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【札幌発!苫小牧行き!】 北海道胆振管内の子どもに、環境に左右されない楽しい学びの機会を届けたい!

この記事は、Kacotam × 寄付月間2023アドベントカレンダーの2日目の記事です。

 Kacotamとして初めてとなる札幌市外での学習支援活動を始めた苫小牧支部(北海道苫小牧市)。拠点型学習支援(スタサポ)のL-Baseから始まり、2022年度には室蘭の児童養護施設での学ボラも開始。そんな、苫小牧支部のコーディネーター(ボランティア)を担う鈴木が、支部の活動について書きました。

◆◇◆

<苫小牧支部の概要>
2015年11月、苫小牧まちなか交流拠点COCOTOMAとの協同で、COCOTOMAを会場として、スタサポ(拠点型学習支援)L-Base拠点の活動を開始。小学生〜高校生なら誰でも利用可能。

<苫小牧支部の協力団体>
・苫小牧まちなか交流拠点COCOTOMA(ココトマ)
・北海道立苫小牧南高校ボランティア局

 なぜ学習支援の場が必要か?


(写真ACより)

 現在の日本社会では、子どもの貧困率は16.3%。実に、6人に1人の子どもが貧困と言われています。特に、苫小牧市においては24%。実に、苫小牧市の4人に1人の子どもが貧困と言われる状況下にあります
 
(参考)苫小牧民報による苫小牧市議会一般質問の報道記事
(参考)苫小牧市議会議員 渡辺満氏のブログ
 
 現代社会においては、子どもが困難を抱え、機会の不平等に悩まされている傾向があります。子どもが困難な環境下に置かれた場合、学びの機会が不足します。大学等進学率に関しても、全国平均とひとり親世帯、生活保護世帯、児童養護施設の間に差が生じています。
 また、困難を抱えた状況下では、安心できる空間や周囲とのつながりが不足し、自己肯定感・自己効力感が不安定にもなります。
 その結果、自己実現の機会があってもそれを利用する意欲が低下する傾向が高まり、将来への希望を失うことにつながってしまいます
 このことを防ぐためには、安心できる居場所や、自分を受け入れ応援してくれる存在が重要だと考えています。
 

L-Base活動の様子

タイムテーブル
学習タイムの様子(1)
学習タイムの様子(2)
学習タイムの様子(3)
お菓子タイムの様子

 L-Baseが直面していること

 札幌と同様、苫小牧でも、メンバーと子どもが1対1でふれあうことを大切にしています。子ども1人に対し、ボランティアメンバー1人が担当できるように、スタッフの配置をしています。しかし、苫小牧市においては、ボランティアメンバーの募集に苦戦しています。
 Kacotamでは、ボランティアスタッフの年齢を、子どもから見てより親しみやすい高校生〜30代までに限定しています。
 札幌市では約197万人の人口の内、高校生〜24歳までが約18.6万人(約9.5%)となっています。高校や大学などが多いため、ボランティアメンバーになる可能性のある若年層の人口が多くいます。一方苫小牧市の場合、約16.8万人の人口の内、高校生〜24歳までの人口は約1.5万人(約8.7%)となっています。15歳〜24歳の若年層の人口において、苫小牧市は札幌市よりも少なく、さらに若年層の絶対的な人数がどうしても少なくなっています。さらに苫小牧は、大学が一つ、高等工業専門学校が一つ、看護学校が数校あるにとどまり、Kacotamのボランティアの中心的な担い手となる学生層が少ない状況にあります。

 さらに、苫小牧市では、インターネットによる広報の効果が、札幌に比べ限定的なのではないかと感じています。私の知人のウェブデザイナーが、以前次のように話していました。
 
「札幌でウェブデザインの講習会をネット上で募ったところ、好評であった。しかし、苫小牧市でも開催しようとネット上で広告を打ったが、ほとんど人が集まらなかった。しかし、紙媒体でポスティング広告を行ったところ、反応があった。ローカルは都会と同じ手法でやってもダメかもしれないね。」

 実際に、苫小牧支部での子どもやメンバーの集まり具合を見てみると、インターネットは約半分程度で、残りは苫小牧市の広報紙やポスターなどを見てきたという状況でした。

 子どもとの関わり方やKacotamのスタンスは、札幌でも苫小牧でも他の拠点でも変わらないものです。しかし、メンバーの集め方、子どもや保護者への周知の方法については、札幌や東京などの都会と苫小牧のようなローカルとでは、方法が異なるのかもしれません。苫小牧支部では、これまでのインターネットによる広報のほか、ポスターやチラシ、他関係機関との連携など、地道な広報が必要だと考えており、既に実行しています。公共施設へのポスター張り、メンバーの知り合いの店舗へのチラシの配布などを進めています。今後は、苫小牧や千歳、恵庭などの大学など、直接的なアプローチもしていきたいと考えています。

 また、苫小牧市内や周辺地域で学生の人口が少ないのであれば、20代半ば〜後半の社会人にアプローチできないか、学生から社会人にターゲットを変えることも考えています。
 ローカルでどうやって人を集めていくか。メンバーの確保は、予断を許さない状況です
 
 今、子どもは私たちと一緒に、勉強をしたり、おしゃべりをしたりすることを楽しみに、L-baseにやってきています。子どもにとって、L-baseは既に大切な居場所になっています。この居場所を支えるのは、いうまでもなく「人」です。L-baseが持続的に学習支援活動をできるように、少しでも多くのボランティア、マンパワーが必要です。 

最後に

 Kacotamの、札幌以外で初の学習支援拠点として、2015年11月にL-baseが発足して以来、多くのボランティアメンバーや支援者の方のご厚意によって約8年もの間、L-baseを運営することができました。この場を借りて御礼申し上げます。
 Kacotamの財政基盤、そして苫小牧市におけるボランティアメンバーの安定的な確保については、予断を許さない状況がありますが、苫小牧支部(L-base)を持続的に運営し、より多くの苫小牧市及び胆振管内の支援を必要とする子どもに支援の輪を届けられるよう、取り組んで参ります。
 
 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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