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丸の内・東京駅・月島徘徊。

本屋閉店・新規出店・佐伯祐三展。


丸ビル3,4階に「TSUTAYA」が出店されていたことに、先週木曜日になって気が付いた。
ここは元「コンランショップ」だったろうか...

新刊書店の体だが、品数がそうはなっていない。
”本も買えるカフェラウンジ”として機能していくのだろうなぁ、と勝手に納得。
そう言えばスタバは、”コーヒーを売るのではなく、コーヒーを楽しむ空間と時間を提供している”というコンセプトだったことを思い出す。





つい先日、三月に閉店する八重洲ブックセンターに行ってきたばかりで、閉店と新規出店の雰囲気を、ほぼ同時に味わってきた。

ブックセンターの各階、各書架をゆっくり回ってきた。
閉店のお知らせと、終売をあおるPOPが飾られている以外、見える範囲に変わりはない。
ただ、気のせいか、ここにある何万冊という本が静かに目を閉じ、深い眠りに入っていくように感じるのは、またひとつ本屋が消えてなくなるセンチメンタリズムによるものなんだろうな。

大規模開発完了の暁の再開店を祈るばかり。

今回、徘徊のお目当ては「東京ステーションギャラリー」「佐伯祐三展」。

赤煉瓦の壁を活かしたデザインと空間と空間のつながりが気に入っている。

代々木公園にある友だちのヘアサロンに髪を切りに行った家人と、千代田線「二重橋前」駅で待ち合わせ。

丸ビルを通り抜けて東京駅に向かう。

駅舎の神田駅寄りにあるギャラリーは、夕刻だからだろうか、思いの外入場者が多く、みんな三年も続く自粛状況からこころを開き始めているんだなぁ、と思ったり。


展示は、佐伯祐三の自画像から始まる。
顔の塗りつぶされた立像に迎えられる。
あらためて感銘。
画家の魂魄を思わされる。

☆大阪と東京:画家になるまで

☆大阪と東京:<柱>と坂の日本ー下落合と滞船

☆親しい人々の肖像

☆静物

☆パリ:自己の作風を模索して

☆パリ:壁のパリ

☆パリ:線のパリ

☆ヴィリエ=シュル=モラン

☆エピローグ 人物と扉

展示の構成・順はこうなっていた。

夭逝の画家と承知していても、惜しいことをと、つい思ってしまう。

エピローグに、有名な郵便配達夫の半身と、椅子に腰かけた姿が並んでいた。

病をおして絵筆を握る佐伯を、半身に描かれた配達夫が心配そうに見ている。
ぼくには、そう見えた。



家人とふたり、ホームタウンのひとつである月島へ。

とびっきり旨くてリーズナブルなお鮨を食べて、バーボンとラムを飲みに行く。

はじめてのラムが舌を唸らせる。
ベネズエラの産。


パリの街の様々な壁と、靴屋の扉、洗濯屋の扉、レストランの扉、街角の野外広告から飛び出す文字の気迫を想う。

画家は、何を探していたのだろうか。
バーボンソーダを飲む家人と、しばし沈思のため息。

さて、さて、ほどほどの酔い。

酔眼二人は、家路に着く。


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