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もはや、ひとり出版社ではない【出版社を作ろう16】
今後「ひとり出版社」というほんのりキャッチーなワードは使わないことを、ここに宣言しようと思う。
なぜなら、もはや「ひとり出版社」を名乗れる状況ではなくなってきたからだ。僕を合わせて34名の方が、出版社立ち上げプロジェクトに参加してくれているのだから。想像以上に来てくれて僕はびっくりしている。
僕とずっとやり取りしているツーカーのフォロワー。陰でひっそり見守ってくれていた控えめフォロワー。ニートマガジンでご一緒しているニートたち。炎上系(?)YouTuberに教育系(?)YouTuber。出版業の同志。オリジナルスポーツをつくって普及させようとする人。ベーシックインカムをシミュレーションする独自サービスをつくっている人。僕と同じく適応障害で休職中の方もいれば、起業経験やIPO経験のある方まで様々。一言で表現するなら「カオス」としか言いようがない。
おそらく、このメンツが集まっているのは、世界広しといえどこの場所しかない。
もともとコミュニティを始める前は、「本の誤字脱字をみてもらうくらいかなぁ」なんて思っていたが、あれもこれも様々なテーマについて相談を投げかけ、様々な意見をもらっている。それだけではなく、巻末の解説文を書いてもらい、表紙や挿絵のイラストも手掛けてもらった。「出資しまっせー」「車ぐらいなら出しまっせー」というありがたい声もいただいている状況だ。
※参加者の方々からも、宣伝、感想、いろんな声を頂いている。感謝!
さて、こうなってくると状況もカオスである。
僕が営業をかけようとするイマジナリー書店オーナーは、細々、コツコツひとり出版社を好んでいる。「おぉ、大変やろけど頑張ってや兄ちゃん!応援しとるで!」みたいな感じだ。ところが僕の背後には30名以上のバックがついているわけで、「四畳半起業を応援する」的な感涙エピソードに回収しづらいのだ。かといって、「出版社の編集がコネを生かして独立します!」という優等生コースに乗っかれるわけでもない。
そういえば僕はこの前、自分の人生を説明する方法がわからないという記事を書いた。
あの現象はどうやらこれからも続くらしい。「なんかよくわからないが30人以上の方に応援されながら、出版社を立ち上げるよくわからないやつ」をすんなり収める一般的なストーリーはどこにもない。
でも、その方がいい。未踏の荒野を進んでいる感覚はゾクゾクする。僕は線路の上を歩くことに嫌気がさして、会社からドロップアウトした。ドロップアウトした先にも「出版社はこういうもんやから」とか「起業ってこういうもんやから」という線路が続いているなら何の意味もない。
僕はもしかしたらずっとこういう風に生きたかったのかもしれない。32年の人生で抱き続けたもやもやは、息苦しい水槽の中に閉じ込められていた欲望が呼吸を求めていただけなのかもしれない。でも僕はもう、水を得た魚ではなく、海を得た魚だ。自由に泳ごう。
そのために、もう少し準備が必要だ。靴を履いて、顔を洗って、今日もやっていこうか。
1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!