第9回 移動平均乖離率

移動平均乖離率とは、現在値が移動平均の値とどれくらい離れているかを見る指標のことです。
RSIと同じ100分率で表示しますが、「0%」が中立の状態になります。
移動平均は、値の動きのトレンドを分かりやすく表示したものであり、移動平均に対して値が離れすぎた乖離率の拡大は、トレンドから離れすぎた過ぎた状態を意味します。
このため、価格は移動平均の慣性力に引き戻され、これを修正する動きをする、つまり「0%」に戻ることになります。

だから、価格が移動平均から大きく上に離れると、乖離率もプラスに大きく変動し、「売りゾーン」と認識されます。
また、価格が移動平均線から下に大きく離れて、乖離率がマイナスに大きく変動した場合、「買いゾーン」と認識されます。
日経平均やTOPIXでは、±4%を超えたときに反転しやすくなるので、ここが「売り、買いゾーン」に相当します。

移動平均は、前回簡単に説明しましたが、今回は詳細に説明します。
なんでもそうですが、将来の傾向を把握するには、過去を観察するしか方法はありません。
誰も未来を見ることが出来ないからです。
このため、人類は過去を記録しました。
これが「漢書」や「後漢書」、「三国志」と呼ばれる歴史書です。
ですから本来の歴史書は、過去の記録として読むのではなく、将来の傾向を把握するための手段として読むべきものなのです。

同様に、日経平均の値も、過去の値から、将来の動きを把握しようと考えます。
そこで3月の日経平均とその前日比増減、更に5日移動平均とその前日比増減を求めると、下記の通りに成ります。
5日移動平均とは、当日を含めた過去5日間の平均値のことです。

 日付   日経平均  前日比増減 5日移動平均 前日比増減
R6.3. 1  39,910.8        744.60   39,351.6   162.44
R6.3. 4  40,109.2        198.40   39,526.7   175.10
R6.3. 5  40,097.6        -11.60   39,698.4   171.62
R6.3. 6  40,090.8          -6.80   39,874.9   176.56
R6.3. 7  39,598.7      -492.10   39,961.4     86.50
R6.3. 8  39,688.9         90.20   39,917.0    -44.38
R6.3.11  38,820.5    -868.40   39,659.3   -257.74
R6.3.12  38,797.5      -23.00   39,399.3   -260.02
R6.3.13  38,696.0    -101.50   39,120.3   -278.96
R6.3.14  38,807.4     111.40   38,962.1   -158.26
R6.3.15  38,707.6     -99.80   38,765.8   -196.26
R6.3.18  39,740.4  1,032.80   38,949.8    183.98
R6.3.19  40,003.6    263.20   39,191.0     241.22
R6.3.21  40,815.6    812.00   39,614.9     423.92
R6.3.22  40,888.4      72.80   40,031.1     416.20
R6.3.25  40,414.1   -474.30   40,372.4     341.30
R6.3.26  40,398.0     -16.10   40,503.9     131.52
R6.3.27  40,762.7    364.70   40,655.8     151.82
R6.3.28  40,168.1   -594.60   40,526.3   -129.50
R6.3.29  40,369.4    201.30   40,422.5   -103.80

日経平均の値だけを縦に見ていても、それぞれの期間が騰がっているのか、下がっているのか、見極めることは難しいと思います。
右側にある前日比増減を見ても同じだと思います。

ところが、5日移動平均を見てください。
日経平均と比べて、動きが滑らかに見えませんか!?

更に5日移動平均の前日比増減を見れば、もっと見やすいでしょう。
つまり、上旬はプラス、中旬はマイナス、下旬はプラスで最後は再びマイナスになっています。
移動平均を見れば、日経平均の動きが頭の中で描けると思います。

そして次は、日経平均、5日移動平均、それと乖離率です。

 日付    日経平均    5日平均  乖離率
R6.3. 1   39,910.8  39,351.6   1.42%
R6.3. 4   40,109.2  39,526.7   1.47%
R6.3. 5   40,097.6  39,698.4   1.01%
R6.3. 6   40,090.8  39,874.9   0.54%
R6.3. 7   39,598.7  39,961.4  -0.91%
R6.3. 8   39,688.9  39,917.0  -0.57%
R6.3.11  38,820.5  39,659.3  -2.12%
R6.3.12  38,797.5  39,399.3  -1.53%
R6.3.13  38,696.0  39,120.3  -1.08%
R6.3.14  38,807.4  38,962.1  -0.40%
R6.3.15  38,707.6  38,765.8  -0.15%
R6.3.18  39,740.4  38,949.8   2.03%
R6.3.19  40,003.6  39,191.0   2.07%
R6.3.21  40,815.6  39,614.9   3.03%
R6.3.22  40,888.4  40,031.1   2.14%
R6.3.25  40,414.1  40,372.4   0.10%
R6.3.26  40,398.0  40,503.9  -0.26%
R6.3.27  40,762.7  40,655.8   0.26%
R6.3.28  40,168.1  40,526.3  -0.88%
R6.3.29  40,369.4  40,422.5  -0.13%

乖離率は、広がり、狭まり、反転する、広がり、狭まり、反転する、の繰り返しだということに気づくと思います。
この過去の動きから、見えてくる明日以降の未来の動きに合わせて投資をするのです。
これが乖離率の活用ということになります。


※昔のブログみたいにnoteも画像の添付ができると思って移ったのですが、未だに使い方が良く分かりませんw
慣れるまで、もう暫くお待ちください<m(__)m>

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?