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283を広げる。陽光と風を受け止める。(1/10追記)

今回割ととっちらかってるけどライブ感が大事なので書きました。
キャラクター解釈に個人の主観がだいぶ挟まります
○○はそんなんじゃないよ~という方は、私がシャニマスウエハース買うときに黒塗りの中年男性が出る呪いをかけてください。

1/1開催のイベントコミュ「#283を広げよう」のネタバレを含みます





不在であることで存在感を増す

シャイニーカラーズ君は「明るい部屋」でSHHis加入前の一大越境巨編を描き切ってから、越境サポートカードの実装や「アイムベリーベリーソーリー」の開催などで
「フルメンバーではない越境」を明確に意識したように思われる(アイドル同士の会話もあったけども)。

これによって何が起きるかといえば、簡単に言えば出番の格差(順番待ち)である。

キャラクターのシーズンごとのガシャ更新、ユニットごとのシナリオイベント、そして季節ごとに実施される全キャラクター参加の越境シナリオイベント。
これらの定期的な開催はプレイヤーに出番の均等感を感じさせ、明確に差があると表現できるのは限定に選出される回数、あるいはカード性能程度のものだったと思う。

そんな中で開催されている今回の「#283を広げよう」もまたメンバーを絞ったシナリオだし、
その中で描かれるのは「作中世界における人気ユニットであるアンティーカの不在」「メンバーが完全に揃うことのない中での事務所企画」なので、これでそういう意図のないものだというのはちょっと通りにくいと思う。

現実の方に目を向ければ、シャイニーカラーズとしてのライブ企画でも様々な理由により演者さんが全員揃ってパフォーマンスをする、という機会が少なくなりつつある状況である。
そういった「在るべきものの不在」をそれこそ「忙しいのはいいことだ」と呑み込んでしまうのは簡単ではあるけれど、鈍い痛みを伴うものだろう。
あるべきものがそこになくて、そこにないものの存在感が痛烈になりながら、
それでもないことを受け入れて精一杯を届けてくれる彼女たちや現場の制作陣の姿は、それが故に胸を打つ。

元々から作中人気の描写の積み重ねがあったにせよ、「ファン感謝祭」においてそれを乗り越えたアンティーカのメンバーがここにいないことは、一つ示唆があるように思う。

そうやって描かれるのは、樹里千雪あさひ円香が脇を固める中で濃密に構築された「市川雛菜」のストーリーであったように感じた

「なんのためでもない練習」

いやー天塵からの超ロングパス
満を持して今拾うのには参るね。

元々雛菜は「なんでもそれなりにできる~」ため、練習もノルマ以上のことはせず、自分の中での必要性もそこまで高くなかったんだろうし、
それでいて十分にアイドルをできている時点で天性の才能としては恐ろしいものがある。
それでいて不足していたものがあるならば、アイドルとして仕事をするモチベーション、端的な表現をすれば「飢え」だろうと思う。
ノクチルの他メンバーがランディングポイントまでで衝動を自覚し、向き合う中で、一人マイペースでいた雛菜にも、ようやくその時が来る。

「ストレイライトに練習場を譲らざるを得なかった」先で、
「千雪と樹里のラジオを撮影係として見守り」、
「壇上のストレイライトに悔しがる八宮めぐると司会という立場で甘んじないギラギラした千雪さんを発見し」、
「アンティーカのおまけつきのお菓子を買う」。

言ってしまえば事務所の企画、同僚の仕事を通して社会科見学をしたようなものなんだけど、その近さが今までなかったものを雛菜に届けたんじゃないか。
成長といえるのかといえばおそらくそこにも至っていない微細な心境の変化だと思うのだけれど、それでもようやく「風が吹いた」んじゃないかな、と思えた。
そういう「自分から前へ一歩を踏む理由」を備えたときに、市川雛菜は真にアイドルとしての完成に近づく、そんな風に。

雛菜のコミュニケーションと、八宮めぐるの在り方

今回も結構出てきていたけれど、雛菜はよく「(○○してあなたは)良かったですか?」という聞き方をして、肯定を返されれば「良かったですね~」と返す。
そこに裏の意図は存在せず、「他人の価値基準に自分の基準を介在させずに物事の是非を測る」ためのものであり、自他の線引きを明確にしている彼女ならではのものだと思う。
それは自分のしあわせと他人のしあわせをバッティングさせる非しあわせ行為を避けるための生き方であり、我が強そうに見える市川雛菜が周囲と致命的な軋轢を生じさせずに成長してきたことの証左である(もちろん幼馴染4人という関係性の受け皿も手伝っているだろう)。

そこに今回ぶつかってきたのが交流の薄い相手にも積極的にコミュニケーションをとり、ともすれば「自分のしあわせ」を押しつけているようにすら感じ取れるようにふるまっている八宮めぐるだった。

事実として今回の企画内でめぐると雛菜がコミュニケーションする際に生じていた「温度差」とも呼ぶべき空気感から逃げなかったことは、ひょっとしたら今回のイベントで一番シナリオライターさんをスキしたい部分かもしれない。
もちろん「チエルアルコは流星の」、あるいはイルミネーションスターズのシナリオイベント、あるいは彼女自身の育成シナリオを履修済みのプレイヤーは太陽のような温かさを振りまく態度の裏で、相手の都合を無視して、善意を押しつけることを恐怖するめぐるの優しさを知っている。
それでもめぐるはそうあり続けることをあきらめないし、雛菜的に見ればおそらく「異物」のまま近くに寄り添うことができたのは八宮めぐるの在り方でしかできなかったのではないか、と思う。

市川雛菜は他人の態度や在り方への拒否を明確に示さない。
それで生じる状況が既にしあわせではないからだ。
そういう軋轢の芽が見えれば、黙って距離を取り、しあわせなほうに戻っていく。
だからこそ「今日のプロデューサー、きらーい」の重みが増すわけで、雛菜wingは本当にスルメのようにしあわせが詰まっていて飽きない

そんな彼女とめぐるの在り方は、私からは一見相性が悪いように見えていた。
見えていただけだった。

BUTAMAN


ほんの少しだけ距離の縮まった二人の交流は、
まぎれもなく「アジェンダ283」における「混ぜてくれてありがとう」、「混ざってくれてありがとう」の再演で、
それはボクが「越境コミュ」に求めているものそのものだったので、

その日肉まん買ってきて泣きながら食べました。


↓1/10 リプライパーティー開催後追記↓



実在性芹沢あさひから見るリプライパーティー

黛による指導の入ってない純度100パーセントの芹沢あさひSNSしぐさの衝撃によって
俺のリプライ読まれなかったなの寂しさは破壊されました。

なんだあれは
仮にも「作中のファン」というテイで「実在世界のプレイヤー」に向けたファンサービス企画であの在り方を維持できるのすごいなホント

企画スタートからどっか行ってた真実からこっち正直ずっと笑ってた

まあ千雪さんも別のベクトルでものすごかったけど……
おむすび恐竜を地上の覇者にしていたのは完全に桑山千雪の在り方ではないのか……?


で、


はぐれ者たちの宴

ここからは本当に穿った内容になるので話10分の1くらいで。

ひとしきり芹沢あさひのリプライで笑い、シャニマスってこういうところから逃げない癖があるよねーって噛みしめていた時にふと思い至ったことがある。

それは「今回の選出メンバーに共通点がないか?」ということだった。

彼女たちは、コミュニケーションに難がある、あるいはコミュニティから弾かれたことのある子たちなのではないか?

めぐるはその外見や帰国子女であるという特異性から距離を置かれていたし、雛菜はその独特なスタイルから自発的に距離を置いて幼馴染4人組の中に留まっている。
円香もその幼馴染の輪の中で浅倉透の理解者たらんとして自分を他の人間と別のところに置こうとする傾向がある。
樹里もLPで一段落したとはいえ髪を染めて不良じみた態度をとるに至った原因には部活動を巡るなんらかのディスコミュニケーションが存在していたはずだし、
芹沢あさひがその在り方から同級生なりからあまり友好的に接されていないのは様々なコミュで窺い知ることができる。

千雪さんは正直この観点からだとちょっと甘いかなと思わなくはないけど、GRADでも描かれたように彼女の感性も非常に独特で、学生時代からずっとアプリコットに憧れる夢見る少女であり続けていたのはこの括りに入れていい……?
ダメか……?
自室の壁のひび投稿してくる女性だぞ……?

もちろんここで挙げたような問題は彼女ら自身が向き合い、ゲーム内で解決したりしなかったりしているわけで、
だからこそめぐると雛菜という大きな2軸の脇を固めるキャストとして動いていたわけで今回のイベントの本質ではないし、
ここにいないアイドルにも少なからずコミュニケーション上の問題は存在しているはずだ。

それでも「283プロダクションをさらに広げていこう」「ファンのみんなと双方向のコミュニケーションを図ろう」というイベントシナリオにおいて

彼女たちが選ばれたことに(作劇上の必要性以外にも)意味があるのではないだろうか。

いや見出していこう。


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