パソコン苦手。
といっても、まだ僕はペーパーバックを一度も手にしていない。早く出したかったので、校正刷りすらせずに見切り発車している。まぁでも品質は大丈夫でしょう。プレビューチェックしたし。
というわけでペーパーバック版もKindle版も買える状態にある。
■で、結局なんの本なのかと言えば‥
3種類くらいの読み方ができると思う。
それは‥
1.ベーシック・インカムをやろうぜ!っていう本
僕はベーシック・インカム至上主義者で、BIで貧困から犯罪、少子化、健康、環境といった社会課題の大半はなんとかなると思っているタイプの人間だ。4章でBIについて語ったわけだが、他の箇所は全てその準備だと言ってもいい。
最近はベーシック・インカム信者も増えてきていると思うが、個人的にBI信者の理論武装は、細々と防弾チョッキを改良しているような段階にあると感じる。
僕は最新鋭の防弾チョッキではなく、核爆弾を提供したつもりだ。BI反対論者に細々と抵抗するのではなく、一発落としてケリをつける。そんな勢いで文章を書いた。
BIのようなインパクトがあり、前例がほぼないような政策について議論することは、事態を何も進めないのに等しい。議論すれば「大変なことになる可能性がある」という結論に至るに決まっているからだ。現状が仮に大変なことになっていたとしても、少なくとも成立している。しかし、BIを導入した途端に日本が北斗の拳の世界になる可能性は誰も否定できない。故に、議論は現状側の勝利が確実である。
だからこそ宗教的な妄信と清水の舞台から飛び降りる勢いが必要なのである。そういう勢いを僕はこの本で提示したかった。
2.働きたくない人のための宗教書
僕はヨカ神に選ばれたヨカ教の預言者を自称しているわけだが、その説法とか、理論的バックアップとして読んでもいい。幕間でヨカ教に関するあれこれを挿入していて、普通の人からすれば「あ、この人ヤバい人だ」となるかもしれないが、そういうリスクを犯してでも、宗教的なカラーは出したかった。おもしろ半分だが。
哲学や思想が世界を変えたことはない。世界を変えられるのは宗教だけだ。哲学はぜんぶ説明しようとするが、宗教は大事なところだけを説明しない。大事なところは説明する必要がないと思わせるのが宗教だ。
僕は他の何を犠牲にしてでも余暇を追求することを至上目的に据えることで、人類社会が幸せになると考えている。だから宗教が必要だったのだ。
3.労働社会を批判する思想書
説明する必要がないとか言いつつ、なんやかんや説明してしまうのが僕の悪い癖だ。結局、思想書と宗教書のどっちつかずの本になってしまった印象は否めない。だが、僕にとってこれは初めての著作で、テーマを絞るよりはスマブラ的なお祭り騒ぎにしたかった。だからあれこれ説明した。そして、あっちもこっちも引用して、インテリをちょろまかそうとした(引用して注を入れる目的は、その出典を読者に確認させることではもちろんない。僕がたくさん本を読んでいたり、たくさんの情報源にあたっていたりすることを仄めかすことで、僕が頓珍漢なことを言っているわけではないとアピールするためである。仮に僕が言っていることが理解できないのだとしても、それは僕が馬鹿だからではなく、あなたの勉強不足なのですよ、というわけだ)。
インテリをちょろまかすのは簡単である。意味不明なことを書いておけば彼らは知ったかぶりをするのだから。わかりやすく書こうとすると、ツッコミを入れられる。だからところどころニーチェ風に書いておいた。ニーチェにツッコミを入れられるのはバカだけである。多くの人はバカになれない。
■まぁ要するにこういう人に読んでほしい
「このホモ・ネーモとかいうやつ、オモロい記事書いてるやんけ」と思ってくれている人
ベーシック・インカム信者の人
働きたくない人
働かなくて済む理由を探している人
社会に不満だらけの人
信仰する宗教を探している人
金と本棚のスペースが余って仕方ない人
面白半分で変なこと書いてる本が読みたい人
そんなこんなでよろしく。
■素人出版の可能性について
素人が在庫を抱えることなく気楽に出版できる仕組みを作ってくれたアマゾンさんには正直感謝している。
これがプラットフォームとして拡大していけばアマゾンさんは支配者として税金を取り立て続けられるわけだが、正直本を出そうなどという物好きは大した数にはならないと思うし、素人の本を買う人もそんなにはいないだろうし、要はアマゾンさんは大して利益出てないんじゃないかと思う。
それでもやってくれたのは、本屋としてスタートしたアマゾンの使命感みたいなものもあったんじゃなかろうか。ジェフベゾスは嫌いだけど、そういうところは嫌いじゃない。
素人が出版するということは、つまり玉石混淆だ。だが、今の出版業会を見ているとプロの本すら玉石混交なのだ。ライトなビジネス書の大半は他の本をコピペしたようなゴミであり、作者の知名度による話題性で出版社が小銭稼ぎをしているだけに過ぎない。ホリエモンがAIで本を書いたのは示唆的である。ビジネス書なんてAIで書けると宣言しているようなものなのだから。AIが書けるということは、その文章はありきたりな記述の切り貼りに過ぎないことを意味する。
だから、小銭を稼ぐ必要のない素人の趣味活動的出版の方が、ユニークなものが出てくる可能性はあるのではないだろうか? もちろん学術的な厳密さの欠如や、誤字脱字、レイアウトの不具合など、素人ならではの欠点はある(その点は僕も自覚がある)。それでも、言論そのもののユニークさは揺るがないだろう。繰り返すが玉石混交である。しかし、僕の本は玉だ(自画自賛)。僕の本が出てきたことはKindleダイレクトパブリックの1つの達成だと言っていい(自画自賛)。
■ちなみに金の話をすると‥
ペーパーバック版は印刷コストやらなんやらを差っ引かれ、1冊売れて利益が60円くらい。Kindle版の利益は600円とかそこら。限界費用がゼロだからね。仕方ないね。でも、やっぱり「紙の本を読みなよ」(by槙島聖護)なのだ。電子書籍は味気ない。
別にこれで生計を立てるつもりはないけど、計算はしてしまう。100冊売れて6000円、1000冊売れても6万円、1万冊売れてようやく60万円だ。1万冊売れる本なんて日本で年間何冊だろうか。生計を立てたければKindle版で「Kindle出版での金の稼ぎ方」をレクチャーしてるのごいいのだろうね。その本の内容は「Kindleで金を稼ぐ方法は、Kindle出版で金の稼ぎ方をレクチャーすることだ!」という結論になるのだけれど。
■まとめると‥
ともかく読んでくれると嬉しいのである。そして頷いてほしいのである。間違っても反論や批判をAmazonのレビューに書くようなことはやめていただきたい。そんなことをしても僕は躍起になって反論し返して、あなたをうんざりさせるだけだ。僕は良い評価しか聞きたくないのである。批判なんて気持ちよくないし、たいてい批判されるような内容は自覚していることがほとんどなのだから。そんなに仲良くないJK同士の会話のように相互承認を繰り返せば良いのである。あなたは間違ってないし、僕も間違ってない。
もちろん僕は社会の多数派に反する意見を書いているわけで、それはつまり多数派の意見を変えたいことを意味する。ならば批判も甘んじて受け入れるべきなのかもしれない。しかし、どのみち批判してくるような人の意見を変えられるわけがないことは、30年以上の人生で学んできた。僕ができることがあるとすれば、僕と似たようなことを考えている人に、似たようなことを伝えるだけである。
※もちろん冗談である。言論の自由万歳!
以上。そんなこんなでよろしく!
※この本が出るまでのあれこれはこのマガジンを参照ということで。
※江草さんがナイスな書評を書いてくれたのでこちらもぜひ!
1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!