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読んだ:「お家、見せてもらっていいですか?」

ツイッターで全話公開がたびたび目に触れてて、「これは紙で買っても満足できるやつだ」と思ったので紙で買いました。

よかった〜〜〜〜〜〜。

さんぽしながら人のおうちを見ること、想像すること、家の構造の本を読むことが大好きな男子小学生が、自由研究で「おうちをみせてください」と尋ねてまわる全八話のオムニバスです。
男子小学生は主人公でありストーリーテナーであり、この主人公が……いい子でねえ……
若干ファンタジーめないいこのような気はするけども逆に今の子っていろんな高度な知識に触れてるから案外いるんだろうかこういう子……
(ところでこれ「コミックエッセイ」ってタイトル入ってるけどありなのそういうの?)

で、概要。タイトルにもある「お家、見せてもらっていいですか?」といって他人の家を見せてもらうんですけど、さすがにそれで見せる人7人いるか? というのに対しては作中で見せてもらえた理由の補強があり、いやーーそれも いい いいですね……

少年は母親との二人暮らしなんですが、この母親がすんごいいいスタンスと距離感の母親で、少年と母の物語ってどうしてもこう母の愛、みたいな描かれかたになりがちなのがすんごい距離感が適切な母で……

いろんな生活と人生を少年目線で見ながら、6話目にあれを持ってきての主人公へのあれ、そしての七話目が最終話にして作品の真ヒロインが登場してくるような展開、いろいろ見てきたからこそのあれです。これは家を訪ねるロードムービー漫画……すごいよかった。最終ページめくったときの衝撃というか「ああああああーーーー うわーーーーーー そういうみせかたでそうしめるんだ???? あああーーー」ってなって、ほんとに紙で買ってよかった〜〜〜〜。

私事ですが、私は来年はとにかく人に会っていろんな話を聞くぞと決めてて、今月頭あたりからちょいちょい動き出してます。(東京近郊でお会いできるかたお気軽にご連絡ください)
で、期せずしてその先にある見たかったもののひとつのかたちが見えたような気すらしました。
本書はもちろんフィクションなのでファンタジーで、実際こんなにうまくいかないとかいくわけないとかいうのは簡単なのかもでしょうけど、でも、こういうのを信じたいし信じてればうまくいく未来もあるかもしれないという気がしたというか・・・・・・・(個人的に「要塞の家」の女性の言動だけ妙なリアルみがあって著者の身近にいるのかなこういうタイプの女、と思った)(いや実は他の登場人物にもリアルさがあって私が気付いてないだけかな)

とにかく「私はこの本が好きだ」〜〜〜〜〜〜と思えた本で、すごく、よかったです。好きとか面白いとか感じられるのは、よいことです。


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