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アスファルトの隙間から、雨を好きになる。


ユメノハナシ

ちいさな動物たちが通う、小学校の夢を見た。登場人物(じゃなくて動物)は、入学したての、小学一年生たち。

今日は、雨だ。

「雨かあ。つまんないなあ。」

リスが言った。まわりのみんなも、そうだね、と口々に言った。

そんな中、かえるくんだけは、うれしそうにぴょんぴょん跳ねはじめた。

「ねえ、かえるくん。どうしてそんなに、うれしそうなの。」

「ぼく、雨がすきなんだ。」

「ふうん。」

このことがあってから、リスは、なんだか雨がきらいではなくなった。少なくとも、きらいではなくなった。

雨がふると、かえるくんのうれしそうな顔が思い浮かぶから。

アスファルトの隙間から


この何ともしあわせな夢を見た次の朝。

アスファルトの地面ばかり見ているから雨が嫌になるんじゃないかと、ふと思ったことがあったのを思い出した。

雨の日に周りをよーく見てみる。
庭に植えてるオリーブや、公園の木や、アスファルトの隙間から懸命に顔を出してる小さな花たちは、よろこんでるよ。

だれかがよろこんでるのだとしたら、雨の日も少ししあわせ。って、思えるようになるかもね。

雨の日の過ごしかた


ぽつぽつという音を聴きながら、窓で切り取られた雨の風景をぼうっと眺めるのは、結構好きだ。

雨にまつわる曲といえば、ショパンの「雨だれの前奏曲」が有名だけど、やわらかな雨の日にわたしがきまって思い出すのは、ブラームスのヴァイオリンソナタ第一番「雨の歌」。

クララという女性を生涯愛したとされるブラームスが、クララのことを想って書いた曲(元々は歌曲だけど、詳細は省く)。

こんなにやさしくてあたたかい音楽があるなんて、と、はじめて出会ったときはほんとうに心が震えた。

クラシックは聴き比べが楽しいので、雨の日の「雨の歌」、ぜひいろいろと聴いてみてほしい。

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