某哲也さん講演会 お昼寝投資法[その3 株と麻雀の類似点 ・期待値と破産確率]
7/6に開催されました某哲也さんの講演会の書き起こしになります。
その 1 お昼寝投資法[その1 お昼寝投資法ができるまで]
その2 お昼寝投資法の実践 ・メンタル
ここまでざっとお昼寝投資の成り立ちについて説明してきましたが、そのまとめとなります。お昼寝投資とは最初に述べたようになるべく労力をかけずにメンタルすり減らすことなく資産を増やしていきたいという考えからきてますので、最低限やらなければならないこと絶対やってはいけないことを把握しておくのは非常に大事なことです。
まずはこの最低限やらなけらばいけないこと、
絶対にやってはいけないことをおさえてから、
70点を71点にしていくというような順番かと思います。
ここをおさえずに銘柄選定を頑張ったとしても
売買タイミングが悪く損失を出したり、
無駄な努力に終わってしまうことも多いです。
株に時間を割いているのに勝てないという人は
努力の方向を間違えている可能性があります。
株と麻雀の類似点
お昼寝投資の内容にキリがついたところで、
突然ですがこれから5分ほど麻雀の話をします。
麻雀は分からない人も多くいると思いますので
今日麻雀の話をするかどうかは結構悩んだんですが
やっぱり我慢できませんでした。
興味ない方は今のうちにトイレをお済ませください
じつは、私の趣味は麻雀なのですが、
麻雀というのは株とすごく似ているところがあって、
小学生から麻雀を打ってきた私は
麻雀の考えをそのまま投資に活かしています。
麻雀をしていなかったら、株で負けていたかもしれません。
似ている部分はいくつもあるのですが、
大きなところでまず1つ目、
銘柄選定と売買タイミングを
最速で70点を目指すという考え方です。
株には銘柄選定と売買タイミングの
2つの上手さがあるとお話しましたが、
麻雀も牌効率と押し引きという
2つの上手さから成り立っています。
そして株と同様に、どちらか片方が高得点では意味がなく、
両方とも70点をとるということが
麻雀の中級者への入り口となります。
ちなみに少し説明しますと、
牌効率というのは、どの牌を捨てたらアガりに向かって
効率よく進んでいけるかという能力のことで
牌効率が上手いと麻雀が上手な人に見えます。
またユーチューブの動画や書籍などでも
何切る問題と称した問題集が多く見受けられます。
対して押し引きの上手さというのは
点数状況や場の状況に応じて、
守備を考えた打ちまわしのことで
これが上手くても正解だったのかという判断が難しく、
目立ちにくくて分かりにくいです。
そして麻雀の勉強=牌効率になりがちだと思います。
これはおそらく、牌効率の方は正解が明確なのに対し、
押し引きは結果論になってしまうことが多く
正解だったのか間違っていたのか分かりにくい
というところにあると思います。
ですので、押し引きは勉強するというよりは
自分で考えながら経験を積んでいくことでしか成長しません。
この部分を株に置き換えてみますと、
銘柄選定は牌効率と重ねることができ、
株がうまく見えるのは銘柄選定が上手い人で、
銘柄についてしっかりプレゼンできる人は
株がうまい人に見えます。
また多くの勉強会は銘柄プレゼンや銘柄の選び方といったもので
す。
一方で売買の上手い人というのは、
麻雀でいうところの押し引きの上手い人と重なり、
ロットコントロール、メンタルコントロールといった
勉強会ではあまり耳にしない能力が必要だったりします。
また、こちらの能力も勉強といったことでは身につかず、
自分で考えないことには全く成長しません。
一例を出しますと、
去年、今年と名村造船が株クラの中で話題となり、
今日ここにいる多くの人も持ったことがある銘柄かと思います。
この名村造船は、去年今年と株価は右肩上がりですので
間違いなくいい銘柄といえます。
いい銘柄なのは間違いないのですが、
莫大な利益を得た人、まぁまぁ利益を得た人、
儲からなかった人、なんなら損した人までいます。
同じ銘柄でありながら差ができるというのは、
ロット管理やメンタル管理の方面で
差が生まれているのだと思います。
先ほど、銘柄選定のうまさと売買のうまさの2通り挙げ、
どちらも70点取らないといけないと言いましたが、
いくら銘柄選定が100点だったにしろ
売買が30点だったら全く意味がないということが
よくわかるかと思います。
ロットを多く入れようとする銘柄を持つのであれば
お風呂の中でボケーっとロットやインのタイミングなど
1人作戦会議をするような感じで時間を割くことも
株の勉強の1つであり、とても重要だと思っています。
銘柄を調べることだけが勉強ではありません。
2つ目に、株も麻雀も理不尽を許容するゲームである
ということです。
株でいうところの理不尽な株価の動きは
皆さんもよく経験があるかと思います。
理不尽の許容という点では
麻雀を1日打ってれば何十回と経験するほど
株よりも麻雀の方が圧倒的に回数は多いです。
ただし、どれだけ理不尽が起きても長い目で見ると
期待値の高い行動を続けている人が成績が良いというのが
株と麻雀での共通点です。
麻雀が弱い人の口癖で、あーしとけばよかったなど
結果論で考えてしまう人がいますが、
問題はその時までさかのぼってもう1度考えてみて
逆の行動が取れたかどうかということで、
取れないのであれば理不尽で損を被ったとしても
何も気にすることはありませんし、
反省した結果ミスだったという結論になれば
次からの行動に活かせばよいと思います。
反省はしても後悔をしてはいけません。
3つ目、株も麻雀も王道が1番強いということです。
麻雀で言いますと、相手を引っかけてやろうと
わざと変な打ちまわしをしたり、
立直をかけずダマでこっそり打ち取ってやろうと
色々考えを巡らせて難しいことをするというよりは
リャンメンで立直をかけてツモを狙うという
単純で王道な麻雀が強いということです。
相手をひっかけてアガった方が目立って
上手に見えるかもしれませんが、
けっきょくは王道の麻雀が1番強いと思います。
私も人に麻雀を教える時には、迷ったらリーチと、
とにかくリーチを打つことが最優先事項だと教えています。
株においても、テクニカルを駆使して小銭を稼いだり
値動きの激しい株を触って儲けられるのは
ごく一部の天才な人だけで、
ほとんどの人は負けてしまいますので、
そんな小難しい小技で稼ごうとするよりも、
期待値のある銘柄にロットを入れて長期で持つという
単純にして王道な投資をした方が
安定的にプラスのパフォーマンスが残せるかと思います。
派手で技のある打ちまわしを駆使するアカギに対し
市川が言った
「ワシは下手でいい。ただ、勝つ」というセリフは
個人的に株においても名ゼリフではないかと思っています。
本当は麻雀の話だけで小一時間くらい話したいのですが、
さすがにそれに時間をとりすぎるわけにいかないので
今日はこれくらいにしておきます。
レバリュー投資
つづいて本日のラインナップ3つめの
レバリュー投資について少しお話しようと思います。
レバリュー投資とはレバをかけてバリュー株を持つという
誰かが言い出した造語です。
バリュー株は下落に強く底堅い動きをするため
信用取引と相性がいいと思います。
ですので、私も常に低倍率のレバをかけるようにしています。
ただし、信用取引を推奨していない方も多くおられます。
それは信用取引とは使い方を誤ると身を亡ぼす
界王拳のようなもので、扱いが難しいからです。
信用取引が難しいとされる主な理由は
現物ではありえなかった破産の可能性が出てくる
ということと、成績のブレ幅が大きくなるため
それに耐えうるメンタルやロットの管理が
必要となってくるためです。
期待値と破産確率
このリスクに対処するため
破産確率というものを考慮し、
期待値をなるべく正確に把握して
適切なロットを入れてメンタルを安定させる
という作業が最低限必要となってきます。
期待値と破産確率ですが、
まず期待値とは、例えばコインの裏表を当てる
勝率2分の1の勝負で、当たった時の賞金が200円だとしたら
期待値は100円となり、
参加費が100円より安いか賞金が200円より高ければ
期待値がプラス、逆に参加費が100円より高いか
賞金が200円より安ければ期待値はマイナスとなります。
これが単純な期待値の話なのですが、
金額が大きくなると期待値より優先して
破産確率を考えないといけません。
では破産確率に焦点を置いた場合、
先ほどの勝率2分の1の勝負、
賞金が5億円だった場合、期待値は2.5億円となりますが、
じゃあ参加費が2億円だったらやりますか?
ということです。
例えば2億円しか持っていない場合、
初戦で負けると1回しか挑戦することができず、
2分の1で即破産となります。
また、仮に1回勝っても2連敗で破産というケースもあります。
ちなみにこの手持ち2億円しかない場合の
破産確率は何%くらいあると思いますか?
そしていくらの手持ち資金があれば破産確率を
1%未満にできると思いますか?
確率を考えるゲームに慣れてる人は
正確ではないにしろ、だいたいの破産確率というのが
パっと頭に思い浮かんでくると思います。
正解は以下の通りです。
手持ち2億円での勝負は約82%で破産しますので、
たとえ期待値プラスでも絶対やってはいけないとなります。
もし10億円あれば安泰と思っていた人は危険です。
10億あっても3分の1以上の確率で破産してしまいます。
破産確率が1%未満となるのは資金47億円からで
そこからは資金が増えるごとに0%に近づいていきます。
結論として、リスクを極力取りたくないのであれば
資金は少なくとも50億、できたら70億くらいほしい
ということになります。
ただし、期待値がとても高いギャンブルなので
全くやらないのはもったいないということで
たとえば10億円の損まで許容するといったような
選択肢が出てきます。
例えば手持ち資金30億円の場合
破産確率は5%と十分起こり得る確率ですので
やってはいけないということになりますが、
10億円の損までは許容するという考えでいくと、
37%で30億が20億円になる可能性がありますが、
逆に言うと63%で資金を莫大に増やせる可能性もあります。
こうした時に37%で10億円失うことを覚悟して
運悪く37%を引いてしまったら
そこで負けを認めて10億円を取り返そうとせずに終了する
というような考え方です。
この時運悪く10億円失ってしまったとしても
それはあらかじめリスクリターンを考えた結果
期待値をとりにいったということなので
後悔せず胸を張って損を受け入れればよいと思います。
1番だめなのは、負けて熱くなってしまって、
最初は10億減ったらやめると決めてギャンブルをしたのに、
自分で決めたルールを破ってしまうというのが
絶対にだめなやつです。
期待値と破産確率をまとめますと、
絶対に切り離して考えてはいけないズッ友のような関係です。
期待値だけにとらわれ過ぎず、
破産確率を考慮した上での期待値です。
投資においては破産までいかなくても、
お金でお金を稼ぐものですので、
極端な資金の目減りというのは
絶対に避けなければなりません
その4 レバニュー投資実践へ続く