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【WSJ有料記事】アップル製品、今買うべきもの 待つべきもの


iPhoneやAirPods Pro、アップルウオッチは待つべき、MacBook Airは今でも問題ない

By Joanna Stern
2022 年 8 月 19 日 17:26 JST
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――筆者のジョアンナ・スターンはWSJパーソナルテクノロジー担当コラム二スト
***
 iPhone(アイフォーン)を今買おうとしている人は、軽いが意味のある電気ショックを受けるべきだ。
 そうでもしなければ、筆者の「iPhone不買の鉄則™」を世間に覚えさせておくことはできないようだ。皆さんご存じの「学校が夏休みに入ったら、誰もがスマートフォンを買うのをやめ、9月のアップルの発表を待つべき」というあのルールだ。
 それが当てはまるのは、もうiPhoneだけではない。近年は、秋にApple Watch(アップルウオッチ)やAirPods(エアポッズ)、iPad(アイパッド)に関するニュースも満載だ。さらに、今年は例年にも増して買い控える理由がある。インフレが、私たちのあらゆる予算に影響を及ぼしていることだ。アップルの新製品が発表されると、通常は旧製品が値下げされるため、お買い得になる可能性がある。
 「通信会社が昨年発売されたiPhoneモデルに関して、一段と積極的な抱き合わせ販売や値引きをしても、おかしくはない」。調査会社クリエーティブ・ストラテジーズのテクノロジーアナリスト、カロリーナ・ミラネシ氏は筆者にこう述べた。
 今は余ったお金は高いジャガイモ(13%も値上がりしている!)を買うのに使い、死にかけのスマホは延命し、筆者の毎年恒例の「今買うべきものと待つべきもの」リストを参考に将来の消費を計画すべきだ。
iPhone


iPhone 13 ProPHOTO ILLUSTRATION: CHAYA HOWELL/THE WALL STREET JOURNAL, APPLE


 iPhoneは今、絶対に買っては駄目だ。
 ただし、3月に第5世代移動通信システム(5G)に対応した新型iPhone SEは例外。SEは唯一残されたホームボタンが付いた機種でもある。
 「iPhone 14」という名称になるとみられる次世代iPhoneは、本体デザインの大幅な変更は期待できない。しかし、画面の大幅なアップデートは期待できる。
 報道によると、アップルは「ノッチ」の縮小に取り組んでいる。ノッチとは、カメラ兼顔認証機能「フェースID」が内蔵された画面上部の黒く欠けた部分だ。上位機種の「iPhone Pro(プロ)」は、ディスプレーに常時点灯機能が搭載される見通しだ。これは、時間や日付などの重要な情報は表示するが、バッテリー節約のためにそれ以外の部分は暗くできる機能だ。Proには、大幅に改良された4800万画素のカメラも搭載される見通し。
 一つ非常に気になるのが、「iPhone mini(ミニ)」はなくなるのかという点だ。ブルームバーグのマーク・ガーマン氏によると、アップルはこの小型モデルをやめ、代わりに6.7インチの大型モデル「iPhone 14 Max(マックス)」を発売する見通しだ。つまり、Proの機能がないイケアの駐車場並みのバカでかいスマホということだ。
 アップルの広報担当者は、アップルの将来の製品についてはコメントを控えるとした。
 新製品はどうでもいいと思っている人も、今は買うべきではない。その理由は、ABBAではないが、「マネー、マネー、マネー」だ。アップルは例年、一部の旧機種を100ドル(約1万3600円)ほど値下げしている。また、通信会社の下取り価格は過去数年に高騰し、状態のいい旧機種と交換であれば、新機種を数百ドル値引きしてもらえることもある。
Apple Watch


アップルウオッチ・シリーズ7PHOTO ILLUSTRATION: CHAYA HOWELL/THE WALL STREET JOURNAL, APPLE


 アップルウオッチの大幅なアップデートは、恐竜が地球をうろついていた時代から行われておらず、いまだにバッテリー切れで充電する場所を探す羽目になることが多い。確かにディスプレーは大きくなって品質が向上し、プロセッサーは高速化した。しかし今、「Apple Watch Pro(アップルウオッチ・プロ)」の登場がうわさされている(これもガーマン氏の情報)。新しい耐久性の高いデザインで、画面が大きく、ついに1日以上持つバッテリーが搭載されるようだ。
 さらに、シリーズ8には温度センサーが追加され、低位機種のウオッチSEは刷新される見通しだ(安価なシリーズ3は、次期watchOSのサポート対象になっていないため避けた方がいい)。
 価格に対する機能性を考えても、新機種の発売を待つべきだ。アップルはここ何年もそうしてきたように、ラインアップに手を加え、新型ウオッチの価格設定を低くする可能性が高い。また、ジュースを1本賭けてもいいが、新しいウオッチ用のバンドもいくつか登場するだろう。それを古いウオッチに付け替えれば、再び新品のように見えるかもしれない。
AirPods


AirPods ProとAirPods(第3世代)PHOTO ILLUSTRATION BY CHAYA HOWELL/THE WALL STREET JOURNAL, APPLE
 新型コロナウイルス流行前の2019年10月、アップルはアクティブ・ノイズ・キャンセリング(ANC)機能が付いた249ドルの「AirPods Pro」を発売した。このワイヤレスイヤホンは、そろそろ大幅なアップデートが行われる時期に来ている。音質が向上し、よりコンパクトなデザインになる見通しで、特徴的なスティック状の突起がなくなる可能性もある。
 筆者の同僚は以前、AirPodsに将来、温度や心拍センサーが搭載される見通しだと報じたが、今回そうなりそうだ。充電ケースも改良されそうで、スピーカーが内蔵され、そこから音を発することで、ソファのクッションの下などに隠れたケースを見つけられるようになるようだ。
 旧AirPods Proは販売終了になる可能性が高い。ノイズキャンセリング機能が不要な人は、より安価な2種類の標準のAirPodsをまだ購入できそうだ。
iPad


iPad ProとiPad AirPHOTO ILLUSTRATION BY CHAYA HOWELL/THE WALL STREET JOURNAL, APPLE
 私たちは今、iPadの交差点に差し掛かっている。
 599ドルの「iPad Air(アイパッド・エア)」には青信号が出ている。3月にアップデートされたばかりで、アップル内製のプロセッサー「M1」が搭載され、5G対応になり、1200万画素のカメラも付いた。
 「iPad mini(アイパッド・ミニ)」も青信号だ。前回のアップデートは2021年で、画面のベゼル(縁)が狭くなり、プロセッサーが高速化し、「Apple Pencil(アップルペンシル)」にも対応した。そのため、近く大幅な改良が行われることはなさそうだ。
 しかし、最も手頃な329ドルの10.2インチiPadには、赤信号が大きく点灯している。デザインが一新され、プロセッサーが新しくなり、他のiPadモデル同様、USB-C端子が搭載され、5Gにも対応するとみられるためだ。
 「iPad Pro(アイパッド・プロ)」にも赤信号が出ている。報道によると、新型の「M2」プロセッサーが搭載され、ワイヤレス充電ができるようになる。
 これらのiPadのアップデートは、10月の「iPadOS 16」の提供開始と共に実施される見通しだ。iPadOS 16では、マルチタスク機能が刷新されるようだ。
MacBook


M2チップモデルのMacBook AirとM1チップモデルのMacBook ProPHOTO ILLUSTRATION BY CHAYA HOWELL/THE WALL STREET JOURNAL, APPLE
 基本価格1199ドルの新型「MacBook Air(マックブック・エア)」であれば、どれも今買っても大丈夫だ。7月に発売された素晴らしいモデルで、充電ケーブルを磁力で接続できる「MagSafe(マグセーフ)」端子や鮮明な13.6インチのディスプレー、M2プロセッサーが搭載され、薄型のデザインになっている。予算を節約したいのであれば、M1プロセッサー搭載の999ドルのMacBook Airでも十分だ。ただ、M2チップモデルのような新しいシャープな見た目ではない(大学生であれば、アップルの学生・教職員価格で購入可能)。
 14インチと16インチのMacBook Pro(マックブック・プロ)は、注意して進む必要がある。確かに、アップルがそれらのデザインを近く変更する確率は、筆者が地元のスーパーで異星人を発見する確率と同じくらい低い。しかし、電力消費の激しい視覚的な創作作業の多い仕事をする人は、これらの「M1 Pro」と「M1 Max」プロセッサー搭載のノート型パソコンが年内にM2プロセッサー搭載モデルにアップグレードされる可能性があることは、認識しておくべきだ。
iMac


M1チップモデルのiMac、マック・スタジオとアップル・スタジオ・ディスプレイPHOTO ILLUSTRATION BY CHAYA HOWELL/THE WALL STREET JOURNAL, APPLE
 「24インチiMac(アイマック)」のようなコンパクトな画面一体型のデスクトップ型パソコンを求めている人は、様子を見るべきだ。このモデルは、2021年4月に全面的に刷新され、M1プロセッサーが搭載されたが、そろそろM2プロセッサーに切り替えられる時期でもある。
 27インチiMacはどうなっているのかと何度も聞いてくる大画面のデスクトップ型パソコン愛好者には、雲がアイスクリームのコーンを持ったゾウのように見えるのはなぜかと5歳の息子に筆者が聞かれたときと同じ答えを返すしかない。「本当に分からない」
 アップルは、インテル製チップを搭載した27インチiMacの販売を3月に終了した。大画面のデスクトップ型パソコンが欲しい人は、デスクトップ型パソコンの新機種「Mac Studio(マック・スタジオ)」と新型ディスプレー「Apple Studio Display(アップル・スタジオ・ディスプレイ)」を組み合わせればいいが、価格は2倍近くになる(筆者は個人的に1599ドルのスタジオ・ディスプレイが好きではない。ウェブカメラは発売以降に改良されたが、もっと安い価格で同等のモニターを購入できる)。アップルが大画面の新機種「iMac Pro(アイマック・プロ)」に取り組んでいるとのうわさはあるが、発売時期は不明だ。
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アップルの新型モニター「アップル・スタジオ・ディスプレイ」には1599ドルの価値があるのか。ジョアンナ・スターン記者がLG、サムスン、デルのディスプレーと比較してみた(英語音声、英語字幕あり) Photo illustration: Alex Kuzoian for The Wall Street Journal.

Apple TV


アップルTVPHOTO ILLUSTRATION: PHOTO ILLUSTRATION BY CHAYA HOWELL/THE WALL STREET JOURNAL, APPLE


 ネットフリックスやHulu(フールー)、「Apple TV+(アップルTVプラス)」の動画をテレビで見たければ、149ドル以上するアップルTV端末を買うよりも、「Roku(ロク)」や「Amazon Fire Stick(アマゾン・ファイア・スティック)」を購入した方が簡単で手頃だ。しかし、アップルのインターフェースが好きな人や、他のアップル製品と連携させたい人は、待つべきだ。アップルTVが最後にアップデート(プロセッサーのマイナーな変更)がなされてから1年以上がたつほか、アップルがもっと安価な製品の発売を検討しているとの報道もある。
 筆者が毎年言っているように、今すぐに何かが必要な場合、壊れた製品を修理するか、お買い得品を探すべきだ。既に陳腐化していると分かっている製品を定価で買うべきではない。iPhoneを今買おうしている人は、お願いだからやめてほしい。さもなければ、筆者から電気ショックを食らうことになるだろう。


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