これからの「つながり」の話

こんばんは、久しぶりの投稿です。私の住んでいる県でも緊急事態宣言が解除され、勤務(学校)が再開しました。

慌ただしい毎日が始まりましたが、やはり子どもに会って話をしたり、勉強を教えたりするのは楽しいです。今年度はコロナの影響で今後の行事などもまだ不明なところも多いですが、早く収束し、平穏な日々が戻ることを願っています。


さて、今週は中学校社会科地理的分野の教材研究も兼ねて、地理に関する本を4冊読みました。参考文献を一番下に載せているので、気になる方は是非(『新しい地政学』は比較的新しくて感染症に関することも書いてあったけど、難しかった~苦戦しました笑)

地理の本を読んでいると、「グローバル化」って言葉が頻繁に出てきました。

グローバル化って、世界が一体となってヒト・モノ・情報などの移動が容易に行われることですよね。もっと、簡潔に言えば世界の「つながり」が濃くなったってことですよね。

そんなことをいろいろ考えていて、このまま地理の話をしても面白くないな~と思っていて、少しでも社会科の教育内容(教師が教えること、子どもが学習すること)を分かりやすく、かつ身近に感じられるようにといろいろ考えまして…


これからの「つながり」について話していきたいと思います(唐突?!)

みなさんは「つながり」と聞いて何を思い浮かべますか?家族、恋人、隣の家の人、中学高校の友人…。今あるつながりもあれば、もう終わってしまったつながりもありますよね。そして、最もつながりを実感できるのは、「直接会って話をすること」だと思っていました。

直接的なもの、物理的な「つながり」を少し改める機会が今回のコロナだったのかな~と思います。(もちろん感染者とつながることで感染が拡大していったという側面もあります)

「つながり」の象徴である、世界のグローバル化も次の段階へ変わる時期が来たのではないかと感じています。

今日は、中学校社会科の地理の内容を例にしながら、つながることの良い面と悪い面について考え、これから世界、そして人々はどのようにつながっていけばよいのか、私の考えを述べていきたいと思います。

今日は少しだけ専門的な話も出てきますが、興味深い内容も多いと思います。お付き合いください~


まずは、「つながることの良い面」です。一言でいうと「効率化」です。

人って得意なことや苦手なことがありますよね?もちろん人の集合体である国もそうです。資源(石油・石炭など)を生かして国を活性化させる国、それらの資源を使って製品を作って売る国、作られた製品を取引することでお金を稼ぐ国…など、その国の環境や周囲の国との関係など様々な要因を考慮して、国って成り立っています。

例えば、西アジアの国々(サウジアラビアなど)は石油がたくさん取れます。石油が取れない日本はそれを買って(輸入して)生活しています。一方で日本は強みである自動車の生産などを行い、多くの国に売っています。

「得意なことを、得意な人がする。苦手なことはせず、得意な人の力を借りる」これが、今の世界の構図です。このことを「国際分業」といいます。

苦手なことであればお金も時間もかかりますが、得意なことはそれほど労力は必要ありませんよね。自分ができることをして、他のことは得意な人にやってもらう。(絵が苦手な私は、似顔絵を書いて提出するとき、いつも絵が得意な人に書いてもらっています。)

つながることで、効率化できる。これが一つ目のお話です。


次に、「つながることの悪い面」です。このお話の結論は、「共倒れになってしまう」です。

いま世界では「グローバルな生産体制」が基本です。

皆さんスマホ持ってますよね?その中でも有名なのがiPhone。iPhoneを作っているアップルという会社は、アメリカの会社なんですが実は、世界各地で部品を作って、中国で組み立てているんですよね。世界で活躍する企業を「多国籍企業」といいます。

さっきの「つながることの良い面」と同じで、「私の国はこの部品を作るのが得意」というところで仕事を分担して、安くて豊富な労働力がある中国が組み立てることで、低コストでスマホをつくることができるんですよね。安く作れればもうけも大きくなる。

では、このグローバルな生産体制の何が問題なのか。

例えばAという部品を作っている国で災害が起きたとします…。そしたら、いくら他の国に何もなくても製品を完成させるくことができませんよね。だって、完成させるためのパーツが一つないんだから!

具体的な事例として、東日本大震災で部品を作る工場が操業停止になったとき、他の国にある製品を組み立てる工場も操業停止したんだとか…

つながりが強いからこそ、別のところのダメージが自分のところにも来るんですね。

そんなことを回避するため、資源・部品の供給先を分散させたりするなどの工夫をしてリスクを下げるなども工夫もされているようです。

2つ目の話、つながることの悪い面は、「共倒れになる」でした。



さあ、ここまで(少し説明が粗くなってしまいました泣)地理の話をしながら「つながり」について考えてきました。もっと身近な話をしたいと思います。


この前、大学の友人と「オンライン飲み会」をしたんですよ。3人でしたんですが、それぞれ違う都道府県にいて、直接だったらなかなか会うのが難しいのですが、オンラインだとスムーズでした。

しかし「オンラインだからあんまり会った気がしないのでは?」と思っていたんですが、お酒の影響もあったのか、とても楽しく、大学時代の楽しい時間を思い出すようでした。

その時思いました。

「あ、つながりって心のつながりなのか」と…。


たとえ物理的に離れていても、相手の顔を見ることができて、声を聞くことができて同じ時間に同じことをしていれば、つながっている感覚になれるんだなぁと。

遠くない未来には、相手の体温やにおいを感じた入り、触ることもできるのではないかと思います。そうやって、技術が進歩していくと、つながる方法ももっと多様になっていくのではないかと思います。



有名人が誹謗中傷を受けて命を落とすという悲しい事件がありました。様々な議論が起きていますが、「つながる」という感覚の欠如ではないかと思います。「だれがやったかわからない」「たいしたことないだろう」と。

世の中が便利になって、自分の考えを自由に言えるようになったなかで、相手との「つながり」を実感できず、間違った行為をしてしまうというのは非常に残念なことだと思います。

SNSの普及で人と人のつながりが多様に、便利になった今だから、コロナで人と直接会えない今だからこそ、「つながり」の意味をもう一度考え直したいと強く思いました。

そして、これまでの、これからのつながりが楽しく幸せになるように願って、すべての人がほかの人とのつながりを感じられる世の中になることを祈って今日のお話の締めにしたいと思います。

みなさんに良い「つながり」がありますように…。


長い文章でしたが、ありがとうございました。ご感想・ご意見お待ちしております。


【参考文献】

伊藤智章 『地図化すると世の中が見えてくる』(2016)
伊藤智章 『東大のクールな地理』(2016)
宮路秀作 『経済は地理から学べ』(2017)
北岡・細谷 『新しい地政学』(2020)

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