『ファンタスティックビーストとダンブルドアの秘密』を観たんだが‥

いやぁ、酷い映画だった。

何が酷いってシナリオが酷い。中学生の二次創作小説を継ぎはぎにしたパッチワークのようなシナリオだった。小説家になろうに初めて投稿する中学生でも、もう少しマシなシナリオを書くよ。

2作目で散々引っ張り倒したクリーデンスの出生の秘密はあっさりと明かされなんの説得力もないペラペラの感動の再会を見せつけられたかと思えば、クイニーの裏切りは無かったことになった。存在感皆無のヒロインは打ち上げにだけ参加しに来たお調子者と化し(大学の学祭にこういうやついたわ)、そもそもグリンデルバルド役のジョニーデップ降板してプーチンが登場して違和感満載だし、アバーフォースはロロノア・ゾロだし、血の誓いの設定はブレブレであっさり破られるし、ダンブルドア上げの無意味な麒麟さんのおじぎシーンは茶番だし、グリンデルバルドは犬夜叉の奈落みたいなことになってるし、もうグダグダ。

そもそも3部作の予定だった作品を5作に引き伸ばしている時点で無理があるのに、そこにブルシットなエグゼクティブたちが口を挟みまくったのだろうね。エンドロールで自信満々に名前が刻まれている人たちは、どんな顔をしているのやら。

『ダンブルドアの秘密』というタイトルは、それ自体が観る気を失せさせるものだった。純粋なエンタメとしての面白さを放棄して、コンテンツの持つパワーを切り崩して適当に伏線回収しておけばファンは喜ぶやろ‥という製作陣の思惑が透けて見えていた。

しかし、そのご自慢のタイトルすら消化不良に終わった。ダンブルドアの秘密がなんだったのか、よくわからなかった。まぁクリーデンスの出生のことなんだと思うけれど、正直「で?」としか思わなかった。「アルバス・ダンブルドアの秘密と思った?残念、違うんだよな〜」と、鼻高々のエグゼクティブの顔が思い浮かぶが「で?」という感じだ。

中途半端にヒトラーを思わせる演出が挟まれているのも、またイライラを誘う。単なるエンタメではなく民主主義の欠点という深いテーマをも読み取れる深淵な作品を気取っているが、グリンデルバルドが大衆に選ばれる過程がお粗末すぎてなんの深みも感じられなかった。最終的に女性リーダーが多様性ある社会を作っていくというくだりも、SDGs的なテンプレートのイデオロギーが強すぎて寒気がする(観客からすれば「お前誰?」って感じだ)。

結局、奈落のようにグリンデルバルドは逃げた。あと2作シリーズは続くらしい。5作目はグリンデルバルドを倒すとして、4作目なにすんの? パン屋さんの修行編でもやるつもりかね?

シリーズものの映画は大人が群がってつまらなくなりがちだ。そういえば『IT』もそうだった。『アバター』も、もしかしたら観なくていいかもね。

まぁ結論、冷やかし半分で観れば、クソ映画も楽しめる。クソ映画に出会った時は、こんな風に悪口を書くといいね。

感想を書き終えたら、なんだか満足できたよ。

この記事が参加している募集

週末プロジェクト

仕事について話そう

1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!