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asanopoet
「傘差さないんですね。」
普段職場であまり話をしない同僚の言葉に動揺した。
まだ東京で働いていた頃の話だ。
当時私はまだ若かったし、普段はバイクに乗っていたので雨に濡れることに抵抗はなかった。
加えて、職場の近くの駅から出版社が立ち並ぶオフィスまでは歩いて10分。私服勤務の職場だったからいつも、着慣れた薄手のコートを羽織りコートをかぶって雨の中を歩いていた。
そんなことを当惑しながら説明すると、
「面白いですね(笑)」
と彼女は笑った。
それをきっかけに彼女と親しくなったわけでもないし、険悪になったわけでもない。
雨が会話のきっかけをくれたというお話でした。
しかし東京の街って、なんであんなに雨が似合うんだろう?
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