ほうれん草のグラタンとピペラッド 〜フレンチの副菜2品によるW主演
ボンソワール!ケイチェルおじだよ。
今日は午後のスイーツ作りが上手くいって(まだ食べてないから分からないけど)、夜ご飯も美味しかったからゴキゲンだ!
と言いたいところだけど、夏休みも今日で終わりと思うと最低の気分になる…。いかんいかん、寝るまでは明日のことを考えないようにしたい。
で、数日前から思ってたことがあって、それは何かと言うと、「少しでも涼しくなったらグラタン作りたい!」ってこと。
グラタンというとどうしても冬の食べ物のイメージだよね。年中食べても良さそうだけど、あんまり暑いとさすがに作る気にはならなかった。ただ、もうかれこれ4ヶ月くらいはグラタン食べてないから、そろそろ食べたくなってきた。
そこで今日はわりと涼しかったので、晩ご飯に作ることにしました。
ところで、日本ではグラタンってメイン料理のイメージなんだろうか。おそらく家庭で食べるときは、1人用のグラタン皿でメイン料理として食べられることが多いんじゃないかと思う。
だけど、おいたんがフランスにいたとき、グラタンがメインで出てきたことって1度もなかったんだよね。ほとんどはメインの肉料理の付け合わせ。前菜として食べたこともあったかどうか思い出せないくらい、ほとんど付け合わせだったと思う。
最初に食べたのは、フランスのトゥールっていう町のレストランで、ラムチョップのステーキ頼んだら、付け合わせがグラタンだった。それもほうれん草とジャガイモだけのシンプルなグラタン。家庭では特にそうだけど、大皿の耐熱皿でオーブンでいっぺんに焼いて、それぞれの皿に取り分けるんだよね。レストランでもおそらく厨房で大皿から取り分けられたものをゴテッとステーキの横に添えたものと思われる。
そのフランスで初めて食べたグラタンの美味しかったこと!ラムチョップよりグラタンの方が印象に残ったくらい。以来、鴨が生まれて最初に見たものを母親と思うみたいに、おいたんにとってはグラタンの基本はほうれん草とジャガイモだけのグラタンなんだ。
ちなみに、おいたんのグラタン作り歴は割と長い。プロフィールの自己紹介記事に書いたように、いろんな料理を作り出したのはここ1〜2年なんだけど、パスタとかカレーとか簡単な料理は学生時代から作ってた。グラタンも実は昔から作ってた料理で、作るの簡単なんだよね(難しいイメージを持ってる人は多いみたいだけど)。
おそらく難しいイメージの原因はベシャメルソース作りにあると思うけど、個人的にはベシャメルの作り方にそんなにこだわる必要あるのかなあって思ってる。今日は失敗なしの簡単な方法を紹介したい。
その前に、そもそも論として仏語のgratinerっていう動詞は「焼き色をつける」って意味で、とりわけグラタン料理の元となった「グラタン・ドフィノワ(ドフィネ地方のグラタン)」は小麦粉を使わず、ジャガイモのでんぷんでとろみをつける料理らしいから、ベシャメルは必須ってわけではないんだよね。
おいたんもベシャメルから作ることはあるけど、たまーに失敗する。ほとんどの人と同じで失敗は小麦粉がダマになることだけど、いったんダマになってしまったら長時間ひたすらかき混ぜたり、場合によってはボウルに移し替えてホイッパーで混ぜたり、とにかく面倒なことになるよね。最初にそれを経験してグラタン作らない人も多いかもしれない。
ちなみに半年ほど前にドリア作ったときの上手くいったベシャメル↓。9割位はこんなふうに上手くいくんだけど。
ちなみに、今回グラタンを作るにあたり、フランス語のサイトやYoutube動画を見て作り方を研究してみた。そしたら作り方のバリエーションは本当にいろいろあって、一概にどれが正解って言えないんじゃないかと思ってる。
基本のグラタン・ドフィノワは、切ったばかりのジャガイモを牛乳に投入して、オーブンで40分くらいじっくり煮ながら焼き色をつけるやり方。ただ、ほうれん草のグラタンの場合この方法は少数派で、大部分はベシャメル・ジャガイモボイル・ほうれん草ボイルを別々に行い、最後に耐熱皿に盛ってオーブンで焼くっていうパターン。
おいたんのやり方はそのどちらでもないけど、フライパン1枚、電子レンジ、グラタン皿、オーブン、これだけあればできるし、かつ美味しさでも引けをとらないと思ってる。さっそく作っていこう。
まずは材料↓
うっかりバター忘れてる。冷蔵庫にかろうじて残ってた有塩バターを20gくらい(グラタン皿に塗る分を含む)使います。
まずはジャガイモの皮を剥きます。
今日はピーラーじゃなくてペティナイフで欧米人みたいにぐいっと手前に向くやり方(これ何て呼ぶんかな?シャトー剥き?)を練習。全然できなくて3分の1くらいで諦めて結局ピーラーに(笑) どなたかこの剥き方の効果的な練習法教えて下さい。このペティナイフの使い方に妙に憧れがある(笑)
5~7mmくらいにスライスして、軽く塩を振り、小さじ1程度の水を入れて、レンジで600W5分チンします。
大さじ1のオリーブオイルでニンニクと玉ねぎを炒めます。グラタンにニンニク入れない人は多いと思うけど、フランスの大衆料理にニンニクは欠かせないと思ってる。玉ねぎはできるだけ薄くスライスします。火力は最後まで一貫して弱めの中火です(うちのIHコンロだと7段階中3)。
ニンニクと玉ねぎは茶色くならないように、透明になったくらいでバター20gを加え、ほうれん草を投入します。ほうれん草のバター炒めを作るイメージ。
ほうれん草がしんなりしたら、小麦粉をバターと同量加えます。
ほうれん草のバター小麦粉炒めを作るイメージで混ぜながら炒めます。ほうれん草がグジュグジュになっても構いません。おいたんがトゥールで食べたグラタンのほうれん草はグジュグジュだったし、Youtubeなどの動画ではほうれん草をフープロにかける人もいるくらい。
だいたい5分くらいしっかり炒めたら、牛乳100ccを少しずつ加えながら混ぜます。だいたい4回くらいに分ける感じで、小麦粉が全部溶けるようにしかり混ぜてください。
小麦粉が牛乳に溶けたら、生クリーム100ccを加えます。分けずに一気に投入して大丈夫です。
沸騰するまで、全体が馴染むようにしっかり混ぜ続けてください。
軽く沸騰の泡が立ったら、レンチンしたジャガイモを投入し、また混ぜます。ジャガイモの表面の煮崩れでクリームスープが粘度のあるベシャメルっぽくなってきます。
適度な粘度になったら、塩・コショウ・ナツメグで味付けをします。自信のない人は塩を1つまみずつ加えてそのつど味を見ましょう。
味が決まったらグラタン皿によそいます。
100均の大きめなグラタン皿にはちょっと量が足りなかったかな。今日は別皿によそうので問題ないんですが。日本語のサイトに「小麦粉を具材と一緒に炒めると色が悪くなる」って書いてあったけど、玉ねぎやほうれん草に限ってはそんなことないのが分かると思います。グラタンのベシャメルは白い色が大事で、小麦粉を茶色に焦がしてルーにするわけじゃないから、これで何の問題もないと思うんだよね。
さて、ここからオーブンでグラティネしていくんだけど、その前に非常に大事な問題に直面します。それは、数ヶ月前にあの土井善晴先生がアプリでグラタンを作ってたときに仰ってた言葉です。「なぜグラタンにチーズを振るのか、答えられる者だけがチーズを振りなさい」
「美味しいから」はダメだそうです。おいたんは答えられない(笑)
確かに、グラタン・ドフィノワなんかはチーズ振らないレシピが多いから、チーズ使わないのが基本なのかもしれない。おいたんがトゥールで食べたほうれん草のグラタンもチーズは入ってなかったと思う。
なので、今回はピザ用チーズも粉チーズもなしで焼いてみます。中身に火は通ってるので、表面をコンガリさせるために230度で10分。
チーズなしでもしっかり焦げ目がついてます。今日はこれを別の皿によそって食べます。
ついでにもう1品、バスク地方の料理ピペラッドを作ろう。これまで何度か作ったカポナータがラタトゥイユの甘酸っぱい版だとしたら、ピペラッドとはラタトゥイユのピリ辛版。材料はこちら↓
バスク地方の唐辛子は手に入らないので、おいたん御用達のハラペーニョを使います。バスク唐辛子はややピリ辛らしいけど、これだと激辛になりそうだが、望むところだ。
ちなみにこのピペラッド、いつもお世話になってる酒処ユイじょり亭のユイじょりさんが作ってるのを参考にしました。詳しい作り方はユイじょりさんの記事をご覧ください。
ほとんどユイじょりさんのコピーで作ったんだけど、違いはハラペーニョと、ピペラッドは卵料理になりがちってことで、最後に卵落としてみました。
さて、いよいよ以上の2品を盛り付けます。完成形はこちら↓
フレンチを代表する付け合せ料理の共演!冷凍インゲンを焼いて付け合わせ?にしてみた。
久々に食べるグラタン、すごく美味くできて、トゥールで食べて感動したグラタンを思い出す。ちなみに、味の構成は牛乳&生クリーム&小麦粉にバターと塩コショウだけよ。コンソメとか一切なし。なのにうまい。とある日本語のサイトで「牛乳と小麦粉と塩だけだからベシャメルだけでは美味しくない」って書いてる人いたけど、それは間違いだと思うなあ。クリームパスタなんかで牛乳に塩だけでも美味しいことあるもんね。
さらに生クリーム使った良いソースだから、「チーズは不要」っていう土井先生の言葉も分かる。これだけの味を楽しむべき。
ピペラッドも激辛で美味しかったです。卵落とすとメキシコの朝ごはん「ウエボス・ランチェロス」に似てるな。ハラペーニョ使ってるからかw
というわけで、グラタンに苦手意識がある人は具材に小麦粉かけて炒める方式でやってみてはいかがでしょう。ダマになる失敗はないし、ベシャメル別に作るやり方と味に遜色ないと思うので。
おわり。
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