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太鼓持ち積極採用中! アットホームな職場です【雑記】

自分という人生の映画が上映されているような感覚の中、自分の一挙手一投足の滑稽さと的外れっぷりにイマジナリー観客たちが失笑している状況を想像して「おれなにやってんだろ・・・」と十分おきに自己嫌悪に陥る現象は、みなさんにも馴染み深い経験だと思う。

最近の僕はそんな感覚にずっと浸っていた。十分おきと言わず、常時浸っていた。そのせいでメンタル的に少しやられていた。とはいえ、ここ何日かは褒めてもらえることが多くて、すっかり回復したのである。

やはり人間には必要なのだ。「おれがやっていることは間違っていない」という確信が。

年齢や性別にかかわらず、「自分は世界の理をすべて知り、行動にはなんの矛盾もなく、考え得る限りもっとも合理的な行動をとっている」という顔をしている人は多い。人口の半分くらいは、そんな顔をして生きているような気がする。本心は知らない。でも、通勤電車に揺られているサラリーマンは「自分がいま通勤電車に揺られているのには、確固たる理由があるし、なにも恥ずかしいことはしていない」と確信しているのはあきらかだろう。

彼らの確信を承認する装置には事欠かない。社員証が、学歴が、上司や同僚や部下が、取引先が、家族や友人が、毎月振り込まれる給料が、資格が、ありとあらゆる存在が、彼の確信に根拠を与えている。

かたや僕の方はどうか? 僕は労働撲滅という特定業務を遂行するための技能を証明する第一種労働撲滅免許なる国家資格を所持しているわけでもないし、給料も振り込まれない。となると「自分は正しいことをしているのだ」という確信が確信を得るためには、周りの人たちの声が必要不可欠なのだ。

まとも書房が最初に人を雇うのなら、太鼓持ちの専門職を雇うことにしよう。「あなたがやっていることは間違っていないし、価値のあることです! あなたにしかできないことなのです! あなたには才能があります! あなたは素晴らしい人格者です!」とほめ続ける仕事だ。さすがにフルタイム勤務は大変なので、週3で1日4時間くらいでいい。リモートワーク応相談。アットホームな職場です(だって、ここ家だし)。

そうなると今度は、彼の仕事がブルシット・ジョブすぎて、彼自身が自己嫌悪に陥るかもしれない。となると、次は僕が彼のことをほめればいい。「あなたの仕事は必要です!」と。

僕が彼をほめ、彼が僕をほめる。太鼓持ちの合わせ鏡の完成である。

・・・というのはまぁ半分冗談で半分本気である。定期的にほめられないと、僕はやっていけないのである。「おれすげぇ」したいのである。そうしてくれたなら、僕はお返しにほめる。ウィンウィンである。人間関係って、そういうものなのだろうなぁ。しらんけど。

1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!