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中小商社の今の株価はどう? 割安株の探し方 vol.3

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 前回の記事で、指標が割安だった業種のうち最も多い数を占めた商社株を見ていきました。

 ただし、時価総額1兆円超の五大商社(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅)を中心とした総合商社に絞って書きましたので、本記事は時価総額100〜1000億程度の中小商社について見ていきたいと思います。

①割安な中小商社ってどんな会社?

【銘柄スクリーニング基準】
(1)東証一部上場
(2)予想PERが8倍以下
(3)実績PBRが1倍以下
(4)配当利回りが4%以上
(5)1単元が100万円以内

【抽出銘柄のうち時価総額100〜1000億円の卸売業銘柄】※9/26終値基準
(3023)ラサ商事 ※鉱物、金属素材や特殊ポンプ等の専門商社
(7414)小野建 ※ 鋼材、建設機材の専門商社
(7637)白銅 ※金属商社
(8065)佐藤商事 ※金属専門商社
(8074)ユアサ商事 ※工作機械の取扱高最大手
(8075)神鋼商事 ※神戸製鋼グループ内の製品や鉄鋼原料が主力
(8087)フルサト工業 ※鉄骨建築用副資材の大手
(8133)伊藤忠エネクス ※ 伊藤忠系のエネルギー商社首位
(2715)エレマテック ※電子材料・部品。豊田通商子会社
(3388)明治電機工業 ※電子部品・産業用電子機器
(7537)丸文 ※独立系の外国製半導体商社
(7591)エクセル ※液晶デバイス、半導体、電子部品
(7609)ダイトロン ※電子部品中堅卸

 前回までの記事のおさらいにはなりますが、一口に商社(卸売業)と言っても、意外と聞いたことのない企業も多いのではないでしょうか。
 
 商社の行う卸売りは基本的にBtoBのビジネスなので、消費者に直接的に関係が薄い分、馴染みのない企業が多くなってしまいます。

 上に挙げた銘柄群を見て頂くと、大きく「金属・機械」と「電子部品」に分けられそうです。それでは、まず「金属・機械」を見ていきましょう。

②中小商社ってなんで割安なの?〜金属・機械商社〜

 金属や機械は大規模な設備投資などに需要が左右される、昔ながらのビジネスと言えます。

 悪く言えば「古臭い」のです。
 
 常識的に考えて、こういった古臭いビジネスとITをバリバリ活用した情報通信やサービス業といったセクターのどちらが今後の利益が出そうかと聞かれれば、誰しも後者と考えますよね?
 
 よって、そのようなITの活用で大きく成長できそうなセクターに比べて、オールドビジネスがメインの企業は需要が低くなりがちになってしまいます。

 PERとPBRが割安になっているということは、ある意味企業の利益水準や財務状況(純資産額)はそれほど悪くないとも言えるわけで、実際に直近5年間の利益水準は堅調な企業も少なくありません。

 ただし、堅調なだけではリスクが大きいと見られているため、あまり株価がついてこないということになっているわけです。
(実際、①の銘柄群の月足チャートを見ると、右肩下がりになっている銘柄も多いです)

③中小商社ってなんで割安なの?〜エレクトロニクス(電子部品)商社〜

 次にエレクトロニクス(電子部品)商社を見ていきましょう。

(2715)エレマテックや(3388)明治電機工業などエレクトロニクス商社は、オムロンなどの電子部品メーカーが製造した部品を仕入れて、ソニーなどの電機メーカーに卸しています。

 エレクトロニクス商社の概要については、今回のスクリーニングでは出ませんでしたが、同じく電子部品卸売の株式会社リョーサン(8140)のコーポレートサイトのページにわかりやすく載っております。→『わかる!エレクトロニクス商社』

 少子高齢化が進む日本において電子機器の需要は頭打ちになるため、エレクトロニクス商社のビジネスも海外経済の影響を大きく受けます。

 特に直近では米中貿易摩擦などの影響で中国経済の減退リスクも大きく、電子部品商社もその煽りで売り優勢になっていると考えられます。

④結局、値上がりしそうな中小商社はあるの?

 ネガティブ面ばかりを嘆いていても始まらないので、その中でも今からエントリーするに値する銘柄があるかどうか見ていきたいと思います。

 確かに金属・機械などのオールドビジネスは今後の成長性に疑問はあります。
 
 ただ、エレクトロニクス商社の場合、海外需要まで加味すればIT化が十分に進んでいない地域は多くありますので、まだまだ電子機器の需要は大きく、業績が上がる余地はあるのではないかと考えております。

 よって、エレクトロニクス商社につきまして①の銘柄群はすでにスクリーニング済ではありますが、さらに以下の基準を追加して、該当銘柄がないか見てみましょう。

【スクリーニング済のエレクトロニクス商社】
(2715)エレマテック ※電子材料・部品。豊田通商子会社
(3388)明治電機工業 ※電子部品・産業用電子機器
(7537)丸文 ※独立系の外国製半導体商社
(7591)エクセル ※液晶デバイス、半導体、電子部品
(7609)ダイトロン ※電子部品中堅卸

【追加】
●過去5年間の一株あたり利益が堅調に推移している(右肩上がりだと尚可)
●過去5年間、継続して配当金が出ている(増配だと尚可)

 この追加スクリーニングの結果、どのようになるでしょうか? 実際にやってみました。

 結果としては、やはり期ごとに一株あたり利益及び配当金の変動が激しい企業が多いです。ただし、その中で唯一(7609)ダイトロン一株あたり利益が過去5年間継続して伸びており、配当も増配となっております。
 スクリーニング済の5社のエレクトロニクス商社の中では、最も買いを検討できる銘柄と言えるでしょう。

⑤まとめ

 今回の記事では、私独自のスクリーニング基準で抽出された銘柄のうち、時価総額100~1,000億円の卸売業(商社)について見ていきました。

 個人的にエレクトロニクス(電子部品)商社の方が成長性が高いと考えており、その中で唯ひとつ一株あたり利益及び配当金が過去5年間に渡って右肩上がりになっているのが(7609)ダイトロンでした。

 それでは次回は、エレクトロニクス商社(7609)ダイトロンについてさらに詳細を見ていきたいと思います。

次回記事『エレクトロニクス商社(7609)ダイトロンって買うべき? 割安銘柄を探せ!vol.4』

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ここまで読んで頂きありがとうございます。

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