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子どもの成長を感じるとき 〜小3編〜

朝、目が覚めるともう次男の姿はない。
早朝から、一階のリビングで長男とドタバタ遊んでいる振動が、二階の寝室まで伝わってくる。

末っ子の例に漏れず、次男はめっぽう甘えん坊に育った。3年生になった今でも、テレビを見るときの指定席はぼくの膝の上だし、一緒に外を歩くときは手をつなぎたがる。

朝方、ぼんやり目が覚めてくると、隣で寝ているぼくの布団にもぐりこんでくるのも恒例だった。
ぼくは眠りを妨げられながらも、半分寝ぼけながらぴったりとからだを寄せてくる次男の体温に、いつも癒やされていた。

それが、いつからか、もう気づいたときには彼の布団は空である。
さっさと起きて、一階でドタバタやっているのである。

これも成長の証だ。そもそも小3にもなって父親の布団から離れられないようじゃ先が思いやられる。そう自分に言い聞かせてはみるけれど、はっきり言ってめちゃくちゃ寂しい。この様子だと手をつなぐことを卒業するのも時間の問題だろう。

うちは二人とも男の子だから、娘をもつ父親の「幸せになってほしいけど嫁には出したくない」というような矛盾した葛藤とは無縁だと思っていた。でも親というのは多かれ少なかれ、成長を表では喜びながらも裏で密かに切なさを募らせる、そんな経験からは逃れられないようだ。

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