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テスト期間で学ぶ大事なことは…

※学級通信「挑戦者」vol.038(2014年6月10日発行)より

 テスト期間、一番問われるのは、言うまでもなく勉強の成果(=どれだけ準備して臨むことができたか)。
 厳しい言い方をすれば、たくさん勉強したとか、一生懸命取り組みましたとかは、誰だってそう思えば言えてしまう。どれだけ結果に結びつく準備ができたか。それが問われるのがテスト。こんなに頑張ったのにそんなのひどいと思う人もいるかもしれない。けれど、少なくともこれから諸君を待ち受ける組織(大学,専門学校,会社…)の多くでは、とにかく結果を求められる。結果が出てはじめて、その過程についての評価が得られる。自分が出すべき結果に対して、どのように準備を進めればよいのか。それを考える。つまり、テスト勉強の取り組み方をどうするのかを考えるってことも、勉強の中身と同じくらい大事なこと。
 テスト勉強の取り組み方っていうとちょっと漠然としているけど、いつからやるか、それぞれの日に何をどれだけやるのか、どうやって対策するのか、ってのを決めるってこと。

 ただ、ここまでの話の中には結果を出す準備をするために大切な視点が一つ抜けている。諸君はなんだかわかるだろうか…

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 今の自分の状況求める成果を出した自分との違いは何かを考えること。もっと言えば、求める成果を具体化したものと(テストなら点数がわかりやすい)、今の自分でどの程度成果を出せるのか(問題集とかノートを見返してどれぐらい理解できているか)の二つの間にどれだけの開きがあるかを認識することが大切。

 繰り返しになるけれどまとめると、

①目標の具体化
②現状理解
③現状と目標のギャップの理解

の3ステップ。
 ギャップをどうやって埋めてくかって視点で取り組み方を考えなければならない。得意科目とそうでない科目で同じやり方でやって結果が出るわけがない。

◆◇◆◇

 高校入学後の最初の定期考査を前に、試験勉強の意味を再定義してほしかったのだと思います。漫然とテストで赤点をとらないとか、漫然とテストで良い点を取るとかということではなくて、もっと大きな視点で、テスト勉強という営みを認識して欲しかったのです。

 というのも、斉藤はできることなら定期テストをやらない方式で授業をししたい。「はい、ここテストに出ます、出します、出させます」みたいなので、生徒に学習内容を教え込むのはどうも自分の担当科目おいては、好きになれません。理科において、教科の目標や科目の目標を達成する上で、一般的な定期テストの形式というのは、ちょっと違う気がしてならないからです(といっても、仕方がないので、アレコレ工夫して出題したつもり。そのうち過去の定期テストのご紹介もしたら楽しいかな?)

 特に、前回の改訂から現れた「科学と人間生活」は、科目の特性として以下のようなことが示されています。

 「科学と人間生活」は,中学校理科で学習した内容を基礎として,自然に対する理解や科学技術の発展がこれまで私たちの日常生活や社会にいかに影響を与え,どのような役割を果たしてきたかについて,身近な事物・現象に関する観察,実験などを中心にして学び科学的な見方や考え方を養い,科学に対する興味・関心を高めていくという点に特色をもつ科目である。
—— 高等学校学習指導要領解説 理科編(平成21年7月)

 だから、とりわけ「科学と人間生活」では定期テストを行いたくありまっせんでした(センター試験だって科目の特性から設定しないことにしているのだよ)し、科学と人間生活で、いわゆる定期テストをやるのはナンセンスだと思っています。そんなわけで、当時、教務部長に定期考査実施しないことにしたいと直談判したのですが、「他の主要五教科と足並みを合わせて欲しい」ということで、やむなく定期テストをやるに至ったりました。これは、教員時代を振り返っての汚点の一つです。

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