雨を待つ。プロローグ

天気予報のアプリが午後から大雨であると告げると、胸が踊る。

性格が悪いのか陰気なのか、いつからか雨が好きになった。

雨を眺めながらタバコを吸うのが好きだった。
(今はもうやめた)

雨の中をバイクで走るのが好きだった。
(今はもう乗ってない)

雨の中を傘をささずに歩くのが好きだった。
(でもフード付きコートはかぶっていた)

仕事をしながら雨を待つ。
早く雨が降らないか気になって仕方がない。

今はいないが若い恋人が待ち合わせの恋人を待つような気持ちでいる。

霧雨は降っているが、叩きつけるような雨粒には程遠い。

雨を待つ。

そんな話を綴っていこうと思う。


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