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異語り〜コトガタリ〜 000 はじめまして

「怪談は人に語られることで生命を得る」と聞いたことがあります。
よくできた怪談は多少盛られているのが分かっていても、ついつい人に話したくなってしまうもの。

私自身ホラー映画やお化け屋敷は大嫌い(『あなたの知らない世界』などの再現ドラマも耳を塞いで直視できないほどの怖がり)でもなぜか昔から怪談を読んだり聞いたりすることは好きでした。


ここに集めた物語は、遠い記憶の奥底に封印していたものや、何人もの人を介して伝え聞いたもの。
それらを思い起こしたり、個人情報などで一部をぼかしたりしてあります。

実際に起こった怪異そのものではないけれど、まったくの作り話というわけでもない。ちょっと不思議、なんとなく違和感がある程度の怖くない話も多くあります。

これらが種のように地にこぼれ落ち、やがて芽を出し成長したら……     生命を得て新たな怪異が生まれたりしないだろうか?
人に語られて行くうちに手足が生え目鼻が整い、いっぱしの怪異に成長するものも出てくるのではないか?
いわばちょっとした実験のような好奇心的な感覚なのかもしれません。

ついつい人に話したくなるほどの傑作は簡単には出来ないかも知れませんが、ポロっと誕生することもあるでしょう。(大いに期待)少しずつ書き溜めていこうと思います。


そういえばここ最近はやたらと怪談ばかりが思い浮かぶようになった気がします。
ひょっとしてこの実験的な思考自体が、これから生まれようとしている怪異に手繰り寄せられているのでしょうか

                                                       2020年 8月

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