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認知症介護ガジェット:アンカーを超える格安見守りカメラを探してみた!

ウチのおかんがボケちゃいまして」とは…… 突然認知症の親を介護することになったライター岡野学さんが、認知症介護の先輩でもある介護作家・工藤広伸(くどひろ)さんのアドバイスを受けつつ、モノやサービスを使って介護をラクにできないか模索する介護実践記です。家電だけでなく、日用品、生活雑貨、食品など、便利そうなものはなんでも試していきます!

本記事の初出は家電批評2022年3月号です。
執筆:岡野学/協力:工藤広伸/編集:家電批評編集部(商品紹介のリンクはアフィリエイトを含みません)


定番のアンカーの見守りカメラを使ってきたけど、在庫切れ! もっと高画質でアレクサ連携しやすいカメラはないのか?

月刊誌家電批評で連載している『ウチのおかんがボケちゃいまして』。この連載でベストバイに選出したのがアンカーの見守りカメラ「Eufy Indoor Cam 2K Pan & Tilt」です。使い始めて約1年経ちましたが、相変わらず使いやすいと感じていますし、目立ったトラブルもありません。首振り機能付きで全方位見られるのも便利……なのですが、4Kくらいの高画質にしてほしいとか、自宅のスマートディスプレイ(以下「アレクサ」)と連携したとき映像を連続5分までしか見られないとか、細かい不満(願望)もちらほら。また、昨年の11月下旬頃から同製品がアマゾンで在庫切れにより買えなくなっていてしまいました(なお、アンカージャパンの広報担当者によると再入荷の見込みはあるそうです)。

そんなこともあり、最新の見守りカメラのなかにアンカーを超えるものがないか、実際に使ってチェックすることにしました。今回試したのは以下のの計4台です。

  • スペックがアンカーとほぼ同じシャオミ「Mi 360° 家庭用スマートカメラ 2K

  • 低価格ながらほかにない機能を多数備えているアトムテック「ATOM Cam Swing

  • 最大256GB(マイクロSDカード)のローカルストレージをサポートするティーピーリンク「Tapo C210

  • 500万画素&光学3倍ズームという超スペックが気になったレオリンク「E1 Zoom

いずれの見守りカメラも価格は4000〜5000円台と格安。果たしてその実力は……?

アンカー超えカメラは見つからず……でも、アトムテックはアリ!


●サイズ・重量/W53×D53×H122.5mm・約254g ●解像度/1080p(1920×1080ドット) ●画角/120° ●首振り範囲/水平360°、垂直180° ●システム要件/iOS 10.0以上 Android 8.0以上

今回ベストに選んだのは、アトムテックの「アトムカム スイング」です。映像が2Kのアンカーに対してアトムテックはフルHD、スマホを横位置にして見る全画面表示の際に首振り操作用のカーソルが出ない(スワイプで操作)など、アンカーのほうが優秀な部分もあります。でも一方で、クラウドストレージを一部無料で使用できたり、暗がりでもカラー映像を表示できたり、特定のポイントを決めて巡回撮影したり、独自の機能で使いやすい部分が多数あるのはメリット。また、タイムラプス撮影や、記録映像の倍速再生にも対応しており、長時間の映像をあとから確認しやすいのも便利です。

他社製品が白黒の赤外線カメラに切り替わる暗所でも、カラーで映像が見られます
14日分のイベント録画(12秒以内)をクラウドストレージに無料保存できるのが◎



「倍速再生なんて何に使うの?」と思う方もいるかもしれませんが、僕の場合はおかんの物盗られ妄想の原因を突き止めたり、おかんが忘れてしまった物の収納場所を特定したりするのに使っています。くどひろさんも、この倍速再生のおかげで、実家の来客の用事を素早く把握できたり、歩行の異変の原因(実は転倒していた)をすぐ突き止めたりできたそう。ちなみに倍速再生は、従来ベストのアンカーにも、今回試したシャオミとレオリンクにも搭載されていますが、アトムテックは再生中に10〜60秒の範囲(10秒単位)で映像をスキップできるのがポイントです。

なお、僕が熱望していた「アンカーより高画質で、スマスピと連携しやすい」製品は見つかりませんでした。カメラの解像度だけでいえば、レオリンクは勝っていたはずですが、映像が不自然に横に伸びて歪みもひどいため、画質のよさは感じられませんでした。アンカーと解像度が同じシャオミも、なぜかスペックで劣るアトムテックより粗い映像。ティーピーリンクもあと一歩及ばずといった印象でした。スマスピ連携については、次の理由からもはや諦める所存です。

アンカーと比べると、ATOM Camは白飛びや黒つぶれが多く、ディテールもやや崩れ気味。ただ、スペックを考えれば大健闘といえる画質


ATOM Cam以外ではTapoも優秀でした

補足:アレクサで常時表示できるカメラは皆無だった

スマスピ連携してみると、カメラが応答しないものや、映像が5〜15分で切れるものばかり。映像を常時表示するなら、別途用意したスマホやタブレットで“アプリつけっぱ”が現状最適解かもしれません

執筆:岡野学/協力:工藤広伸/編集:家電批評編集部


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