第69回 2146UTグループ
私が抽出した銘柄の中で、最も配当利回りが高いのは、2146UTグループです。
2146UTグループは、人材派遣及び業務委託が中心の企業です。
売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益 1株配
連20.3 101,191 8,040 8,113 4,509 111.7 0
連21.3 115,131 7,163 7,191 4,299 106.5 66特
連22.3 156,769 6,257 5,954 3,140 77.8 24
連23.3 170,631 8,914 8,834 3,831 94.9 0
連24.3 167,030 9,344 9,397 6,361 160.4 96.15
連25.3予 215,000 13,600 13,500 13,000 327.5 164.81
連26.3予 276,500 22,400 22,300 14,500 365.2 220
会社四季報には、下記の通り書かれています。
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オープンアップグループから製造派遣事業を譲受する一方、自社の技術者派遣事業を譲渡。
また、製造派遣に経営資源集中し、半導体や自動車向けに受注拡大。
人材戦力化も効き、営業益大幅増。
更に株売却特益。
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この書き方では、オープンアップグループからの事業の交換で、売上高が上昇すると見込んでいるようです。
また、25年度の純利益が経常利益と余り変わらない数字になっているのは、株売却特益が乗っているからでしょう。
もし乗っていなければ、営業利益の70%程度の9,500万円程度が純利益の額になるはずです。
ここで気になるのは、2023年度、つまり前々期の無配原因です。
決算書を読むと、株価が割安であるため、配当金に回さず、自己株式の取得費用に充てると書かれてありました。
つまり、配当金は出さないけど、株数の減少に伴う株式価値の向上で報いるということだったようです。
こう書かれると、無配が悪材料だとは言えないですね。
さて、続いて資産状況を見てみましょう。
1株純資産 自己資本比率 総資産 自己資本 剰余金 有利子負債倍率
連22.3 489.28 30.8 64,107 19,748 18,567 1.01
連23.3 563.70 31.8 71,630 22,752 21,430 0.72
連24.3 689.32 40.0 68,456 27,365 24,973 0.45
自己資本比率は40%もあります。
また、有利子負債倍率は0.45倍という低い数値です。
人材派遣会社の代表格である2168パソナGの自己資本比率は20.3%、有利子負債倍率は1.06倍であるので、財務的に非常に優秀だと言えるでしょう。
そしてキャッシュフローです。
営業益 フリーCF 営業CF 投資CF 財務CF 現金等残高 現金比率
連22.3 6,257 -4,021 2,279 -6,300 4,554 25,827 40.29
連23.3 8,914 10,865 13,004 -2,139 -4,748 31,969 44.63
連24.3 9,344 3,777 3,987 -210 -6,434 29,318 42.83
財務CFのマイナスが続いているので、借入金を返済していることが分かります。
先ほどの有利子負債倍率の改善と併せると、今後の金利上昇局面に向けた予防線を張っていると言えるでしょう。
- これなら買える!! -
ついついそう思ってしまいます。
でも、割安に放置されているのは何か理由があるはず・・・・・。
例えば、リーマンショックで有名になった言葉に、「派遣切り」がありました。
業績が急落している企業が、派遣職員を中途解約または更新拒否として、人件費を圧縮しようとした動きです。
当然、派遣で働いている人たちにとっては悪夢以外の何物でも無かったのですが、派遣会社にとっても悪夢だったことでしょう。
更に、派遣会社に投資していた投資家にとっても・・・・。
この後、不動産会社は成長企業であっても割安で放置されています。
3288オープンハウスG、3465ケイアイスター不動産、3241ウィルなどを見て貰えば分かると思います。
それだけかな・・・・、と思ったら、他にも原因らしきものを見つけました。
ホームページに、中期経営計画が掲載されています。
その中の第4次経営計画で、2025年度の売上高2,000億円、2030年度の売上高3,000億円とあります。
確かに、伸びるときは伸びている企業ですから、今期の予想で売上げ2,150億円を想定しているのかもしれません。
しかし、元々の計画があるからと強引に2,000億円を達成するために、予想として2,150億円を想定しているとしたら・・・・。
ちょっと気になるので、第1四半期の結果を確認してからでしょうかね!?