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第74回 142Aジンジブ

私が抽出した銘柄の中で、最もROE(自己資本利益率)が高いのは、6085アーキテクツSJです。
ただ、前期赤字企業は参考にならないので、次点の6181タメニーと思いましたが、ここもほぼ赤字みたいなものでした。
そこで更にその次の142Aジンジブを選んでみました。
142Aジンジブでも、26年3月期の予想で122%とあり得ない数字です。

さて、142Aジンジブは、高卒就職採用支援サービスや人材育成サービスを手掛ける企業です。
つまりは、最近流行りの人材開発ですね。
この企業は、高卒の人材に特化しているようです。

     売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
単22.3      972   -91      -93    -65   -65.9     0
単23.3   1,517     73       64     41     41.4     0
単24.3   2,082   272     253   141   130.5     0
単25.3予  2,880   240     230   150   103.5     0
単26.3予  4,500   890     890   560   386.5     0

高卒の就職市場は、実は非常に需要が高いと私は常々考えていました。
と言うのも、私がいる京都は大学や専門学校が多いことから、高校生の進学率が非常に高い地域です。
だからと言って、教育熱心ではありません。
高校生の質が良いかと聞かれれば、正直、悪いと言った方が良いでしょう。

それでは、なぜ進学率が高いかと言えば、その方が高校の教師にとっては楽だからです。
高校生の就職の場合、まずは高校が就職先を探さなければなりません。
これがかなり大変なのです。
高校生の就職市場は確立しておらず、殆どが学校や先生たちの個人的な繋がりで探さなければなりません。

それに対して進学を勧めれば、就職先を探すと言う苦労は無くなります。
進学先は学生自身が探すものだからです。
ですから、大学や専門学校で勉強をする気も無いのに、安易に学校に薦められて進学する学生が多くいます。
特に、ゆとり教育時に進学の自由が口にされて、大学、専門学校が乱立してからは、名前さえ書ければ入れる学校が設立されたのも一因です。
また、そういう学生に限って奨学金を借りており、返済に四苦八苦する程度なら良い方で、1円も返済せずに逃げるという輩が多くいます。
ですから、高校生の就職支援は、進学先の少ない地方を中心に大きなニーズがあると思っていたのです。

さて142Aジンジブは、証券番号を見て分かるように、この3月に上場した企業です。
公募価格1,750円で、初値は3,980円でした。
公開まなしの企業だと、ロックアップ期間が終了すると、断続的に売りが出て相場が崩れる傾向があります。
ですから、完全に底打ちするまで1年以上かかる場合があるため、セカンダリー狙いならまだしも、長期投資には向きません。

142Aジンジブは、令和6年3月22日(金)に上場されまた。
主要株主には180日間のロックアップが付いていたので、9月中旬までは売ることができません。
つまり、需給的にはまだまだ不安を抱えているということです。

ただ、142Aジンジブは、中期計画を開示しています。

     売上高 営業利益 経常利益 純利益 1株益(円) 1株配(円)
単24.3   2,082      272     253     141   130.5    0
単25.3予  2,880      240     230     150   103.5    0
単26.3予  4,472      890     890     560   386.5    0
単27.3予  6,769   1,696

つまり、四季報の数字は、中期計画に基づいた数字だということです。
また27年3月期、つまり再来期は売上高67億円、営業利益17億円という目標を立てています。
これが現実になると、1株利益は500円を超えることになり、大きな成長を期待することが出来ます。
更に、人材大手2168パソナの売上げ3,700億円と比べて、142Aジンジブの27年3月期の67億円は、微々たるものです。
まだまだ成長余地はあるということです。

最後に大株主です。
創業者の佐々木満秀氏が80%の株式を保有しています。
非常に魅力的です。

ただ、新規公開株は玉石混合で、急ぐ必要はありません。
私は、もっと時間をかけて徹底的に調べて、不安点を払拭できれば仕込もうかと考えています。

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