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北海道高校入試2021解説【理科】[1]

 2021(令和3)年度の北海道公立高校入試が3月4日(木)に、記録が残る限り初めて1日延期で実施されました(雪害による延期)。今春の入試は、2020年始めの一斉休校により以下の内容が出題範囲から削られていました。

各分野のうち、次の内容
【第1分野】
・『運動とエネルギー』の「力学的エネルギー」 ・科学技術と人間
【第2分野】
・地球と宇宙 ・自然と人間

 範囲は削られ、日程はずれ込み…イレギュラー続きの中の入試でしたが、落ち着いて受験できたことを祈るばかりです。

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 さて、今年度の入試が終わったということは、来年度の入試が始まったということですね!←(気が早い)
 ということで、今年の問題の分析がてら解説を作っていってみます。

 問題は、どうしん電子版 のWEBサイトにて閲覧できます。

[1]小問集合

 2021年も[1]は毎年おなじみの小問集合でした。配点も18点と例年通りです。理科が苦手だ!という人は、[1]の完答をまずは目指しましょう。過去の問題も基礎事項ばかりなので、[2]~[5]を解けるようになる基礎力UPにもなります。

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問1(1)① オーム
 電流の範囲で〇〇の法則といえば、「オームの法則」です。電圧・電流・抵抗のそれぞれの大きさの関係が、距離・速さ・時間のような関係を持っていましたね。

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問1(2)② 進化
 「世代を重ねる間に、しだいに変化すること」と言われたら「進化」です。セットで覚えておきましょう。世代を重ねずに生物の形態が変化するものとして、「変態」というのがあります。例えば、チョウは、幼虫→さなぎ→成虫と一つの個体がその一生の間に体のかたちが変化しますが、これは「進化」ではなく、「変態」といいます。

問1(3)③ 浸食
 「水などのはたらきによってけずられること」と言われたら「浸食」です。セットで覚えておきましょう。

問1(4)④ 分子
 「原子がいくつか結びついた粒子」「最小の単位の粒子」と言われたら「分子」です。セットで覚えておきましょう。

問1(5)⑤ DNA (または、デオキシリボ核酸)
 「遺伝子の本体」「物質」と言われたら「DNS(デオキシリボ核酸)」です。セットで覚えておきましょう。

問1(6)⑥ 燃料
 「水素と酸素が化学変化を起こして水」「電気エネルギーを取り出す装置」と言われたら「燃料電池」です。セットで覚えておきましょう。

問2 ア、オ
 物体どうしが離れていてもはたらく力は、「ア 重力」「オ 磁石の力」ですね。「イ 弾性力」は、ばねを伸ばそうとしたときに縮まろうと、縮めようとすると伸びようとしてはたらく力。「ウ 摩擦力」は、あらい物体どうしが接する面ではたらく力。「エ 垂直抗力」は、物体が接している面に力をおよぼすとき、その面から反作用として受ける力。なので、イ・ウ・エは、物体どうしが離れていてははたらかない力です。

問3 ア、ウ
 石英と長石が無色。残りは有色鉱物です。

問4 0.3 (g)
 銅と酸素が反応して酸化銅ができるとき、それぞれの質量の比は、
   銅:酸素:酸化銅 = 4:1:5
となります。入試では必ず問題のなかで、この比率を導くのに必要なデータが与えられるので、覚えておかなくても解けますが、覚えているとわざわざ図表から読み取りをするまでもなく計算することができます。
求める酸素の質量をx(g)とおくと、
    1.2 : x = 4:1 より x= 0.3 (g)
と求められます。

問5 68 (%)
 乾球温度計と湿球温度計を用いた湿度の計測方法についての問題でした。与えられた条件から表を読み取ればよいだけの問題です。 乾球と湿球の温度差は、 10.0 - 7.5 = 2.5(℃)乾球の示す温度の10(℃)の行の、温度の差が2.5(℃)の列の値 68 を読み取ればよいだけです。

問6 ① 胚珠 ② 胚
 名前が似ているけど、「胚珠」と「胚」は違うもの。種子植物で、受精した後に種子になる部分が胚珠、精細胞と卵細胞が合体して細胞分裂を繰り返し、発芽したときに芽・根・茎などの新しい体になる部分を胚といいます。

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問7 D
 導線に電流を流すと、導線の周りに磁界が発生します。この磁界は、もちろん導線に近ければ近いほど強くなります。

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印刷に便利なPDF版も用意したよ!

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 [1]は知識問題がほとんどということもあり、解説もちょっと単調になりました。「進化」と合わせて「変態」も知っておいて欲しいというのは、斉藤の完全な好みの問題です。

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