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悲しみと執着

いまだ悲しみの中にいる

人を失うとはこれほどまでに苦しさが続くものなのか

まるでセロハンテープのカッターのようなギザギザで心を刻まれ続けるような痛みがある

やわらいでいくのには5年や10年の月日を要するのだろうか

悲しみに力を奪われているのを感じる

悲しみ続けることに疲れを感じてもいる

「悲しみというのも感情だから、
ちゃんと感じきれば瞬時に終わるものである。
長引いているのならちゃんと感じきれていないということだ」

と言う人がいる

悲しみを終わらせずにずっと握りしめているのは私だということか

私はただ
鳴いているのである
あの人が恋しいと

これだけは確かだという気がする

あの人は私が悲しみ続けることを望んでいないこと

「そんな執着は早く手放して、
自分の人生を歩いてください」

と言うだろうこと

執着。

それこそが

あの人が生きているか死んでいるかに関わらずに

私があの人に抱いた思いなのかもしれない

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