見出し画像

第70回 3475グッドコムアセット

私が抽出した銘柄の中で、前期から今期に向けて、最も売上高の伸びが大きい銘柄は、3475グッドコムアセットです。
3475グッドコムアセットは、3236プロパストと同じ不動産会社です。

ただ、業態は少し違います。
基本は、投資用マンションの販売です。
更に、不動産に対して自社製ファンドを開発し、それを投資家に販売しています。

      売上高  営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
連21.10   34,216  3,437   3,164  1,962   67.5   21.5
連22.10   40,048  4,612   4,342  2,858   99.6   30記
連23.10   22,190  2,141   1,788  1,030   35.8   35
連24.10予    71,500  5,350   4,670  3,250    112.8   36
連25.10予    92,000  9,000   8,200  5,300    183.9   56

前期は、引き渡しが期ヅレを起こしたため、売上げが大きく減少しています。
その分、今期に上積まれているということです。
それならと、21年の34,216百万円から22年の40,048百万円への増加率である17%を単純に23年以降も続いていると仮定して数字を計算してみました。
そこで40,048百万円を1.17倍にしてみると、46,856百万円になります。
この46,856百万円を更に1.17倍してみると、54,821百万円になります。
更に、54,821百万円を1.17倍してみると、64,141百万円になります。

この3つを合計すると、次の通りになります。
  46,856 + 54,821 + 64,141 = 165,818百万円

更に実績と会社予想を足してみました。
  22,190 + 71,500 + 92,000 = 185,690百万円

更に差額を出してみました。
  185,690 - 165,818 = 19,872百万円

つまり、23年度が予定通りに実績があったとしても、増加率は上がっているということになります。

- じゃ、もっと買われて良いじゃん!! -

そう思えるところなのですが、10月決算企業なので、24年10月期の上半期の業績が発表されているところです。
それを確認すると・・・・。

     売上高 営業益 経常益 最終益 修正1株益 対通期進捗率
21.11-04 25,083   3,319   3,104   2,132   74.4    71.5
22.11-04 10,712   1,282   1,192   781   27.2    66.7
23.11-04 11,351     869    588   358   12.5    12.6

あらら・・・・、正直、ひどい数字です。
通期進捗率が12.6%となると、下半期で9割近くの売上げを出す必要が出てきます。
そう思ったら、5月23日(水)に、上半期の下方修正が出ていました。
その内容を確認すると、一応、下期に売り上げるとアナウンスしているので、通期予想は据え置きだと言うことです。
でも、普通に考えて、前期の積み残し分が20,000百万円程度あったはずです。
今回発表があったのは11,351百万円ですから、積み残し分さえ上半期に売り上げられなかったということになります。

投資家、特に機関投資家は下方修正を嫌います。
なぜなら、機関投資家の最上位使命は、出資者の資金の安定運用だからです。
計画通りに実績が出ないと言うことは、計画作成能力が低いと認識されてしまいます。
また、そもそもの計画通りに事業が実施できていないのではないかと、疑念が湧きます。

それでも株価が戻り歩調なのは、会社発表を信じる投資家がそこそこ居るからでしょう。
そこでチャートは、6月14日(金)に上放れています。
何か材料が出たのかと確認したら・・・・、開示情報が出ていました。
それは、前期に積み残した1,190戸の販売状況というものです。
売上げ未計上ながら、既に売却済みのものが相当するあるため、通期業績は予定通りに達成可能だと言いたいのでしょう。
下方修正を発表して売られたことが、会社として焦ったようです。

さて、こうなると、この企業への投資は、財務云々より、信じるに足る企業かどうかの見極めだと思います。
今回の開示通りの数字が達成できると考えれば、短期的なら買うことができるでしょう。
しかし長期投資になると、そう単純には考えられません。
少なくとも数年間投資するのですから、信頼に足る企業だと思えなければ、安心して資金を入れておけません。
そう言う意味でも、下方修正する企業を機関投資家は嫌がるのです。
私としては、業界人ではありませんから、東京の不動産状況も良く分かりませんので、私が仕込むのは丁半博打と一緒だと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?