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一次創作、二次創作、三次創作

魂を非実在新横浜に置いて半年ほどになりますが、それでも前ジャンルのことを思い出したりしてしまいます。

益のない自傷だなーと理解はしてるものの、もうこれはそういうものとして織り込むしかないんだろうなあという諦めが近年はある。いやどうなんだろうもう一つくらいジャンル経由したら完全に過去になるのだろうか。

で、タイトルの話なんですけど。
前ジャンルでは「三次創作」とわたしが認識していたものがたくさんありました。原作の二次創作に特殊設定を与えただれかの二次創作、さらにそれを誰かが二次創作したものが三次創作です。
大手設定の三次創作問題は大きいジャンルにつねにつきまとう課題ですね。

前ジャンルではいろんな人がマスコット化とかケモ化とかドルパロとか書いてて、原作から大きく離れたキャラクターや設定だから二次創作というのも少し違うしということで、そういうものにはあまり深く考えず「派生」「◯◯パロ」「三次創作ぽいもの」というラベルを貼ってました。

でも今ジャンルでそういった「三次創作」とわたしが呼んでるものがほとんど見当たらなくて(原作でだいたいやってるからというのを差し引いても)、これどういうことなんだろう、と考えてました。
現時点での自分にとっての答えのようなものが出たのでメモしておきます。

結論、あれって「三次創作」ではなく「元ネタのある一次創作」なのでは? ということです。

明確に三次創作(○○さんちの◇◇を描いてみました、系)も、ちらほらとあったものの、誰かのおうちの設定のキャラではないけれど原作の二次創作というには独自解釈が強すぎる、というものがたくさんあって、これ、厳密には三次創作ではないんですよね。
じゃあなんなのかと考えてみると「元ネタのある一次創作」。

たとえばヘタリアとか艦これとかって「元ネタのある一次創作」ですよね。あれを国の二次創作とか戦艦の二次創作とか言う人はいない。元ネタのエピソードによりあるていどのキャラクターへの縛りや設定が生じるものの、あれらは二次創作ではないじゃないですか。
前ジャンルでたくさんみた強めの派生系ネタ、わたしが認識してきた二次創作というより「歴史ジャンル創作」とかに近いのでは、という気がしたんですよね。
名前や基本設定、エピソードは使うけれど自分の味付けや得意な方向に活かせる「創作」をしてる。
二次創作は自分の画風やキャラクターを原作に寄せていくけれど、元ネタありきの一次創作というのはむしろ自分の腕、調理方法を全力で発揮することになる。そしてこのタイプは原作がどうなっても実はもう関係ないのかもしれない。

と考えてみると、なんというか作家性の強い二次創作(とわたしが思っていたもの)が多いのも納得で、あれらは二次創作ではなく、一次創作の領域に近いもの……(わたしのかいてたものも含め……)(あと「元ネタありの一次創作」だけどすきだったしいまでもすきなやつもあるというのも念の為に述べておく……)

でもって、この「二次創作が多く出る作品」「元ネタありの一次創作が多く出る作品」の違いは、原作でのディティール、いわゆる「解像度」の違いになるんだろうなーと思ったり。

本当にどっちがいいとか悪いとかでなく、そういう分類ができてわたしがすっきりしたというだけの話です。あと今も読める前ジャンルの二次創作はこの「元ネタあり一次創作タイプ」がほとんどで、原作自体がしんどくなって離れたし原作に関する情報はみたくないけれどそれらを好きな人たちが生み出す光はまだ眩しく感じることができる、というところのあれかもしれません。

でもって今ジャンルでなんだかうまく二次創作(といままで呼んでたもの)できないなって思ってるの、今までは元ネタあり一次創作やってたからなのかな、とも思ってます。

いままではがっつりストーリー作って小さい映画みたいなのを作ってたんですが、今回は軽いレポっぽいものというか、ドラクエ4コマ漫画劇場みたいなのしかやれる気がしないという……

よくもわるくも「作家感」というか、創作行為ではないものになろうとしているのではという感覚があります。三次元のおっかけがファンサ用のうちわを作り込むのに似た感覚かもしれません。
原作愛を表出するだけの行為としての二次創作でなく「一次創作をする作家」に近しい行為だったのだとすると、書き手どうしのこじれたあれそれもちょっと納得できてしまうところがあります。

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