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五島市初の感染事例から戦略を考える

こんにちはカドジュンです。今週ついに五島市での感染事例(70代のご夫婦)が発表されました。おそらく福岡で感染し、五島に帰ってから発症したようで、現在は本土(長崎市内)に転院され治療を受けているとアナウンスがありました。県内の離島では壱岐市に続いてとなりますが、医療体制が制限されている離島は感染がふえると危機的な状況となります。なんとか踏ん張りたいものです。私は社会福祉法人の経営者かつ業界団体の役職をもっているので、今回の事例でいろいろと考えさせられました。なので、今回は経営などにからめてお話しします。

まず第一報(速報)が20日の夜7:30にNCC(テレ朝系ローカル)のみ流れました。直後に職員からそれを知らせる連絡が来ましたが、他のメディアはまったく何も報じませんでした。さらに行政(長崎県、五島市)からの発表もありません。であれば、軽々に動くことはしないと決めました。翌21日の朝、長崎新聞(地元紙)とNBC(TBS系ローカル)が報じたので、いまだ行政からのアナウンスはないものの確定事項として動くことを指示しました。午後になって長崎県の記者会見、夕方には五島市も公式発表しました。感染症対応の管轄は県の保健所なので、そこから情報が下りてくるのが当然の流れであり、遅いのは仕方がないことです。初めての事例だったので、慎重に協議していたことを伺わせます。とくに五島市長のメッセージには、「対応はできているので、冷静であることと情報に惑わされない。差別や偏見をなくしましょう」とのことでした。拡散も防いでいるのだから危機感をあおらず、風評被害などに留意する。リスク管理としてここまで合格点だと思いました。

そして、いまのところ他の感染もなく表向きには平穏を保っています。

しかし、3月くらいからウソの情報や噂話が拡散していましたし、今回も感染者に対しての個人情報も流れてきました。市内の事業所はいきなり休止したり、性急過ぎる事例もありました。非常に残念なことです。さらに県内では病院関係者への差別や転居を余儀なくされるなど、あきらかに理不尽な差別が発生しています。なんでこうなるのか?本人は自衛のつもりでも、いつのまにか攻撃行動へと転化しているのです。自粛警察もそうですが、行き過ぎた正義感や自己防衛は、簡単かつ無自覚に他者を傷つけるのです。私自身も職員に話していますが、公式な発表以外は信じなくて良いし、発表されてから動き始めても遅くはありません。むしろ軽挙妄動による行動によるリスクの方が高いのです。そのためには冷静であることを心がけています。なにより、もしも自分が感染したら?と思えば、他者に対してそういう仕打ちをするのでしょうか?いまに限らないかもしれませんが、確度の高い情報が得られる私たちは過去の過ちを繰り返さないようにしたいものです。

22日からは、Go To トラベルキャンペーン(五島トラブルに読めるんよね…)も始まりました。現時点でいちばん参考になっているChikilinさんのブログです。

経済をまわすことの重要性は理解していますし、ここに費やす予算以上のリターンをねらっていることも分かりました。実際、この長崎県も観光が主力ですので、関連産業を守りたいという気持ちは私にもあります。しかし、中途半端な施策では効果が上がらないし、感染リスクも拡散させてしまうのは間違いないのです。私が思うのは、政策の一貫性や戦略性のなさ、かんたんにいえば中途半端であるということです。中途半端な施策は無策よりも悪い愚策であると思います。初期対応でインバウンドを規制したら、もっと自粛期間が短くなったのでは?ここまでの対応を振り返れば、すべて中途半端というワードが当てはまるのではないでしょうか?

経営もそうですが、ピンチの時にこそ地力が試されると思います。東日本大震災以来の国難に際して、政治が地力のなさを露呈したのがいまの状況だと思います。国も企業も長期目標にもとづいた戦略があれば、とくに日本はリスク想定が難しい環境にあるので、柔軟に対応できる社会をつくっていてくれればと思います。そのためには政治に経営感覚が必要なのです。

ちなみに長崎県は保守が強い地域なので、Go toによって感染リスクが高まる可能性はありますが、国に対してはなにも言いません。やりやすいとこですわ。

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