見出し画像

人に仕事を教えるのは難しいね

転職する前、僕は人に仕事を教えた。転職した後、僕は人に仕事を教えてもらっている。

僕はできるだけ、以下の順序で仕事を教えてきたつもりだ。

  1. これから取り組む仕事が何かの、大枠を説明する(例、今から在庫用の品物を箱詰めして、棚にしまいます)

  2. 細かいオペレーションを伝える(例、まずは商品をここに用意して、さらに箱を用意してから、数を数えて詰めていきます)

  3. 注意点などを伝える(例、箱詰めのときは軍手を外して作業してください)

  4. 注意点の理由を伝える(例、なぜなら、箱が汚れる可能性があるからです)

仕事の大枠をまず把握してもらわなければ、細かいオペレーションが何のためのものなのか理解できず、指示通りに作業するだけになってしまう。また、なぜそのオペレーションが存在するのかを把握できない。それに、大枠を把握してさえいれば、それに沿った形で、教える相手が創意工夫する可能性が生まれる。だから、僕は1を初めに伝え、最後に4までをしっかり伝えるという順序をなぞってきた。

一方で、今の職場では、1と4をすっ飛ばして、2と3だけを教えられるケースが多い。そうなると僕は一体何のための作業なのか理解しないまま、作業をしなければならなくなる。

言うなれば、将棋のルールを説明されるときに、「コマを動かして王を取った方が勝つゲーム」と説明を開始されるのと、「歩兵は前にしか進めなくて、奥から3列目につけば金に成って‥」と説明を開始される違いだ。

かったるいので、僕は「これから在庫用の箱詰作業を行うのですか?」「軍手を外すのは、箱を汚さないためですか?」と確認するようにしている。目的や理由を教えてもらえることもあれば、「まぁええから言われた通りにやっといて」と言わんばかりに軽くあしらわれることもある。

オペレーションばかりを伝える人のことを、僕は「教えるのが下手な人」と定義する。体育会系の謎ルールや、暗記科目化した数学は、教えるのが下手な人の手口をなぞっているように思える。

たしかに、オペレーションを丸暗記すれば、何も考えずに済む。だが、丸暗記は効率が悪い。それに、何も考えたくない人なんていないと、僕は思っている。たしかに一見何も考えていない人はいるが、それは単に怒られるのが嫌なだけだ。怒られるリスクを冒すくらいなら、「言われた通りにやっただけですから」と言い訳を用意していたい気持ちもわからないでもない。

まぁ僕は別に怒られるようなことはないし、怒られることも怖いとは思わない。だから、目的を聞いて、自分なりに工夫したいのだ。

ただ、ある程度慣れれば、好きにオペレーションを工夫できるフェーズがやってくるだろう。それまでは辛抱強く、マイクロマネジメントに甘んじたり、甘んじなかったりしようと思う。

人に仕事を教えるのは難しい。今教えられる立場になってみて、僕は上手く教えられたかどうか、わからなくなってきた。どうだろうね。

ともかく、そんな感じで。先輩諸君は気をつけてね。

1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!