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読んだ:「一冊の「ふせんノート」で人生は、はかどる

読みました。以前良いよと聞いてたものの、なんかふせんって私と相性わるいツールなんだよなと思ってたんですね。ふせん使う手帳としては「あな吉手帳」も有名で、そっちやってみたけどふせんぽろぽろ落ちて全然だめだったし……
ブックオフパトロールで200円で発見したので購入、読んで一瞬だけ実践、そしてやっぱり「向いてねえなこれ」と思ったけども本としておもしろかったです。このおもしろいは魅力的とか納得感とかでなく、ちょっとツッコミ要素が多いという意味。

ふせんノート術とは

75×75の付箋に全部書いて、書いたものは全部A4ノートに貼っていく。外出時は付箋だけ持ち出し、自宅ではA4ノートにおさめていく。
おわり。
軸としてはこれだけ。

本質としてはそれだけなのですが立派な一冊の本になってるわけで、そこに何が書かれてるかというと精神論と既存手帳術&ノート術のサゲです。

おもしろすぎるのでいくつかマーカー引いてみました。本ってマーカー引くと本との「対話」になるんだなという気づきが先日あったので、使い捨てるつもりの本は気軽にマーカーやってこ、と思ってます。

手帳は「手錠」とか言い出す。「人材」を「人財」と言い換え出すセミナー講師に感じるセンサーと同じものを感じる、当人はすごいうまいコピー見つけたと思ってそうなのがさらに
とにかく既存の技術サゲが多い ふせんノート術の新規っぷりをたくさんの文章でアピールしたいのでそうなる
パソコンとスマホには何もできないということが繰り返し出てくる スマホはそうかもしれんが若い人はちゃんと生産ツールにしているしパソコンの生産ツールとしてのあれを無視しているように思われる

実際少しだけやってみたけども


4色も買ってしまった

ううん「合わない」わあ、というのが印象、付箋一枚にワンアイデアだといろいろ書き出せるかな? と思ったものの逆に発想が阻害される印象がありました。まだバレットジャーナルの方が合う。

で、インスタでふせんノートやってる人たちの写真とか傾向とか見て思ったんですが、これ、あくまで私の推測なんですけど「定型発達の人が多動系の思考になれるツールなのでは……?」という仮説がわいてきました。
連続して一貫した合理性のある思考を、あえて瞬間のぶつ切りにして網羅性をあげる(A4見開き=A3になる)という、ADHD的な思考経路になりそうな気がする、これ使ってると。

本書の中でもとにかくひらめきとアイデアがどんどん出てくる、みたいなことを主張されてて、インスタのふせんノートは、すごい、イメージだけのあれなんですけどこれわたしの偏見なんですけどADHD傾向の人のノートって「見るとなんとなく察せる」んですが(まじで「わかる」としか言えないんですが)、インスタのふせんノートは定型発達者、かつかなり規則性のある考え方ができるタイプの人が書いてんなこれと思ったというか……

特性、長所も過剰だとバランスを欠くので少し反対方向に針をもっていくとうまくいきやすくなるということは往々にしてあります。

で、ふせんノートってつまりそうなんじゃないかなあと。だから私がやってみたら「思考やひらめきが広がるような印象どころか拡散されていってまったくまとまる気がしない」という嫌さを強く感じてしまったのではというか今これ書いてて気づいた、そうだ、私がノート術手帳術に求めてるのは「ふわふわと拡散して常にでっかいピクニックシートにちらばってるあれこれを規則性を持って把握する手段」なんだ…… そりゃ「もっと自由に発想して瞬間的な考えを引き出し、ランダムに散らしてそこを眺めてみよう」みたいなふせんノートとは相性悪いわ。いつもの考え方なんだから。そして付箋に書いていこうとすると構造化と断片化が遅くなる。むしろノートに書いていったほうがちょうどいい。解散。

とはいえ取り入れようと思えた要素はある

ノート術としてはアカンこれだったんですが、ふせんのふせんとしての使い方はいくつか「ほう」ってなったのでやります。

買い物メモを付箋ノートに貼っておいて買い物のときは持ち出すとか、やらなきゃいけないことを書いたふせんを、それをやる場所に貼っておくとか。これは早速洗面所やモニターに貼ってみたらなかなかよくて、そうかいつも実行中タスクのメモ帳の置き場所困ってたけど貼ればいいのか……という至極当たり前の用途に今更気づきました。

そういや昔の職場で、動作しなくなったモニターをデスクに置いといて付箋掲示板にしてた人いたな。

ふせんノート術でなんでも叶うらしいけど

ふせんノートさえ使えばなんでも叶うらしいです。
帯には「夢が叶った」系の事例のようなものがいっぱい書かれてます。
「家族で会社を設立」「アパート経営始めました」「夫がお酒を控えるようになりました」など。

うーん、瞬間的なアイデアをA4ノートにまとめるだけで(本当に方法はそれだけ)(複雑なルールだと続かないから、とのこと、それはそう)そんななる? と思ってたんですが最終章で理解。

セミナーで「夢実現シート」というエクセルシート配ってるそうです。
そのシート、「ミッション:夢実現ストーリー:未来年表」の三部作を使って、目標から逆算してToDoを細かく積み上げていくというやつで、めっちゃ「引き寄せの法則」とか「ビジュアライズ」とか言われてる古い方法じゃん! ってなりました。
ふせんじゃなくてそのシートとセミナー仲間の衆人環境だったのがいちばんでかいんでは????

あとちょっと面白かったのが「ふせんノートで仕事も夢も恋もかなう!」という章見出しにどんなトンチキケースが出てくるのかとわくわくしてたのに、恋をかなえるのに使う事例がゼロでワロタ。

まとめ

とはいえ断片的な構造があまりできないという自覚、というか「自分はどう考えてもADHDとかASDとかだな」って思ったことが一度もない人なら確かにパラダイムシフト的なやり方になるかもしれません。
思考パターンはツールに容易く依存すると感じています。
私はとりあえず引き続きB7ノートとB7手帳メインでやっていきます。

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