エンジニア組織作りをサッカーチームに喩えたらCEOとわかり合えた話

アダコテックの柿崎です。本日は、エンジニア組織作りを非エンジニアの人にどのように共有するかという話をします。

課題設定

まず、弊社CEO河邑はICCやIVSなどのピッチコンテストでアワードを獲得したり、工場へ行って実際に検査を体験したりする、パワフルかつ優秀な人ですが、残念ながらエンジニアではありません(pythonはプログラミングスクールで触ったことあるらしいです。たぶんチョットデキル)。

エンジニア組織が今のままではいけないというところでは認識を共有しているものの、実際どうなのか、どうしたらいいのかというところまではなかなかわかり合えないところでもあります。

一方でWeb開発、クラウド開発という分野は日進月歩であり、様々なテクノロジーの組合せで成り立っています。それをキャッチアップしていくことはエンジニアとしても困難が伴うものですし、それをそのまま伝えたところでCEOに響くメッセージにはなりません。

そこで、私はエンジニア組織作りをプロサッカーチームに喩えて話すことにしました。

現状認識

まずCEOから聞かれたことは、
『今のエンジニア組織はぶっちゃけどうなの?』
と言うことでした。
私はアダコテックの現在地はこう考えています。
『スター選手はいますが、監督であったり、ミッドフィルダーであったり、必要なポジションに人がいないのでそもそもサッカーにならないですね。』
アダコテックは産総研の技術をもとに生まれた会社であり、技術が命です。組織の半分がエンジニアで、それも10年以上その道に携わってきたベテラン揃いです。しかし、プロダクトの開発は一人の職人が魂で手作りする代物ではなく、サッカーのようにチームプレーで開発するものです。様々なバックグラウンドの人が自分の役割を理解して、プロダクトを磨き上げていくものです。
しかし現状は、まだ開発を進めるのに必要な人材が足りずに本来はディフェンスに入らないといけない場面で前でボールを受け取らないといけなくなったり、思うようにはことが運んでいません。サッカーのように11人いないと試合ができないわけではありませんが、やはり一通りのポジションを揃えないと開発は進みません。まずは必要な人材をあつめてくるところからチーム作りは始まります。

スカウトに必要なこと

では、必要な人材を確保するためにはどうすればよいでしょうか?
会社のWebサイトやWantedlyなどの媒体を使って求人票を書けば、募集をかけることは可能です。しかし、それだけで人材を採用できるほど甘くはありません。世の中はエンジニア不足、待っているだけでは候補者はやってきません。弊社では様々な手段を使って優秀なエンジニアに積極的にスカウトをしています。

では、優秀な人材が行きたくなるチームはどんなチームでしょうか。サッカーで言えば、世界的にはレアル・マドリードとか、マンチェスターUとか、ACミランとかそういうところは世界からこぞって優秀な選手が集まってきます。

共通項を集めてみると

・世界のトップリーグで戦っている
・優秀な選手が集まっている
・充実した練習環境がある

こういったところがあげられるでしょうか。


ソフトウェア開発に置き換えると、
・請負業務ではなく自社プロダクトで勝負する
・顧客が業界での知名度が高い企業である(toBの場合)
・優秀なエンジニアがいる
・オフィス環境が充実している
・開発環境が整っている
・エンジニアのスキル向上に投資している

といった、ところが当てはまると思います。
特にハイレベルの人は
・より大きな仕事がしたい
・世の中を動かしたい
・レベルの高い人たちと働きたい
といったことが転職先を選ぶ軸になることが想定されますから、ハイレベルな人がいる会社を選びます。ハイレベルな人がリファラルで採用が決まる要因はこういったところにもあると思います。
アダコテックの現在地としては前半部分は比較的強みとして押し出せるところではありますが、後半のオフィス環境、開発環境、スキル向上への投資といったところはまだまだ弱いといえます。また、オフィス環境も近年ではリモートワークが急速に普及してきており、この点に対応した環境も求められていると感じています。

戦力向上に必要なこと

次は
『今居る人たちのレベルを上げるにはどうすればいいか?』
という問題を考えていきます。

プロのサッカーチームはどんな練習をしているでしょうか?

インターネットでいろいろと検索すればプロの人が取り入れている練習メニューを調べることができます。

http://honda-soccer.hatenablog.com/entry/2017/11/27/211145
https://jopelog.com/football-training/

ちょっと、意外に思われるかもしれませんが、プロチームであっても走ったり、ボールを正確に蹴るといった基礎練習に多くの時間を割いていることがわかります。

ソフトウェア開発においても、強い選手、強いチームになるためには

『徹底した基礎練習、反復練習』

が必要不可欠だと考えています。特に現在のアダコテックでは重要だと考えます。というのも、アダコテックは機械学習分野では既に高いレベルで戦っていますが、クラウドサービスの経験はほとんどありません。いわば、ハンドボールでオリンピックに出た人がサッカーで戦っているようなものです。ゆえに運動すらしていない人よりはレベルは高いと思いますが、そのままではうまくボールは回りません。サッカーにはサッカーのための訓練が必要です。

私がスポーツから学んだこと

話がやや逸れますが、私が高校生の頃は陸上部で短距離を走っていました。中学生時代は運動はほぼしていなくて、平均よりは走るの速いねくらいでした。入った当初は練習のグラウンド周回にもついていけなくてヒィヒィ言っていた日々を覚えています。2ヶ月くらい頑張って、ようやくグラウンドの周回でおいていかれることはなくなりました。
しかし、それはスタートラインにたっただけで、そこから日々練習の毎日です。練習しすぎて怪我したこともありますし、練習がキツすぎて『今日やめよう、明日やめよう』とか思ったことも多々ありました。結果的には予選を突破することもできない二流選手でしたが、なんとか3年間陸上を続けることはできました。
そこで得た学びは
・記録を上げるには当たり前の水準を上げることが必要
・一流の人は一流の練習をしている
ということです。
しかし、エンジニアの世界では最初の一歩を踏み出すための、入門書はたくさんありますが、そこから先の本当のプロフェッショナルとして踏み出す上で必要な『トレーニング』は実はそこまで整備されていません。しかし、エンジニアの世界ではプロフェッショナルになるためにトレーニングが不要というわけではありません。世の中で一流として活躍しているエンジニアの方々は、普通の人よりもより練習し、実践し、そして多く失敗しています。
しかし、トレーニングは長くやればいいというものでもないようです。人間の集中力の継続時間は約2時間程度であり、プロサッカーチームの練習時間も2時間程度で終わるようです。やるときは集中して徹底的に訓練し、休むときは休む。これが効果的にスキルを高めるための大切な考え方です。

まとめ

エンジニアの組織作りをサッカーチームに喩えると、意外と共通点も多く、伝わりやすくなるという話でした。ちなみに弊社CEOは大学時代はラクロスをやってたこともあり、より深い理解を得られたかもしれません。

それだけでなく、まるでサカつくでもやる感覚でエンジニア組織を構想できた気がします。みなさんも自分たちのチームをトッププロチームにするための構想を考えてみてください。

現在、弊社はクラウドサービスを開発するメンバーを募集しています。お待ちしております!


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