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課長の本当は教えたく無い音楽#3「愛したから新たな視で」

みなさん青春ってありました?

初っ端から「有無」を問うところ、感じ取って欲しいんですけど、
まともなラブロマンス的青春を送ってない人間に向けてこの記事書いてます。
そう、君たちみたいな「クラスの奴ら」「流行のアイドル」「おままごとみたいな恋愛ドラマ」とかが嫌いな人間向けの記事です。

まぁ見てくれてる人を腐す割には自分もそっち側の人間な訳でして。
青春っていうと楽しかった学生生活じゃなくて、やっぱ音楽を聴いてたことばっかり思い出すタイプなんですよね。

ということで今回は自分の青春時代代表バンド「teto」の話をするべく記事を書いております。

大人になると自主的に記事を書いたり自らコミュニケーションしていかないと好きなものを語る場すらなくなっていくんだからな。うら若き読者諸君肝に銘じたまえよ。


teto "高層ビルと人工衛星"


自分にとっての「teto」といえばこの曲で、きっと向こう何年もこの曲だけは忘れないし聞き続ける自信がある。

tetoって平たく言うとパンクに分類されると思うんですけど、
自分大学生になるまでパンクなんて1バンドも聞かないような人間だったんですよ。なんならちょっと小馬鹿にしてた。

中学~高校生の頃はひたすらに暗くて、いわゆる哲学的(と言われたがっているよう)な歌詞で歌うバンドばっかりを聞いてました。あとボカロ。
そうすれば「自分は人とは違う」「俺の聞いている音楽は高尚だ」と思い込んで、それまで無駄にまじめに生きてきた無意味な人生にも意味が生まれるような気がしてたんですよね。
おい大丈夫かこの文章。暗すぎる。殺人鬼の独白か?

そのインターネット殺人鬼も大学に入り、軽音楽部に入ったことで、世間の皆々様は暗い歌詞のバンド以外も聞くんだということを知り、様々なバンドにであい、そして「高層ビルと人工衛星」に出会ってしまったことで、今までの音楽観をひっくり返されたわけです。

ライブの映像も見てほしい。

爆音、轟音。
聞いたことないくらいうるせぇ。
なのになんか懐かしい。

自分の中に岡崎京子のPinkの思い出なんかないのに、音・歌詞・動きの一つ一つに存在しない記憶すらよぎるノスタルジックがある。
ばかばかしいんですけど、これが神様か、とすら思うほど心打たれたんですよね。(実際自分のいた軽音楽部には同じようなteto狂信者もいて、小規模な宗教が発生していた)

僭越ながらこの曲について音楽的な話をさせていただくと、
高層ビルと人工衛星って「カノン進行」

カノン進行って何ぞや?って人向けにちょっと説明すると、クラシックの曲「カノン」で使われているコード進行のことです。

C→G→Am→Em→F→C→F→G

これが何なのかっていうと、大変聞き心地の良いコード進行の一つで、「このコード進行しとけば間違いない」「名曲製造機」「公式公認チート」みたいな感じです。多分。

ただ強すぎる力には代償が伴うらしく、「この進行でしか曲かけね~」ってなったり、「カノン進行の曲で売れちゃったけど、ほかの曲売れね~」に陥りやすいらしい。(人の受け売りだかららしいとしか言えないね。間抜け)

しかしそこのところtetoはすごくて、カノン進行だろうが、そうじゃない曲だろうが、全部が最高にカッコいい。
だから気に入った。


teto "9月になること"


tetoの初期~中期の曲はかなり韻を踏む歌詞が多い。
この曲も初期のミニアルバム「dystopia」収録なんで例にもれず、韻と情景描写でつながった言葉たちが矢継ぎ早にあふれてくる、そんな一曲。

この曲はCメロ以降のコーラス担当としてたかはしほのか(リーガルリリー)が参加しており、もともと夏の概念みたいな透き通った歌詞とメロディをしているこの曲の最後に、ひと夏の恋みたいなきらめきをプラスしている。

パンクバンドって激しくて盛り上がって熱くて、それが良さだと思うんですけど、tetoはそれだけで終わらない凄さがあって、
それはリスナーを曲の世界にのめり込ませる「隙」があること。

この曲でいうと、例えば「アイスキャンディー」「扇風機」「白昼夢」「海岸線」「蛍光灯」とか、断続的に夏を想起させる名詞が出てくるんですけど、パッと見てそれぞれが歌詞全体のストーリーとしてはつながっているようには見えないんですよね。

単語と単語の隙間に明確なストーリーは語られなくて、ただそれゆえにリスナーが自分の思い出や理想をはめ込んで自分の話に引き寄せることができる、『想像の余地』が残されているのがポイントなんじゃないかと思ってます。

俺らみたいなナードでも、tetoに魅了されるからくりはそこなんじゃないかと思うんですわな。


teto "拝啓"


まぁ、しんみり聞くバンドではないし、
「エモ~い」とか言ってたらこのスピードでぶん殴ってくるんですけどね。

拝啓 今まで出会えた人達へ
刹那的な生き方、眩しさなど求めてはいないから
浅くていいから息をし続けてくれないか

なんだこの歌詞。良すぎるだろ。
急に「teto」として、「小池貞利」として超ド級のメッセージを伝えてくるな。
さっきまでこっちに主導権あっただろうに。

この曲もすごいスピードで韻を踏みながら進行していくんだけど、
最後にこんな歌詞歌われたら、全部そこに持っていっていかれちゃうよ。
惚れてまうやろ。


という事でここまでtetoの紹介でした。
ただ、tetoを語るならもう一つ、言わなくてはいけない事があります。

teto、(実質)解散してます。

紹介したMVに登場していた4人は、今は
小池(Vo.Gt)、佐藤(Ba.Cho): the dadadadys
山﨑(Gt.Cho)、福田(Dr.Cho):Order From Minor.
として、それぞれ別のバンドで活躍しています。

実質、と書いたのはthe dadadadysというバンド自体がtetoからの改名と言う形で生まれたからです。
OFM.を始めた2人は、tetoからの脱退という形だったわけですね。

なのでthe dadadadysのライブではteto時代の曲も演ってるらしい。

ただ、懐古厨みたいなこと言うと
tetoとthe dadadadys、Order From Minor.は完全に別物だと思ってます。
Youtubeのコメント欄見てるとtetoファンがそのままthe dadadadysファンになってるのも見受けられますけどね。

まぁその辺の評価は個人に委ねます。俺はtetoの話がしたかっただけなので。
オタク君ってさ、好きなものの話するときだけ早口だし話長いね。

以上、課長でした。

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