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Z世代を担ぎ上げる大人たち

この前の記事にも書いたけれど、Z世代の大学生にふるさと納税の返礼品を考えさせている自治体があるらしい。大人では持ち得ない、若い感性を活かしたアイデアを取り入れたいとのこと。

「そんなアイデアはない」というのが僕が今回言いたいことだ。なぜなら、大人に担がれたZ世代は「大人が思い描くZ世代が生み出すアイデア」しか生み出すことができないからだ。

Z世代は、SNSを駆使し、SDGsに敏感で、新しい創造力を持った新世代として登場した。もちろん、あらゆる世代論が的外れであるのと同様に、Z世代論も的外れだ。

しかし、Z世代側は大人たちの思い描く理想のZ世代像を演じる。実際に、自治体から貧相なイメージを押し付けられたZ世代たちは、大人たちの想像力に欠けたZ世代像に合わせて、SNSがどうとか、 SDGsがどうのとか言い始めた。「Z世代なら、こういうこと言いそうやな」というアイデアを出すわけだ。

おっさんに「Z世代がいいそうなアイデア」を聞けば、同じようなアイデアが出てきそうな気がする。ならばわざわざ大学生を読んでくる意味は「Z世代が考えたアイデアです!」と言うこと以外にない。お肉屋さんのコロッケみたいなものだ。

Z世代はコスチュームとしてZ世代像を着こなしている。もちろんSDGsもまた、コスチュームに過ぎない。この前、アマプラでなにわ男子のドキュメンタリーを観ていたのだが、20歳そこそこの長尾メンバーが、「ライブの衣装に、ゴミでできた(っぽい)衣装を使おう」と提案していた。その理由といえば、「SDGsとか、今流行ってるでしょ?」とのことだ。

僕はZ世代ではなく、ゆとり世代(この分類がMECEではないことは存じ上げています)だ。ゆとり世代はネガティブワードだった。「最近の若者」をディスっておけば、世間の厳しさを知る現実主義の大人のポジションをとれた。

そこから一周回って(ゆとり世代が大人になったのも相まって)若者ディスをする大人=老害の構図が生まれた。そして、「逆に若者を褒める大人の方が謙虚でかっこいい」という風潮になった。その結果、Z世代という言葉がポジティブワードになった。

無意味にディスられる世代と、理想像を演じることを強いられる世代、どっちがいいかと聞かれると、どっちも嫌だ。結論、世代論はクソ。

そういえばずっと気になっていたことがあるのだけれど、なぜ少子化の癖に経済を動かすには若者にバズらせる必要があるのだろうか?

若者なんて少数派だし、金持っていないし、年寄りに金使わせる方がいいだろうに。

まぁ、年寄りに金を使わせるには、布団売るか、投資マンション売るか、オレオレ詐欺するかくらいしか選択肢がないからだろうか。わからん。

そもそもZ世代はふるさと納税するメリットがほぼないので、Z世代に意見を聞いても意味ない気もする。やっぱ学生をタダでこき使いつつ、産官学連携に取り組む自治体のイメージを発信したいだけだと思う。

世代論は、年齢論と重なる部分が大きい。20代はこうで、30代はこうで、40代はこう‥みたいなやつだ。僕は生物学的な年齢と、社会的な年齢を分けて考えるべきだと思っている。生物学的な性別であるセックスと、社会的な性別であるジェンダーが、(英語では)別の言葉で表現されているように。

総じて、社会から押し付けられるイメージは息苦しいね。僕は僕で、気軽にやるぜ。

1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!