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割れたハートを捨てよ、そしてハートへ

2021/10/某日

支店でのお当番日。
それまでのどんな私のユーウツをも打ち破る、主婦のミヤギさんと喋りまくった。

主に恋バナ。もはや仕事の手を止めて恋バナ。ヤマトさんが集荷に入ってこられてる時も恋バナ(ちょうど一番白熱していた)。大好きな人にふられるってつらかった、とか、ミヤギさんは過去の失恋の後遊びすぎちゃった、とか、旦那さんとのなれそめなど色々話した。
ミヤギさんは、お会いするごとにどんどんあっけらかんとした感じが増している気がする。この日も支店に大きなクモが出て私が騒いだら、
「飼ってるんですwははw」
とてきとうめなことを言って、営業の誰かのものであろうパンフレットで"あっちいけ"してくれた。
その一振りが想像以上に大きかった。
少し妙な音がして、あっという間にクモが消えた。
なんかシーンとしたので、
「あれ、潰れちゃったんですかね。。。」と私が恐る恐る聞いたら、「そうかもw」と笑ってた。(ちなみにミヤギさんは、半角の「w」じゃなくて全角の「w」が似合う。)
クモってなんとなくやっつけるの躊躇う類の虫だと私は思っているのだけど、ミヤギさんは"本来"とくに気にされないらしい。ただ支店にいる営業の男の子たち、おじさま方がいつも、クモが出るたび「逃がしてあげて」と言うので、しょうがなく外へ逃してあげるのだそうだ。
クモだからやっつけづらい、という私やその男性陣の感覚がピンとこないというミヤギさん。強し。

最近の口癖なのか、何度も「しょっぱい」と言ってた。
あーこの袋せっかく出したのに汚れてるわしょっぱい、ずっと置きっ放しの誰かの傘ボロボロでしょっぱい、という感じで。
〈きびぃ↓〉くらいのニュアンスだろうか。
さりげなくおもしろかった。

2021/10/某日

仕事を休んだ!!!

休まなきゃやっていられなかったのである!
前々日からメーワクかけないように抜け目なく諸々済ませて準備して、朝、腹痛と伝えて休んだ。
無理せずよく休むようにという上司のからのラインに返信した後、部屋でボーーーっとした。もっと心が痛むかなと思ったけれど、やってみると"たまにはお休み。"ってただそれだけのことで、こんな日もあるよと思えるごく普通の一日だった。

外はほどよい小雨で、ああ、一秒一分時間をじっくりかみ締められる日に小雨なんて最高だと思った。もどかしいくらい嬉しかった。晴れでもいいけど、気合入ってどこかへ時間をかけて移動したりするうちに一日が終わってしまうからね。
昼間にココロの病院に行って薬を貰った。

2021/10/某日

薬、お腹痛くなるけど本当に心が安定する、、、!脳のある物質が不足していた場合、補える効果があるらしいのだけど、飲んでびっっくり、全然気持ちが沈まない。
もしかしてこれが私の本当の、"普通の"精神状態だったのかな?とカンドーしている。
心の中に風船があるとしたら、それがちゃんとぴっと張って膨らんでる感じ。
ちょっと考えごとがあっても、いつもならありえないくらい深い沼へ沈んでいたはずなのに、絶妙に表面ですべってとどまって、それ以上下にいかない。
気持ちが張ってる。
本当、全然ちがうよ。。。

2021/10/某日

上司と面談。
九月で一年のうちの上期が終わったので、年度の始めに書いていた目標シートがどのくらい達成できたかの確認と、業務状況、困ってることはないかなど。
ああ、いつかもう一つのnoteの方で、目標シートが全然完成せず再提出だった日のこと書いたんだよな。。時間経つの、早いねぇ。
そのシートの達成度はともかく、色々と話していたら、上司からショーゲキ的なことを言われた。

とてもよくやってるとか、優秀とか、そういうこと。

私、目がこれでもかというくらい丸くなっていたと思う。
全くそんなこと思っていなかったから。
先に面談があったビートルズのパイセンとも、入社して一年目であれだけできたか自分と重ねてみても分からない、とか話していたらしい。。そしてそれにもかかわらず、私が「自分大丈夫かな」と自信なさげであることも。

性格的なところもあるのかもしれないけれど、自信持っていいのよ。私が言いたいのはそれだけです。

そう言って、全然大丈夫と親指まで立ててくれた。グッと。いいね!をリアルでされたのは初めてだった。。笑
意識的にメンタルケアしてくれてるのかも。とも少しは思うけれど、それにしても、自分の思う自分と、第三者から見る自分って、もしかして、ほんとに違うのか。
心から、なにも一人前にできてないぽんこつだと思ってた。。

呆気にとられていたら、最後に、
"若手がどんどん辞めていっているけど何が原因だったんだと思う?"と聞かれた。
ロードー環境?事業的に先が見えない?
色々あるのかもしれないけど、わからない。あまりちゃんと答えられないでいたら、上司は「自分にも責任があると思っている」と言ってた。
問題に気づいてそれに対応できていたら、優秀な人たちが辞めずにすんだんじゃないかと。

いつも、去る方は案外さわやかに旅立って、残る方は後のことを引き受けることになる。
ハローグッバイ、世の常だ。

2021/10/某日

寒すぎた日。
鈴の音ボイスの後輩ユリちゃんに ( 〇〇サンッ…!今度ランチお願いしたいデス…! ) と声をかけられてうれしかった。
年下の女のコってなんてなんてかわいい生物なんだろうとしみじみ。
じゃあ25日の13時〜とかはどうかな?と聞くと、"ありよりのありデスっ"と言ってて、若く、さらにかわいかった。胸の中、大学のキャンパスの春みたいな風が吹き抜けた。
帰りはサキコちゃんで、「あぁ〇〇さん疲れてるーと思って話しかけちゃいましたァ」とのこと。
全然疲れてなかったからびっくりした。。笑
昨日遅くまで残業してたねと言うと、なにやらなぞのハンコを押し続けるためだけにずっと残っていたという。
ひそひそした小声で、らんらんとした瞳で教えてくれた。目を合わせたら、もう夕方ということもあってモカ色の太いアイラインが少し滲み、瞼に広がる濃いピンクのラメのアイシャドウがこっくり馴染んでいるのが見てとれた。
それにしても、相変わらずどこか不憫な働き方のサキコちゃんだ。
もーかわいい。ただ、かわいいよ。
サキコちゃんともお昼に行く日が決まった。楽しみ。

2021/10/某日

薬を飲むと日中かなり眠くなったり、お腹の調子が悪かったりして体調がくるってしまうところがあったので、時々は飲まないようにしている。
明日は必要ないかもな、って日は飲まない。
在宅でそんなに人と関わらない日とか、楽しい休日とかね。やっぱり、日中の働いている時間にダウナーが来るのが一番やっかいなんだよね。ホント。
けど飲まなくても、へこみすぎない、深刻になりすぎないクセが微妙に残っているおかげで、わりと気持ちは張っているみたい。ありがたい!
ムカッとすることも、へこむことも人生だからずっとあるのだろうけど、"自分だけがおかしい""自分だけができてない""自分だけがわるい"みたいな思い込みは、別にそうじゃなかったのかもと少しずつ思えている。まだ時間がかかるけど。
不器用だってパーだってそれほど短所じゃなくて、ただ自分を責めすぎるのは、必要以上に自分をつらく生きさせるから、それはよくないかも。かわいそうだもんね。

仕事場では、上司とビートルズのパイセンとエントランス整備をした。
額縁をつるすほっそい凧糸を、上司がちょうどいい長さに結んでくれたのだけれど、もうちょっと調整しなくちゃならなくなりその固い結び目を解こうとして、「あー、結び目が見えない。老化だ」と嘆いていた。
"見えない、将来も見えないw"、と冗談なのかマジなのかわからないけどそういうことも言ってた。
結び目は私がほどいたのだが、それを見ながらしきりに、「いいねェ若さみなぎる!って感じだねェ」と言ってたのもおもしろかった。


言葉になってはじめて姿を表すものがあるんなら、私はなんとか私のイイトコを言葉にして存在させてあげたいね。
そんなことを思ってみたりした。
人生なんてあたりまえに、自分を好きになれる場所や人のそばで生きたい。とっても当たり前で、思っていいこと!うむうむ

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