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ベーシックインカム時代には『ホグワーツ・レガシー』は量産されるか

久しぶりに夜中の3時半までゲームをプレイした。9時半から始めたので6時間ほどやっていた計算だ。

正直、大学生の頃なら24時間ぶっ通しでゲームをしているようなこともあった。その頃から考えれば、大したことのない没入っぷりなわけだが、それでもこれだけ僕を夢中にさせる魅力が『ホグワーツ・レガシー』にはある。マップは広大でもサクサク作動し、戦闘にもストレスはなく、ゲームバランスは良好。ダンジョンもダレない程度に作り込まれていて、様々なやり込み要素もある。僕のようなライトなゲームプレイヤーから、玄人まで納得させるクオリティではないだろうか。

僕はその魅力の根本は、「ハリーポッターの世界を踏襲していること」に由来すると考えている。

「いやいや、違うだろ」と、実際にプレイした人なら感じると思う。これはもはやハリーポッターの皮を被ったスタイリッシュアクションゲームであると、多くの人は結論づけたのではないだろうか。その味方には僕も同意する。しかし、スタイリッシュアクションゲームとしての品質を確保するためには、「このゲームはハリーポッターの世界を踏襲している」というマーケティングのシンボルが必要だったと僕は考えている。

要するに、売れるとわかっているから、制作会社の利潤やゲームクリエイターの生活のことを度外視して、本気でゲームを作り込めたのだ。

仮にこれが全くの新作タイトルであったなら、ゲームの制作会社はマーケティング費用と製作費のにらめっこに時間を費やして、ギリギリのスケジュールと予算で、低クオリティのゲームを制作してしまっていた可能性が高い。

僕は次のように考えずにはいられなかった。『ホグワーツ・レガシー』のようなゲームは、ベーシック・インカムが実現したなら、今以上に量産されるのではないか、と。

ベーシック・インカムが実現すれば、人々は採算度外視でゲーム作りに没頭できる。なぜなら、ゲームが売れなくても路頭に迷うことがないからだ。これは「ゲームが必ず売れる」と確信しながら制作するのと、ほとんど同じような効果が生じるのではないかと思う。

もちろん会社が倒産するリスクもあるにはあるので、ベーシック・インカムの制度設計には工夫が必要だろうが、それでもやはり「未来永劫、絶対に食うに困らない」という安心感は、人の創造性を高めないわけがない。

実際、いろんな懸念はある。それでも、ホグワーツ・レガシーが大量生産される世界のためなら(もちろんそれだけのためではないが)、僕は全人類の命運を賭けてもいいんじゃないかと思う。

そして僕は仕事を休み、24時間ぶっ通しでゲームをするかもしれない。いや、子育てもあるので、そう簡単ではないが、12時間くらいならできるはずだ。

そういえば、もうすぐ僕は育休を取るんだった。子育ての合間に、12時間くらいやるわ。

1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!