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第58回 長期投資はトレンドを飲み込む

短期投資では、投資法が3つ必要と書きました。
が、長期投資では、投資法は1つで良いと思います。
なぜなら、トレンドの変化を全て飲み込んだのが長期投資だと考えるからです。

トレンドがなぜ生まれるかと言えば、人の好悪が時々によって変わり、偏るからです。
その人の好悪は、その時の状況で大きく変化します。
そして状況は、インフルエンサーと呼ばれる人たちが、作り出していく訳です。

しかし、インフルエンサーの人たちの力も、永遠に続くと言うことはありません。
より大きな環境の変化によって、その力が打ち消されてしまうからです。
例えば、20年ほど前、エビちゃんをCMに起用して、7829サマンサJPの「サマンサタバサ」が一世を風靡しました。
当時のエビちゃんは、インフルエンサーの最たる方だったでしょう。

その頃の若い女性は、サマンサタバサのバッグを一つは持っていたと思います。
ところが、今や7829サマンサJPにその面影はありません。
流行は廃れ、バッグは売れなくなっているのです。
最盛期には5,950円まで買われていた株価も、今や額面割れの45円です。
実に、1/132にまで売られているのですから、流行後の凋落は凄まじいものです。

ファッション一つとってもこんなもんです。
これは、投資の流行も同じです。
短期の投資手法に固執するのは、今でもサマンサタバサのバッグに固執するようなものです。
今の状況でサマンサタバサのバッグを欲しがる女性は、どれくらいいるでしょうか!?

一方、長期投資の考え方は、流行ではありません。
同じバッグはバッグでも、実用的なバッグを選ぶという感じです。
女性はファッションで持つバッグと、実用的に持つバッグは使い分けるでしょう。
長期投資は、実用的なバックを選ぶことと同じわけです。

実用的なバッグを選ぶとなると、その選択基準は見た目ではなく、使いやすさだと思います。
自分が使いやすければ、多少汚れようが、擦切れようが、使い続けることでしょう。
流行なんて、全く気にしないでしょう。
他に、より使いやすいバッグが出てくるまで・・・・・。

長期投資も同じで、誰もが羨むような爆上げしているような銘柄ではなく、ジリジリと石橋を叩いて渡るように騰がっている銘柄を選ぶわけです。
多くの人は、「ふ~ん、いいね。」と言ってくれますが、それは単なる愛想です。
そのバッグの真価は使っている人にしか理解できないのと同様に、長期投資銘柄も保有者にしか理解できません。

- 数年経って倍になっている・・・・ -

知らない間に倍になっていれば、保有者は驚きと共に、大きな喜びになります。
しかし保有していなければ株価が倍になっていることを数字で知るだけなので、特段何も感じないでしょう。
なぜなら、2倍ではなく、数倍以上にまで上昇している銘柄が他にいくつもあるからです。
ですから、長期投資家は基本的に羨望の的になることはありません。
数十年後に羨望の的とされることはありますが、それは投資法ではなく、結果として現れた数字(資産)が大きいからです。

ちょっと話が逸れたので戻します。
つまり、長期投資は流行に左右されるものでは無く、その根本にある真価を見極めて投資をすることになる訳です。
言い換えれば、流行を全て飲み込んだ上での投資だということです。

そこで必要になるのは、バッグの使いやすさに相当する銘柄の真価です。
バッグの使いやすさは、実際に使ってみないと分かりません。
銘柄の真価も、実際に保有してみないと分からないでしょう。
しかし、長期投資ですから、保有してみて試すみたいなことは、簡単には出来ません。
ですから、使い易いバッグを口コミで選ぶように、銘柄も口コミに相当する会社四季報で選ぶわけです。

そこで来週からは、暫くの間四季報活用法を書きたいと思います。
私も、過去、四季報の研究をしました。
その中で、特に良いとか、面白いと思った使い方を紹介したいと思います。

ただ、その前に、長期投資をするのに必要な考え方を挿入しようと思います。
「風が吹けば桶屋が儲かる」という有名な一文がありますが、これです。
あなたは、この一文の意味を正しく理解しているでしょうか!?
次回説明しますが、楽しみにしていて下さい。

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