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数えきれないほど旅に出て、また、律儀に戻ってくる。

「帰るところがあるから、ひとは、旅に出る」

だれかが、そう言っていた、か、書き残して行ったのか...

田舎の中学生が家出した。

理由は何んだったの?

同級生の女の子は、そう聞こうとして、それを止めた。
分かっていたから、分からないことが分かっていたから。

帰るところがあるから、か。

帰るところがそこしかなかったからか。

家人のお母さんのお骨を、函館のお寺に納骨に行ってきた。

三日間の短い旅から、昨夜、羽田空港に着陸したのは、十時前だった。

そして、豆腐と油揚げ、長ねぎ、刻まなかった万能ねぎの味噌汁を前にして、ぼくの今朝がはじまる。

いただきます。


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