星空アンサー~射手座のきみの恋するpetit story~
きみの星座別 恋するpetit story
【星空アンサー】
「何か聴こえない? タイヤの音かな?」
そう君が言うまで、僕は気づかないフリをしていた。「えっ?」と聞き返した時にはもう、その音は消えていて、恐がる君をからかってホラー現象かなと笑っていたら、君は本気で拗ねだした。慣れない山道をくねくねと上る間、無言でいた君も天文台に着いて車を降りた途端、声を上げ、はしゃぎ出した。どれが一等星かも分からないくらい星が瞬く場所だ。
天文台から見える景色は、遠くの街の明かりと、すぐそばの真っ暗闇、真上には天の川。望遠鏡を覗ける日に、どうしても君を連れて来たかった。
夜を見渡し、ひとしきりはしゃいで満足した君は、受付で何かを確認すると、戻って来るなり、力説を始めた。
「メロディロードだって! ほら、やっぱり、さっきのアレ、聞こえてたんだよ」ポケットから指輪を取り出す隙を与えてられていた僕は、笑いながら答えた。
「それ、ずっと気になってたんだ」
そしてもう一度、答えた。
「僕は、ずっと気になってたんだ。君とのこと。これからも一緒に見上げていたいんだ。夜の星を」
君のアンサーは……。
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