やりたいことが多すぎて、何もできない日

「今日、実家帰るわ」

既婚者男性が待ち侘びている言葉、堂々の第一位であるこの言葉。幸いなことに僕は今日、この言葉を聞くことができた。

というわけで今は家で1人。『クレヨンしんちゃん』の、しんのすけが1人でお留守番をする話で、みさえが出かけた瞬間しんのすけは奇声を上げながらダイニングテーブルの上を転げ回った。あれと同じ気持ちだ。

やりたいことは無限にある。「やりたいことリスト」を作るだけで、1日が終わるんじゃないかと思うくらいに。

しかし、そう思うと、やらずにはいられなくなってくる。「やりたいことリスト作り」。やろうかな。どうしようかな。うん、やってみよう。

貴重な休日(比喩的な意味で)を浪費する愚行だと人は笑うだろう。だが、休日とは、時間を浪費してこそ、真の価値を発揮するもの。何の生産性もない行為に、思い付いたまま没頭することこそ、真の意味で生産的な活動となるのだ。

ちょうど今、ランチ用にピザを焼いていて、10分ほど時間が余っている。やってみよう。


【読書編】

■日本史

今、僕の中でホットなテーマはいくつかある。縄文時代の暮らしと、江戸時代の暮らしと、太平洋戦争中の暮らしだ。縄文時代は、定住しながら農耕も国家も戦争もなく(1万年で、他殺体は20体ほどしか見つかっていないらしい)、おそらく1日4時間ほどしか働かず、過剰デザインとも言われる無駄に技巧を凝らした土器に象徴される平和で牧歌的な時代のように見える。多少、縄文の芝は青く見えていることを考慮しても、明らかに僕が目指すライフスタイルに近い。あと、江戸時代も循環型社会であったことは有名で、かねがね深掘りしたいテーマだった。戦時中の暮らしというのは、主に疎開生活についてで、疎開という状況を知れば、自給自足生活のヒントが得られるのではないかと思っている。

僕はこういう庶民の歴史を知りたい。文字通りの意味の「歴史」とは常に国家が用意するものだ。そうではない、地図の中から世界を見ている人の歴史を知りたいのだよ。


■自然科学系

最近は、菌類の本やハナバチの本、土壌の本を読んだ。菌類の本を読んでいる中で、藻や地衣類についても学んでみたいと思っている。全体は部分の寄せ集めではないものの、部分を知ることは全体を知るとっかかりにはなるはずだ。自然の循環を知るためには、自然と向き合うことも大事だけれど、自然と向き合ってきた人たちの思考方法をインストールする方が手っ取り早い。

…と、いかにも功利主義的に論を展開してきたが、単純に自然科学系の学術書は面白い。僕が読むのは一般向けの学術書なので、いわゆる「詩人向け」の書き方がしてあるケースが多く、単純に楽しいのだよ。

■哲学系

先日、ハイデガーをこきおろしたばかりなのだが、なんだかんだ『存在と時間』を読みたくなっている。

あとついでに、アーレントとか、その辺りのハイデガーに連なる人たちの本も読んでみたいのだ。あと、本棚に眠ったままの『精神現象学』にもそろそろ取り組み始めたいところだ。

■経済系

僕は左翼気質があって、現代の経済システムを馬鹿にしまくっている割に、知識不足なところがある。僕はGDPの計算方法に一貫性がないと感じているが、しっかり勉強すれば一貫性があると理解できるのかもしれない。あと、ベーシックインカム至上主義者でありながら、マクロ経済がよくわかっていない。敵を知れと孫子大先生も大昔に言っていたわけだし、もうちょっと体型的に経済を勉強しようかと思っている。


【農業編】

本当は、居候している畑に、もっと頻繁に通いたいのだけれど、少し距離があってあまり通えていない。たまに行っては水をやり、種を蒔き、草を刈る程度だ。もっとやりたいことはたくさんある。

■ライ麦

ライ麦って、小麦のふりをした畑の雑草が生き延びた姿らしい。だからドイツのような寒い国でもよく育つのだそう。

ハイジは、ライ麦パンが硬くて食べられないペーターのお婆さんのために、小麦でできた白パンをプレゼントすべく右往左往していたが、僕はライ麦パンを楽しく食べたい。

だって育てるのが簡単だし、どうやらビタミンB郡などヴィーガンが不足しがちな栄養素が多いらしいのだ。僕の歯はまだまだ健全なので、ライ麦パンでも十分に楽しめるはずだ。

あと、ビールも作ってみたい。黒ビールを毎日楽しみたいのだよ。

■果樹

葡萄の木を植えてワインを作ってみたいし、りんごを植えてシードルも作りたい。これは家の前で育ててみたいね。

■コメ

実は田んぼも余っているので、コメも作りたいのだけれど、そこまでの時間もない。福岡正信式の自然農でハッピーヒルのような陸稲でやれば、楽だろうか。ハッピーヒルはまずいらしいけどw


【日曜大工編】

■サンルーム作り

洗濯物は最近部屋干ししているので、ボロボロのベランダが余っている。そこそこ日当たりがいいのだ。そこを改造してサンルームにしたいのだ。そこで室内向けの野菜を育てるのだ。

■きのこ栽培室作り

一部屋余っているので、そこできのこを育てたい。平茸は、割と簡単に育つらしいし、なんなら使用済みのオムツでも育てられるらしい。流石にそれは難易度が高いとしても、きのこをつくってみたいのだ。そのためには部屋を整理して、改造しなければならない。

■プラスチック再生工場作り

プレシャスプラスチックというイカしたムーブメントをご存知だろうか。プラスチックをリサイクルする方法をオープンソース化してくれているので、それを真似して色々やってみたい。


【音楽編】

■ラップ作り

僕には昔から、友達の悪口や参加した合コンの愚痴を、ラップにして友達に送るという習慣がある。しかし最近はほとんど活動できていない。アプリで作ったはいいけど、リリックを載せていないトラックも山のようにある。

■楽器

随分前に売ってしまったがギターを弾きたい。やったことないけど、ピアノを弾きたい。


【エンタメ編】

■ゲーム・映画・アニメ

やりたいゲームも、観たい映画・アニメも、無限にある。これはみんな同じだよねぇ。

■ボードゲーム

僕はオリジナルのボードゲームを作るのが好きなのだ。プレイするよりも、作る方が好きだ。年1くらいのペースで新作を作りたいところなのだが、最近はなかなか手がつけられない。

■小説・詩

書きたい。特に自然派SFを書きたいのだ。


【まとめ】

とっくにピザは焼けた。ピザを食いながら考えていたら、やりたいことなんて無限に思いつきそうだ。

「やりたいこと」は、そのほとんどが未遂に終わる。「やりたい!」と思った時が最も熱量が高く、その後、それが寝かせられているうちに、どんどん熱量が下がっていくのが人間というものだ。未遂に終わるのは当たり前なのかもしれない。

人間にとって、もっとも理想的な生き方は、「やりたい」と思ったときに、即実践できることだ。2歳の息子は、いつもそんな風に生きている。手を洗えばアイスクリームを食べる許可が出るというのに、手を洗うことを頑なに拒否する。「俺は手を洗いたいんじゃない、アイスを食べたいんだ!」という具合に。常に、イマというほうき星を追いかけているわけだ。

(ファミレスのおもちゃコーナーや、ガチャガチャコーナーは、この子どもの性質を悪い方向に利用したものだ。イマ、このおもちゃで遊びたいという衝動を、子どもは抑えない。そして、イマが過ぎればすぐに飽きて、家はプラスチックのガラクタで溢れかえる。)

やりたいことを全部やれとホリエモンはいつも言っているが、あながち、それもいいのかもしれない。一周回ってホリエモン信者になろうかしら。

さて、まだまだ時間はある。今日は何をしようかな。とりあえず、眠たくなってきたから昼寝しよう。

イマ、やりたいことをやる。それが一番楽しい生き方なんだから。

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