あんこが食べたくなるぞ、本好き女子よ
待望の4作目も発行された「和菓子のアン」シリーズ。
まあ、第1作目「和菓子のアン」を手に取った時には、美味しそうなお饅頭が描かれた装丁を見て食いしん坊心から、読むに至った私である。
ストーリーの全体は、高校卒業したての女の子がこの先の身の振り方を考えてるところから始まる。
ここからもう、1回目の共感。
そうなんだよ、高校卒業ってなったけど、ちゃんと就職、進学に向かっている人達とは違う、何となくその道を選ばなかった自分。
やりたいことも特にない、大学で突き詰めたい学問も思いつかず、入りたい企業も決まっていない。
その状態で卒業した、さあ、その先は?
割と似たような境遇、気持ちになる18才もいると思われる。
そこから、やりたいことを見出し、望むべき道へ向かう人もいるだろうが、やはり決心がつくまでは悩む期間が出てくるだろう。
この作品の主人公も、やっと訪れた義務教育の終わりに楽観的な気持ちを持ちつつも、将来はどうするべきか?と、焦りを持つ。
しかし、自分の好きなもの、事柄が一度特定できてしまえば、なんとなくその道を進んでしまうのも、よき選択と言えるであるだろう。
この作品は、誰もが考える「将来どんな仕事に就いて、人生を生きていくか」という逡巡や焦りを主人公の成長とともに、自分の実体験、実際に感じた想いを追い、懐かしむことができる作品だと考える。
また、作品のカテゴライズとしては「日常お仕事ミステリ」であるため、本格ミステリとは異なる、のどかな情景のなかに隠れた、何故?と感じる事象を紐解いていく謎解き要素も楽しい。
前置きが長くなったが、この作品に出てくるお菓子たちの一部を紹介。
・お饅頭
・お団子
・上生菓子
・羊羹
・お煎餅
・おはぎ
・最中 などなど...
ざっくりとした羅列だが、上生菓子にも季節にあわせた菓子名がつけられている。
この菓子名も謎として登場しているので、実際に菓子のフォルムや味を想像しながら、読み進めてみて欲しい。
最後に、この本を読む時の手元おやつは
緑茶に蒸したお饅頭(中身はつぶあん)
を是非おすすめしたい。
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